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「ハノーファー(Hannover)」はニーダーザクセン州の州都であり、ハンザ同盟にも加入していたこともある街。 12世紀にハインリヒ獅子公の拡張工事を経て、集落でしかなかったハノーファーは街に昇格を果たしました。ハインリヒ獅子公は、今日まで現存しているヨーロッパ最古の貴族であるヴェルフェン家の当時の領主です。長年ヴェルフェン家の居城があったことから、かつてのハノーファーには見事な建造物が立ち並んでいました。第二次世界大戦時に空襲を受けて数が減ったものの、そのいくつかが現在まで残っています。
ハノーファーは、高速鉄道で北のハンブルクまで約1時間10分、東のベルリンまで約1時間40分でアクセスできる交通の要所。 日本からの直行便はありませんが、中央駅から20分ほどのところに空港もあるため、空路でのアクセスにも対応しています。
「ハノーファー新市庁舎(Neues Rathaus)」は、ハノーファーを代表するランドマーク。 歴史的な建造物を思わせる壮大な外観に惑わされがちですが、1913年に建てられた新しい建物です。
街の市役所として現役で使われ観光客も自由に入れるスポットで、石造りの建物の荘厳さに目を奪われます。内部の 必見ポイントは、有料で入れる建物上部にあるドーム型の展望エリア 。約100mの高さからハノーファーの街を見渡せるのはもちろんですが、利用するエレベーターが世界で唯一ドームの傾斜に合わせて移動する構造となっています。移動中は天井と床の両方から行程が見えるので、非常に珍しい移動時間が過ごせるでしょう。
フォトスポットとしておすすめなのが、裏手にある公園 です。大きな池を含めた写真撮影ができ、まるでどこかの宮殿のような壮麗な姿が切り取れます。
https://www.hannover.de/en/view/content/368720/full/0/794258
「ヘレンハウゼン王宮庭園(Herrenhäuser Gärten)」は、街から北西に少し離れたところにある広大なバロック様式の庭園。 1679年から1714年のハノーファー選帝侯ソフィーが積極的に情熱を注ぎ込んで造った、ヨーロッパで最も美しい庭園の1つ です。
庭園は4つあり、庭園の入口も兼ねる宮殿から北に12,000種以上の植物が楽しめるベルク・ガルテン、南にグローサー・ガルテン、その隣にあるゲオルゲン・ガルテンを経由し、ヴェルフェン・ガルテンが広がっています。 特に「グローサー・ガルテン」は、大きな噴水や彫像、迷路など複数の要素が幾何学模様に配置され圧巻。 時間があるなら、小さな円形の神殿が絵画のように美しいゲオルゲン・ガルテン、現在ハノーファー大学の本拠地である白い城を望めるヴェルフェン・ガルテンにも足を運びましょう。
また、宮殿はバロック時代の宝物やハノーファー史の著名人の肖像画などが展示されている博物館として公開されています。ハノーファー観光の中でも、まる1日をかけて訪れたい一大観光スポットです。
「ニーダーザクセン州立博物館(Landesmuseum Hannover)」は、ハノーファー新市庁舎の裏に広がる公園の側にある博物館。ハノーファーの芸術と化学の博物館として設立され、現在では ハノーファーの歴史や考古学コレクションの歴史部門、コインコレクションを含む民俗学部門と自然史部門の3つの部門に、美術部門 が入ったユニークなスポット です。
自然史部門では恐竜時代からの自然史の展示が生きた動物と組み合わせられており、地中海やカリブ海などのテラリウムも楽しめます。石器時代から中世にかけての考古学的な資料からは、人類の技術発展の流れが伺えるでしょう。美術部ではヨーロッパの美術史を巡れるよう中世のドイツの祭壇画や彫刻、イタリアとオランダ絵画のバロック全盛期の作品が鑑賞できます。 ルーベンスやレンブラント、モネやスザンヌといった巨匠たちの作品もあり、非常に見応えのあるスポット です。
https://www.jtb.co.jp/kaigai_guide/western_europe/federal_republic_of_germany/HAJ/118298/index.html
東京・愛知・広島の三越と伊勢丹、福岡の岩田屋に出店している「ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ(Holländische Kakao-Stube)」。 日本ではドイツのバームクーヘンのお店として知られているお店で、本店がハノーファーの街の中にあります。
実を言うと 店名はドイツ語で「オランダのココアパーラー」という意味で、名物はホットチョコレート です。100%のヴァンホーテンカカオが使用されており、 生クリーム付きのヴィーナー・ショコラーデ(Wiener Schokolade)は、まさに絶品 。バームクーヘンやケーキなどのスイーツや軽食メニューも提供されています。市松模様の床にノスタルジックな空間が広がる空間でゆったりとくつろげる時間が過ごせるスポットです。
https://4travel.jp/os_shisetsu/10425312
「マリエンブルク城(Schloss Marienburg)」は、かつてのハノーファー国王ゲオルグ5世が妻マリー王妃に贈ったハノーファーの南にある城です。1858年から1867年にかけて建てられ、 ドイツでも最も印象的なネオゴシック様式の城の1つ として知られています。
実は、マリエンブルク城の歴史は愛に満ち溢れたものではありません。1866年にハノーファー王国がプロイセンに敗北したために、ゲオルグ5世はオーストリアに亡命。しかも、マリー王妃とマリー王女がこの城に住んだのはわずか1年でした。それ以降も城に戻るという国王夫妻の願いが叶えられることはなかったのです。
かつてマリー王妃が「私のエルドラド」と称えたマリエンブルク城は、調度品に至るまでしっかりと保存されており、城ツアーでそれらを見学できる ようになっています。おとぎ話のような美しさと国王夫妻の波乱の歴史を学べる観光スポットです。
https://www.schloss-marienburg.de/en/
日本国内の知名度こそ低いものの、ハノーファーは旧市街がコンパクトで、中央駅を中心に観光しやすい街となっています。他の都市とのアクセス面も良好で、北ドイツやメルヘン街道沿いの観光の拠点にもおすすめです。
ぜひこの記事を参考に、ハノーファーへの旅行計画を考えてみてください。
出典・参考
余暇プランナー
1987年生まれの和歌山県在住のフリーライター、C.Wakisakaと申します。季節の風景・歴史・スイーツが好きで、カメラを持ってよくおでかけしています。関西を中心に一人旅や家族で日帰り旅行をするのが大抵ですが、時には夜行バスを使っての東京への弾丸日帰り旅行も。海外旅行はマカオ・パリ・南ドイツ周遊の経験があり、特にドラクエの雰囲気やメルヘンらしさを感じられるドイツを愛しています。「行ってみたい!」と思える情報を発信できればと思っています。
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