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来年(2021年)で最初のテレビアニメ化から50年の節目を迎えるアニメ『ルパン三世』。主人公のルパン三世と彼を追う銭形は泥棒と警察という立場ながら、奇妙な信頼関係を築いている。今回は2人の友情が描かれたエピソード3つを紹介していこう。
■「モロッコの風は熱く」/ルパンと銭形の脱走大作戦!
本来は追い・追われの関係であるルパンと銭形だが、長いシリーズのなかではたびたび共闘している。1978年5月1日に放送されたテレビシリーズ『PART 2』の第30話「モロッコの風は熱く」もそんなエピソードのひとつ。
カサブランカで拉致されてしまったルパンは、同じく捕らわれの身となった銭形とともにクーデター部隊への参加を強いられる。首輪でつながれてしまったルパンと銭形は協力し、クーデター部隊の基地からの脱出を図る。
脱走や盗みを認めようとしない頑なさを見せつつ、窮地に陥るとルパンだけを逃そうとした銭形や、一度は逃亡に成功したものの、銭形を助けに戻るルパン……。単なる泥棒と警察の関係に留まらない、ふたりの友情が色濃く表れた名作だ。
■「ライバルに黄金を」/ルパンから銭形への粋な“見舞い”
先述の「モロッコの風は熱く」のように、ルパンが銭形のために体を張る姿が描かれることも多い。1985年5月11日放送のテレビシリーズ『PART 3』第39話「ライバルに黄金を」はその代表的なエピソードといえる。
警護していた金塊を、ルパンの名を騙る何者かに強奪されてしまった銭形。残された手がかりから犯人の外国人部隊を突き止めた銭形だったが、奪った金塊を見つけられずに捜査を外され、さらには暗殺者の襲撃で重傷を負ってしまう。
ルパンもまた、自身に汚名を着せた外国人部隊からの金塊奪取を狙って行動を開始。しかし、銭形が負傷したと知ると変装をして病室に様子を見に伺い、最後には奪還した金塊と事件の首謀者を銭形に送り届けた。銭形に対する思いやりの深さもさることながら、金塊と犯人を“見舞い”と称するルパンの粋な振る舞いが印象的だ。
■「ルパン三世の最期」/ルパンの死に揺れ動く銭形の心
ルパンは敵の目を欺くために、自らの死を偽装することがしばしばある。そんなルパンの作戦に毎度毎度ショックを受けているのが、銭形という男なのだ。
2015年12月25日に放送されたテレビシリーズ『PART 4』第13話の「ルパン三世の最期」でルパンは、銭形発案の特製牢獄に投獄されてしまう。ルパンは死亡確認で扉が開くワンチャンスを狙った、驚きの脱獄計画を展開する。
このエピソードでは、ルパンの作戦の全容は視聴者にも脱獄の瞬間まで伏せられている構成で、ドラマではルパンと相対する銭形の心情がフォーカスされている。念願のルパン逮捕を果たしながらも、食事を拒んで衰弱していくルパンの姿に激しく動揺し、最後には脱獄されたにも関わらず喜びを爆発させるアンビバレントな心の動きが描かれた。