出典:「森脇和成オフィシャルブログ」より


 



90年代に一世を風靡した人気バラエティ番組『進め!電波少年』(日本テレビ系)で大ブレイクしたお笑いコンビ『猿岩石』──ボケ役の有吉弘行は、少なからずの低迷期こそあったものの、最近ではあらゆるメディアで引っ張りだこの超売れっ子タレントに。いっぽう、その相方であったツッコミ役の森脇和成さん(44)は今……? そんな内容の記事を『日刊ゲンダイDIGTAL』がネット上へと配信していた。



 



結論を申せば、最高時では月2000万円とも言われていた収入は、芸人と二足のわらじで始めた六本木のサパークラブに失敗したり、あとは飲み歩きでほぼ全部を散財。(猿岩石)解散後は、サパークラブ経営に再チャレンジして一時的に成功。だが昼夜逆転の生活で体調を崩しがちになったため、2007年に結婚して長女を授かったことを機に安定を求めてサラリーマンに転職。派遣会社や高級ブランド品の輸入販売会社の営業マンなどの職に就き、2013年には離婚。親権が元妻に渡ったこともあって、2015年には役者へと転身。現在は、都内のワンルームマンションに一人暮らしで、知人が経営している飲食店で週に数回、アルバイトをしながら、舞台を中心に活動している……らしい。



 



なかなかに底意地の悪い企画だとは思う。しかも、この手の“比較ネタ”はテッパンであり、“成功している側”と“うだつの上がらない側”との差異が激しければ激しいほど、その残酷さが浮き彫りとなって、読者には喜ばれるものである。



 




「離婚していなかったら、ずっとサラリーマンのままだったでしょうね。独身だからこそできた復帰。お金や地位より、今は好きなことに専念したいと思っています」




 



……と、森脇さんは語る。「お金や地位より好きなことをやる」──これも“うだつのあがらない側”の常套句。「離婚」という、本来ならマイナスの体験をプラスに捉えるポジティブシンキングも同様だろう。



 



とは言え、こうした定番的な言動には、じつのところ味わい深い含蓄が含まれている。……と50歳を過ぎたあたりから、じみじみと実感するようになってきた。



 



私たち人間は、どうしても周囲の他人と自分を比べたくなくても、つい比べてしまう癖がある。



 



たとえば、私と同じ世代の男性は、その多くが持ち家と家族を持ち、息子や娘はもう成人、社内では課長だとか部長だとか局長だとかに昇進して、あと数年後に迫る定年に備え、それぞれのセカンドキャリアについてそろそろ具体的なプランを練り始めている──対する私は、還暦間際になっても、いまだ借家でボーナスや退職金はもらえない、月の収入すら不安定なフリーターとさして変わらない生活を余儀なくされ、ただ享楽的に若いねえちゃんのケツばかり追い回していて……。



 



でも、他人のことなんてどーでもいい。いや、私はこの生き方しかもはや選択できないのだから、比べたところでどーにもならない。そして「どーにもならない」のだったら、周囲の“一般論”が目に入らない努力を遮二無二するしか道はないのだ。



 



ましてや森脇さんの場合は、一時期コンビまで組んでいた“超身内”の“類い希なる大成功”がすぐそばにあるのだから、自己暗示であれなんであれ、それをはね除けるだけでも、その凄まじく強靱なメンタルは素直に見習うべきではなかろうか。決して皮肉なんかじゃなく、心底からそう私は痛感している。


情報提供元: citrus
記事名:「 有吉の元相方、森脇の強靱なメンタルから学ぶべきこと