J CASTニュースによると、コンビニがコーナーを設けている「成人向け雑誌」について、大手3社が相次いで販売中止の方針を打ち出した……という。



 



詳細には、セブンイレブンとローソンが1月21日、ファミリーマートが翌22日、いずれも8月末までに原則として全店で成人誌の販売を中止する旨を明言。「女性や子供のほか、2020年の東京五輪などを控え、訪日外国人にも配慮した」のが、その理由……なのだそう。



 



同報道を受け、ネット上には



 




「トイレ待ちの子供がジロジロ見てたので、無くなれば良いとずーっと思ってました」



 



「男性以外は良いと思わないですよね」



 



「女性や子供目線では不快なのでなくなれば、すごく嬉しい」




 



……ほか、おおよそは歓迎の声が集まっていると聞くが、一部の……たとえば出版界などからは



 




「業界への打撃は相当あると思う」



 



「ネットをやらない高齢者や書店の少ない地方の人たちも、とても困るのではないか」



 



「“成人誌”の基準があいまいで、選別方法が不明瞭であることに危惧を覚える」



 



「マーク付きでない雑誌を“成人向け”と言ってほしくない。こうした雑誌を取り扱わないことになると、出版界の自主規制が厳しくなって、表現の自由を侵害することにもつながると思う」




 



……といった反発の声もあがっている……らしい。



 



まあ、とくに「訪日外国人への配慮」……ってえのは「東京五輪開催」という、このうえないタイミングで得た対外的な建て前みたいなもので、おそらく本音では、単純に成人誌の売り上げが芳しくないんだろう。私もコンビニでエッチな本なんて買ったことないし、立ち読みもしないし(がっちり緊縛されてるしw)、並んでいる棚をチラ見すらしない。でも、そのわりにはけっこうなスペースが取られるから、その代わりにもっとポテチやらカップ麺やら下着やらキッチンペーパーやらを充実してもらったほうがありがたい……と前々から感じていた。そもそも、入店に年齢制限のないコンビニで成人指定の商品が置かれているのがおかしい。海外のコンビニじゃあ、あまり見かけない風景である。極論、日本における性的な事象がこうもカジュアル化してしまったのは「コンビニに置かれた成人誌」も遠因の一つにあるのではなかろうか?



 



「ネットをやらない高齢者や書店の少ない地方の人たちが困る」なる指摘も、そこまで危惧する問題じゃないと思う。もし、本気で“ネタ”に困るような切羽詰まった状況になれば、高齢者も書店の少ない地方に住む人たちも、真剣にネットへと取り組むに違いない。



 



ただ、SM専門誌『S&Mスナイパー』でイラストレーターとしてデビューした過去を持つ、いわば“アダルトあがり”の私としては、こんにちの成人誌の体たらく、没落ぶりに一抹の淋しさがよぎらなくもない。



 



あのころの成人誌は、現在のようなスケベDVDのカタログ的なハダカやカラミ一辺倒のつくりではなく、カルチャーってヤツが、たしかにあった。『S&Mスナイパー』ではアラーキーをはじめとする錚々たる芸術家の歴々が寄稿をなされていたし、リリーフランキーや電気グルーヴあたりも、弱小出版社が刊行するマニアックな成人誌でひっそりと連載を持っていた。ヌードグラビア誌や投稿専門誌に、アダルトとはまったく関係がないプロレスのコラムや地上波番組の批評とかが差し込まれているケースだって、決して珍しくもなかった。一般誌よりもいろんな意味での規制が緩やかだったため、「より自由な表現」を求め、“ガス抜きの場”として(ギャラの安さを度外視し)、成人誌を有効活用していたのだ。



 



もし、「それを良し」とする奇特な版元がまだ実在するならば、そんなカルチャーをも織り交ぜた「アダルト総合誌」をもう一度つくってみたい気もするが、アダルトやジェンダー問題が「コンプライアンス」の名目で、一般社会と完全に切り離されてしまったこのご時世では……やはり“はかない夢物語”でしかないのである。


情報提供元: citrus
記事名:「 ついに大手コンビニがエロ本追放! 凋落が続くエロ本業界に元関係者がモノ申す