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島根県東部の出雲地方では、約1400年も前から「たたら製鉄」という、砂鉄と木炭を用いた製鉄方法で繁栄してきました。江戸時代後半から明治にかけての最盛期には、中国山地の麓で、全国の約8割の鉄が作られていました。奥出雲地域には、たたら製鉄の原料となる、花崗岩、燃料となる木炭を得るための森林も広く存在していたため、製鉄技術者が多数集まったそうです。そういった背景もあり、奥出雲が中心となって、鉄が全国に広められていったのです。某ジブリアニメにも出てくる、「たたら製鉄」の方法をぜひ自分の目で見て確かめてみてください。
日本遺産に認定された、「出雲の國たたら風土記~鉄づくり千年が生んだ物語」のガイドセンターとして、たたら製鉄に関する様々な展示が置いてあるのがこちら。奥出雲に来たら、まず立ち寄っていただきたい場所です。製鉄の歴史や、刀の製作方法など、ここでしか見ることができないような映像も見ることができ、大変学びの多い場所です。実寸サイズの炉断面模型はかなりの迫力。タイミングが合えば、日本刀鍛錬実演を見学することもできます。(毎月第2日曜日・第4土曜日の10:00~、13:00~)この場所にしかない、黒い刀は、2019~20年に社会現象にもなった、大ヒット人気アニメの主人公が持っていた刀に似ていたことから、ファンも多く訪れているそうですよ。
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大昔に鉄作りで栄えた町、奥出雲。 鉄を作る際に、必要な材料のひとつである良質な『砂鉄』を採取するために、「鉄穴流し」という方法がとられました。 鉄穴流しとは、 山を切り開き、砂鉄を含む山の砂を渓流に流し、砂鉄の重さを利用して沈殿させ、他の山砂と選別する方法 です。奥出雲では、この「鉄穴流し」の跡地を広大な田園や、畑として活用し、持続可能な産業を自然とともに生み出してきたのです。耕作放棄地を作らず、時代を紡いでいく百姓さんたちをたたえ、 「奥出雲たたら製鉄及び棚田の文化的景観」として国の重要文化的景観に選ばれました 。
現地には、棚田を少し高台から見下ろすことのできる展望台があり、手作り感満載の温かみのある看板が展望台まで、誘導してくれますよ。 日本の棚田100選にも選ばれた、棚田の広大さ をあなたもぜひ感じてみてください。
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国の名称・天然記念物に指定されている鬼の舌震い。黒雲花崗岩地帯を、斐伊川支流の木馬木川の急流が長年にわたり浸食して造られた、V字の峡谷です。
1時間ほどで散策ができる、バリアフリーの歩きやすい遊歩道もあり、川の浸食によってできた珍しい形の岩を見たり、大自然のマイナスイオンを感じながら散策をすることもできます。
紅葉シーズンには、紅葉やイチョウが色づき、美しい景観を見逃すまいと観光客で賑わいます。
川の上流と下流にそれぞれ駐車場があり、下流の駐車場に車を停めて散策に進むと、まずお出迎えするのが、「舌震亭」という食事処でもあり、売店、その先に進むと「舌震いの恋吊り橋」があります。
この吊り橋、かなりの高さで思わず足がすくんでしまうほど!そして両サイドが丸見えの景色。高さ45m、橋の長さ160mあり、高所恐怖症の方にはちょっと勇気がいるかもしれませんね。
「出雲国風土記」によると、昔この付近の村に住んでいた玉姫の玉日女命(たまひめのみこと)という美しい姫に、日本海に住む一匹のワニが恋をしてしまいます。姫に会うために、ワニは夜な夜な川をのぼってきましたが、姫はワニを嫌い、大岩で大馬木川をせきとめ姿を隠してしまいます。しかし、ワニの姫に対する気持ちは変わることなく、幾度となく川をのぼっていた、この“ワニの慕ぶる”が転化し、鬼の舌震いと呼ばれるようになったといわれています。ちなみに、山陰ではワニのことを”サメ”というそうです。
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奥出雲の「鉄師御三家」と称され、田部家、絲原家と肩を並べていた櫻井家。 櫻井家の旧宅は、現存している建物の、もっとも古いものは1735年の記録があり、母屋も1738年に建てられたもので、国の重要文化財、国の有形文化財にも指定されています。こちらの特徴は、松平不昧公の御成りの際に作られた美しい日本庭園です。国の名勝にも指定されており、「岩浪の滝」と名付けられた滝から落ちる水の音が、五感で日本庭園を楽しませてくれます。
隣接する、可部屋集成館には、櫻井家にまつわる資料や、工芸品などが展示されています。 2023年に、櫻井家の旧宅が某テレビドラマのロケ地にもなったことから、ロケの様子なども残っており、ファンにはたまらない場所です。
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稲田神社の鳥居をくぐった先に、この蕎麦屋さんはあります。稲田神社には、出雲神話の中で、スサノオノミコトが、ヤマタノオロチから救ったお嫁さんの稲田姫(クシナダヒメ)が、祀られています。 神社と、立派なお庭の見える、特別なロケーションの中で食べるお蕎麦は格別です。
このお店の蕎麦は、 自家製粉で、石臼挽きした繋ぎなしの地元奥出雲でとれたこだわりの十割蕎麦。ゆかり庵では「在来種蕎麦」という、昔からその土地で栽培されてきた、収穫量が少ない希少な品種を扱っており、横田小蕎麦そばという、横田地区で栽培されている在来種は、ここ、奥出雲でしか食べることができませ ん。横田蕎麦は、香りがとても強く、コシもしっかりしており、嚙めば噛むほどに深い味わいが増していく、そんなお蕎麦です。ゆかり庵では、この横田小そば、小そばに品種改良種をブレンドした十割蕎麦の二種類があります。
おすすめは、横田小そばのそば御膳。自家栽培している希少品種の「横田そば」、仁多米のおにぎり、季節の野菜料理がセットになった奥出雲の“美味しい”が丸ごと詰まった、御膳ともいえるでしょう。
通常、刈り取ったばかりの米は約20%の水分を含んでおり、そのまま出荷するとカビや傷みが発生してしまうため出荷までに米をしっかり乾燥させる必要があります。大量生産の場合、米の乾燥を機械にかけることが多い日本では、短時間かつ高温で乾燥を行うため、米に負担がかかり傷つきやすくなります。
対して、天日干しは、人の手で稲束を屋外に並べて、悪天候を避けながら2~3週間かけて余分な水分を飛ばしていくのです。その結果、本来の味を生かすことができるのです。手間をかけて作られた米は、一粒一粒に旨味が凝縮され、深い味わいが口の中に広がります。
筆者も、米の美味しさに衝撃を受けました。ゆかり庵さんで、販売もしているのでぜひ自宅でも美味しい米を味わってみてください。
https://r.goope.jp/sr-32-323421s0022
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いかがでしたでしょうか。
奥出雲は、山に囲まれた町ですが、出雲神話との関連性も深い場所が多く、どこに行っても良い気が流れているような感じがしました。職人の伝統技術を肌で感じ、百姓が紡いできた歴史を視覚と舌で感じる。壮大な大自然とともに、それらを五感で感じることのできる旅があなたを待っていることでしょう。
出典・参考
余暇プランナー
1992年に広島で生まれ、広島で育つ。7年半勤めた仕事を退職し、初めての海外ひとり旅へ。思い立ったときの行動の早さと美味しいものを見つける嗅覚だけが自慢。旅をしながら、時々ライターとして記事を書いています。好きなものはコーヒーとお酒と音楽と自然。国内外の良いところをたくさん発信していきます!
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