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そもそもイギリス料理が「不味い」と評価された原因は、土地を取り巻く環境と産業革命の影響による調理法の影響が大きいといえるでしょう。
日本と同じ四季のある気候でも通年の寒暖差が少ないイギリスは、育てられる農作物の種類や量に限りがあります。そのため、急激に人口が増加した18世紀の産業革命時代の都市部では地方から食材の輸送が必要でした。当時の輸送技術では時間がかかりすぎたために食中毒が懸念され、過度に食材に火を入れるようになったといわれています。
栽培技術や輸送技術が進歩した現在、イギリスでは食べ物のクオリティーが上昇し続けています。特に 現在のロンドンでは、かつての植民地や奴隷貿易などから様々な国の移民の流入に伴う形で、食文化のグローバル化も進展中です。 イギリス料理も例外ではなく、素材の持ち味を活かすシンプル志向はそのままに、美味しく食べられるよう進化しています。
「ソーホー(Soho)」は、ロンドンでグルメを語る際に欠かせないエリア。エリア内には 朝食からディナー、軽食に至るまで名店が軒を連ね、料理ジャンルもフランス料理にインド料理と豊富 です。劇場や映画館などの娯楽施設が集まる「レスター・スクエア」の近くには、ヨーロッパ最大規模となる中華街もあります。
おすすめは 「10グリーク・ストリート(10 Greek Street)」 という新鮮な食材を使ったシェフの創作料理が味わえる高級レストラン。その日の仕入れ次第でメニューが変わるので、何が出てくるかワクワクしながら美味しい料理に舌鼓を打つ時間が過ごせます。
https://www.10greekstreet.com/
ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の舞台として知られる「コヴェント・ガーデン(Covent Garden)」も、グルメ好き必見のエリアです。 ライブハウスや劇場が多くあるため、夜遅くまで営業するレストランやカフェ、バーも多くの人で賑わっています。
このエリアでぜひ行ってほしいのは、地元や観光客から高い人気を誇る 「ロック&ソール・プレイス(Rock&Sole Plaice)」 です。1871年設立のロンドン最古のフィッシュ&チップスレストランで、145年前の伝統的なレシピでサクサクに揚げられたフィッシュはまさに絶品です。
https://www.rockandsoleplaice.com/
ロンドン南部にある「ブリクストン(Brixton)」は、 アフリカ系カリビアンや元植民地のジャマイカ人が多く住んでいるとされ、多様性に富んだ独特の空気感が特徴 のエリア。近年、エリア内の治安が大分改善されたこともあり、ミュージシャンのデビット・ボウイが生まれた地としても注目を集めています。
ブリクストンのグルメは、ジャークチキンやソルトフィッシュなどのカリブ料理をはじめ、ピザや寿司、インド風タパスなど様々な国の味が揃っているのが魅力です。特に 「フランコ・マンカ・ブリクストン(Franco Manca Brixton)」 では本格的なナポリピッツァが焼き立てで楽しめるので、ぜひ足を運んでみてください。
https://www.francomanca.co.uk/restaurants/brixton/
テムズ川にかかるロンドン橋の南側に広がっているのが、「サザーク(Southwalk)」です。 「ザ・シャード」や「シェイクスピア・グローブ劇場」などの人気観光スポットがあり、若手のシェフやショップオーナーのお店で活気も溢れています。
このエリアのグルメスポットといえば、何と言っても 「バラ・マーケット(Borough Market)」 です。ロンドンでも有数の食品市場の一つで、市場としての歴史は約1,000年にもわたるといわれています。チーズやデザートもあるので、たくさんある屋台メニューから1つを選ぶのは難しいかもしれません。十分にお腹を空かせてから向かってほしいイチオシスポットです。
「イズリントン(Islington)」は、キングス・クロス駅の近く、ロンドン北部にあるエリア。 中心を走るアッパー・ストリート沿いに中華料理やメキシコ料理など、様々な国の料理のレストランやバーがオープンし、ソーホーに劣らないと評される近年注目のグルメエリア です。
おすすめのレストランは、肉料理で人気の 「スモークハウス(Smokehouse)」 。ポテトやヨークシャー・プディングなどがついた食べごたえのあるサンデー・ローストが高評価で、ガッツリと肉を食べたい方にピッタリです。
https://smokehouseislington.co.uk/
イギリスを代表する食べ物といえば、やはりフィッシュ&チップスでしょう。 白身魚のフライであるフィッシュと、フライドポテトのチップスがセットになった料理 で、イギリスには専門店もあります。
塩を少々とモルトビネガーというお酢をたくさんふりかけるのが、イギリス人の一般的な食べ方 だそうです。しかしモルトビネガーは癖が強いので、少し試して厳しそうならレモン汁とタルタルソースでいただきましょう。
日本ではお菓子という印象のパイですが、イギリスでは食事としても親しまれる定番料理。 具材の種類に関係なくパイ生地で包むタイプのオーブン料理はすべてパイとして扱うため、様々な種類があります 。
おすすめの種類は 「シェパーズ・パイ」 と 「ステーキ・パイ」 です。シェパーズ・パイは、羊肉のミートソースとマッシュポテトの組み合わせがラザニアみたいな味わいが特徴。一方、ステーキ・パイはビーフシチューが入ったパイで、パブでよく提供されているメニューです。
サンデー・ローストは日曜限定で食べられる伝統料理。 ローストしたチキンやラム、ビーフなどをメインに野菜類やマッシュポテトなどが添えられメニューで、グレイビーソースをかけて食べます。
サンデー・ローストの魅力は、 ガッツリとお肉が食べられる非日常的なごちそう感 でしょう。大抵のパブやレストランで提供されているので、ぜひ日曜日のランチに食べてみてください。
フルコース並みの品数が盛り合わせで出てくるイギリスならではの朝食が、イングリッシュ・ブレックファスト。 イギリス全土で食べられますが、スコットランドではブラック・プディングが乗せられるなど、地方やお店によって異なります。
基本はトーストを主食に目玉焼きやベーコン、ソーセージ、ベイクドビーンズなどがメインディッシュの皿を埋め尽くすように乗せられており、とてもボリューミーです。 アクティブな日の朝食にピッタリ なので、ぜひ一度はイングリッシュ・ブレックファストを食べてみてください。
今や様々な国の料理が楽しめるようになったロンドンでは、元々あったイギリス料理も進化しています。「不味い」と酷評されたのは過去のものとなり、評判のお店を訪れれば値段相応で満足できる料理が食べられるでしょう。
ロンドンを訪れた際には観光だけでなく、美食も楽しんでみてください。
出典・参考
余暇プランナー
1987年生まれの和歌山県在住のフリーライター、C.Wakisakaと申します。季節の風景・歴史・スイーツが好きで、カメラを持ってよくおでかけしています。関西を中心に一人旅や家族で日帰り旅行をするのが大抵ですが、時には夜行バスを使っての東京への弾丸日帰り旅行も。海外旅行はマカオ・パリ・南ドイツ周遊の経験があり、特にドラクエの雰囲気やメルヘンらしさを感じられるドイツを愛しています。「行ってみたい!」と思える情報を発信できればと思っています。
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