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「やっぱりさ、お色直しで白いタキシードも着ればよかったな。今でも後悔してるんだよ」
ユミさんのご主人は、20年近く前になる披露宴の映像を見ながら、そうつぶやいたと言います。彼とユミさんは共に47歳。アラフィフのご夫婦です。そのときは「冗談言っちゃって!」と思ったそうですが、その後も度々、“晴れ姿の自分”に見入るご主人を見かけたそう。
そんな折。
ジャニーズが大好きなユミさんは、新聞を見て歓声を上げました。応援するタレントの、美麗な広告が載っていたのです。「カッコいい! なんて美しいの!!」
するとそれを聞いたご主人、いきなり「どうせオレは…!」と声を上げ、不機嫌になってしまったそう。彼とジャニーズを比べたりなど、してもいないのに。
ちょっとジャニーズをほめたら、一日中口をきいてくれなかった。
「ジャニーズの出ている番組を見るのは禁止」と言われた。
「ジャニーズが載っている本は買うな、誘われてもコンサートに行くな」と言われた。
■夫たちはナゼ“邪魔”をするのか?
信じられないかもしれませんが、パートナー、それも中高年の男性にこういうことを言われる女性は、驚くほど多いのです。彼女たちは家事をきちんとこなし、お金は自分で用立て、子供も手を離れています。何ひとつ言われる筋合いはないのに、なぜ夫たちは“邪魔”するのでしょう?
その一方で、妻が楽しそうに“ジャニ活”するのを温かく見守る男性たちもいます。彼らに「なぜジャニを目の敵にする夫たちがいるのか」訊いてみたところ、「そりゃ、よっぽど自分に自信がないんだよ」と言われ、スッと肚落ちするものがありました。
そう、妻をとりこにするジャニーズの姿は、置き去りにされてきた“中年男のナルシズム”に爪を立ててしまうのです。
■大人のジャニーズにはナゼか寛容…?
女性は幼いころから「自分を美しい」と認識することが気持ちを安定させ、大いなる助けになることを知っています。だから、少女から中・高・老齢の女性まで、おたがいに「可愛い!」「キレイね!」「素敵だわ!」などと言い合って不足しがちな“ほめられ”をチャージしあう。
ところが、「男は顔じゃない」と言われて育ってきた中高年男性は違います。この年代の男性たちが、「お前、カッコいいな!」「お前こそイケメンだよ」などと言い合う姿は、ほぼ見られないのではないでしょうか。女性たちにとっては日常なのに、です。
“イケメン”は一時のブームでなく、男だって美しいに越したことはないという価値観は、いまや完全に定着しています。女性たちが自然と“自分の美”に向き合うように、男性たちも同じテーマに向き合わざるを得なくなりました。
男性、特に中高年の男性は、収入や肩書きを比べられることには甘んじても、容姿をはかられることには慣れていません。また、変化に弱く、自分が手に入れたもの、安定がおびやかされることを極端に嫌います。
夫たちは“若い男”ではなくなったからこそ、妻が美しい若者たちに浮き立つ様子は不快だし、不安にもなるのだと思います。「くだらないものを見るなと言ってるだけだ!」などと言ってみても、その奥には認めたくない、若いオスへの嫉妬や恐怖が潜んでいる(だから、TOKIOなど大人のジャニーズには意外と寛容だったりする)。
ここをわかってあげないと、彼らの“邪魔行為”も、やむことはないでしょう。
ユミさんのような女性に「ご主人をほめていますか?」とお尋ねすると、多くの方は「えー? だってただのオジサンですよ!?」などとおっしゃいます。でもこれ、逆の立場ならどうでしょう?
「(うちの妻は)ただのオバサンだよ!」なんて見くびられたら。内心、そうでしょうよと思っても、ムッとしたり悔しくなったりするのではないかと思います。
パートナーのナルシズムをさみしがらせない。今まで気づかなかったのなら、あ、そこにいたのね、と抱き上げてあやしてやる。それができるのは、パートナーたる妻や彼女たちだけなのです。
そうやって、彼らに自信をもってもらう。癒されてこなかった嫉妬心をなだめてやる。「妻はきちんと認めてくれている、自分がおびやかされることはない」と思えば気持ちに余裕も生まれるし、だだっ子のように邪魔することもバカバカしくなってくると思います。
わざとらしく言うのでなく、「髪切ったら、さっぱりしていい感じになったね」とか、「あなたは白が似合うよね」とか、そのくらいからでいいと思います。
ジャニをほめる前に、まず一発ダンナをほめてガス抜きをしておく。
円滑にジャニーズを楽しむための、愛あるテクニックとして推奨します。