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タレントの加藤紗里(29)が5月25日、自身のインスタグラムを更新。フォロワーからの一問一答の質問に対する、自分なりの回答をつづった。
黒田投手と菊池二塁手を判別もできないのに「カープ女子」を自称したり、アベノマスクをナイトブラにしたり……と、たしかにロクでもないヤラカシも過去たくさんあったが、今回の“紗里メッセージ”に関しては、下手な自己啓発本より少なく見積もっても数十倍・数百倍は役に立つ珠玉の出来だ……と、私は心底感嘆した。句読点こそ打たなすぎだが、文章のリズム感もなかなかに悪くない。
「踏み台にすらならないくらい踏み台にしてやろう」
「紗里のコメント欄はゴミ箱のようなもの」
名言……いや、もはや「格言」とさえ呼んでかまわない達観の境地──なんという鋼のメンタル!
バネのイカれた跳び箱の踏み台は体育の授業では使わない。ただ体育館の倉庫の片隅にひっそりと追いやられるだけ……。そんな“果て”へと辿り着こうとしているのか、加藤紗里!?
みずからのコメント欄を「ゴミ箱」と言いきってしまう清々しさにも頭を垂れる。自身のSNSに日々書き込まれる誹謗中傷を「燃えるゴミ」として扱えば、なるほど、炎上にいちいち神経をすり減らすこともない。たとえば、あなたは自分が住むマンションのゴミ集積所に捨てられたゴミをわざわざ漁ったりするだろうか? 普通、回収の日が来るまで放置しておくだろう。そりゃあゴミが溜まりに溜まってくれば、それなりには匂うかもしれない。が、仮にその集積所を封鎖したら、マンションの住人たちは隣のマンションの集積所や近所のコンビニのゴミ箱を無断利用してしまう……。誰かがなにかを大なり小なり我慢してくれないと、社会は円滑に回らないのだ。
あと、もう一つ。私がちょっと意外に感じたのは、今回の加藤紗里発言に到っては、わりと称賛の声が多く寄せられていた……という事実である。“アンチ”であっても「良い意見」には素直に同意する──ABEMA TVで、明星大学准教授の藤井靖さんが、
「インターネット、とくにSNSは、まだ人類が使いこなせていないツールなんだということを改めて実感している」
……みたいなことをおっしゃっていたが、「相手が加藤紗里でも褒めるときは褒める」といった人たちが微増している傾向を見るかぎり、もしかすると、人類も牛歩の歩みではあるものの、SNSを使いこなすノウハウを、徐々に身につけ始めているのかもしれない。