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あんこうは、 水深100m~300mの砂泥底に生息している深海魚 です。大きな頭につぶれたような平らな魚体、鋭い歯と言ったグロテスクな見た目ですが、その味わいは逸品!
底引き網で他の魚と一緒に水揚げされ、11月~3月が旬。 特に12月~2月には肝が肥大化し、最も美味しい季節 になっています。
あんこうは表面にぬめりが多く水圧に耐えられる柔らかい体で、お店で使われるものは10kgを超える大きなものが多いため、まな板の上で捌くことが難しく、 大きな鉤に口をひっかけて吊るした状態で捌く「吊るし切り」と言う方法で捌かれます 。
この吊るし切りは、冬の茨城の風物詩にもなっています。
あんこうの七つ道具とは、 肝、胃、皮、ひれ、えら、卵巣、身 のこと。骨以外は捨てるところがないと言われています。
七つ道具はそれぞれの風味や食感を生かした料理がありますが、その すべてを一度に味わえ、それぞれの部位の食感の違いなどを楽しめるのがあんこう鍋 になっています。
グロテスクな見た目のあんこうですが、 身はとても淡白でさっぱりとした味わいで低カロリー 。身や皮、ひれなどは美肌に効果的なコラーゲンをたっぷりと含んでおり、女性に特に人気です。
一方、 「あん肝」でお馴染みの肝臓は「海のフォアグラ」とも言われており、とても濃厚な味 。ビタミンAやビタミンE、ビタミンB2を含み、抗酸化作用や免疫力アップなどに効果が期待できます。
あんこうをまるごと味わえるあんこう鍋なら、体も温まり両方の栄養と野菜の栄養が摂れるので、美味しいだけでなく健康や美容にも効果的 です。
あんこうと言えば茨城が有名ですが、 実は漁獲高一位は山口県下関市 です。山口県は西日本なのに、あんこうは東日本が有名ですよね?
これは、 茨城県を境に「北あんこう」「南あんこう」に分けられており、北の海で獲れる「北あんこう」のほうが良質で高値で取引される ためです。
親潮と黒潮が交わる鹿島灘海域はプランクトンが多く良質なあんこうが育つことから、 特に茨城のあんこうは「常盤もの」として築地市場で上物とされており、茨城の名物として定着している のです。
あんこう鍋は、正確には 「どぶ汁」と「あんこう鍋」の2種類 があります。
「どぶ汁」は、もともと福島県の漁師が船の上で食べていた料理 で、あんこうと野菜、味噌だけで作り、あん肝と野菜から出る水分のみで煮込んだもの。
大変濃厚な味が特徴です。 主に大洗町や北茨木市などの一部のお店で提供 されています。
一方、 「あんこう鍋」は、通常の鍋同様、スープにあんこうをメインとした具材を入れて煮たてたもの 。お店ごとの割下(スープ)を味噌味や醤油で味付けし、個性を出しています。こちらは 東日本ではいろいろな場所で味わうことができます 。
茨城県には、あんこう鍋が楽しめるお店がたくさんありますが、せっかくならば、茨城ならではのどぶ汁スタイルを味わいたいところ。
今回は、そんなどぶ汁スタイルのあんこう鍋が味わえるお店の中から厳選4選をご紹介します。
「食彩 太信」は、 大津港で水揚げされた鮮魚を直接買い付けることができる海鮮卸問屋を経営しているため、鮮度抜群の海鮮料理が味わえると評判のお店 です。
中でも 大津港の漁師直伝のどぶ汁とあんこう鍋は、一番人気 。水を使用せず、あんこうの美味しさを余すことなく味わえるどぶ汁、クリーミーな味噌ベースのあんこう鍋のどちらも絶品です。
オプションであんこうの吊るし切りショーを見ることもできる ので、旅の思い出にもピッタリですよ。
https://www.syokusai-daisin.com/
「大浜丸 魚力」は、 目の前に太平洋の絶景を望む五浦海岸沿いに佇む海鮮料理のお店 です。
要予約のあんこう鍋は、あん肝と田舎味噌を1時間ほどじっくり煎った「肝味噌」で作るどぶ汁風 。
鍋に入れる身は、生臭さの原因となる表面のぬめりを徹底的に取り除き、一度熱湯で霜降りにしてから氷水で〆ているので 全く臭みがない のが特徴。あんこう鍋が苦手な人も美味しく食べることができると評判です。
都内からも毎年楽しみに訪れるファンが多い そうですよ。
https://ibanavi.net/shop/6190/
「かま家」は、 大洗港で獲れた新鮮な魚介をリーズナブルに楽しめる割烹・寿司のお店 です。
こちらのあんこう鍋は、 あん肝と味噌が作り出す旨味をストレートに楽しめるどぶ汁スタイル 。 自分ですり鉢を使用してあん肝を摺り、スープに注ぐのも楽しいと評判 です。
鍋には里芋が入るのが特徴 で、独特の風合いとほっこりとした味わいが楽しめますよ。
https://kamaya5135.com/
「日本料理 いさ美」は、 地魚や常盤牛など茨城の美味しい食材を使用した料理が楽しめる割烹料亭 です。
那珂湊漁港で水揚げされる鮮魚のセリに直接参加する権利を持っているため、鮮度は抜群。
あんこう鍋は、生あんこうだけを使用する肝味噌仕立て 。板前さんが丁寧に下処理をおこなうため臭みがなく、 初めてあんこう鍋を食べる人にもおすすめ です。
特に〆の雑炊は、あんこうや野菜の旨味がお米ひと粒一粒にしっかり染みた女将自慢の絶品!
おもてなしの行き届いた上質な雰囲気ですが、 あんこう鍋はリーズナブルでボリューム満点 ですよ。
https://ibanavi.net/shop/3152/
東日本の冬の代表グルメ、あんこう鍋。美味しいだけでなく栄養満点で、美容や健康にも良いあんこうと野菜などをアツアツで味わうあんこう鍋は、冬にぴったりのグルメですね。
そんなあんこう鍋の本場といえば、茨城。都内などではなかなか味わえない、あんこうの旨味がギュッと詰まった濃厚な「どぶ汁」の人気店も豊富です。
ぜひこの冬は、絶品「どぶ汁」スタイルのあんこう鍋を味わいに茨城にお出かけしちゃいましょう!
出典・参考
余暇プランナー
フリーライターのpomekko(ポメっこ)と申します。アパレル業界、ネイリストの経験を持ち、旅とおしゃれ、美味しいものが大好き。今はガレットとクレープにはまっています。奈良在住ですが、大阪・京都に詳しく、休日は大阪や京都にいることが多いです。みなさんが、「楽しそう」「参考になった」と思ってもらえる情報を発信できるよう頑張ります。
冬の茨城で「あんこう鍋」を味わおう♪豆知識や美味しいお店4選