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「フードドライブ」という最近注目のキーワード。
一体どんなものなのか、その重要性と具体的な取り組みを徹底解説。
また、スーパー、コンビニ、自治体などの取り組みにおいてもその具体的な方法と特徴をわかりやすく紹介します!
私たちが手軽にできる環境・地域支援活動として注目を集めている「フードドライブ」。
企業や自治体が積極的に取り組みを行っていることから、私たちの身近な場所にも活動の輪が広がってきています。
「フードドライブ」とは、一体どんな取り組みなのでしょうか?
食品ロス削減における重要性や、スーパー、コンビニ、自治体などで行われている具体的な取り組み、フードドライブに貢献するための具体的な方法をわかりやすく解説していきますね。
最近耳にする機会が多い「フードドライブ」という言葉。どのような取り組みで、どのような意味があるのでしょうか?
「フードドライブ」とは、個人が各家庭で食べきれなかった食品を集めて寄付をする活動のこと。
発祥はアメリカで、生活困窮者を支援するチャリティーとしてスタートしました。
日本でも、食品ロスという言葉が浸透してきた2000年頃に注目されはじめ、食品ロス削減や貧困対策として企業や自治体が主体となって行われています。
食品の寄付先は、主に専門の団体や地域の福祉施設、生活困難者を支援する団体、子ども食堂など。
似た活動に「フードバンク」がありますが、フードバンクの寄付者は個人ではなく企業。食品を扱う企業が製造工程で規格外となった食品を、無償で寄付する活動のことを指しています。
食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品のこと。
2021年度の調査によると日本の食品ロス量はなんと523万トン!日本人の1人当たりに換算すると1年で約42kg。
1人当たり毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てていることになります。
2000年に入り、食品ロス問題が注目されはじめた頃から徐々に減少傾向にありますが、国連環境計画(UNEP)の「UNEP Food Waste Index Report 2021」による家庭系食品ロス量ランキングの日本の順位は14位。
世界的にみても日本の食品ロスは多いことがわかります。
523万トンのうち、家庭から出る食品ロス量は全体の約半分の244万トン。
こちらも徐々に減ってきてはいるものの、まだまだ高い水準にあります。
フードドライブは、そんな食品ロスの“もったいない”を解消するために私たちができるひとつの手段です。
“寄付”というと手間がかかりそうなイメージですが、フードドライブは家庭から持ってきた食品を、専用の回収ボックスに入れるだけ!
とても簡単ですよね。
スーパーマーケットを運営する企業が行っている場合、店舗に回収ボックスが設置されていることが多いのが特長。
袋詰め台付近で食品用の寄付ボックスをみたことがあるという人もいるのではないでしょうか。
ここからは、各スーパーマーケットのフードドライブ受付方法を紹介していきます。
のちほど詳しく解説しますが、寄付できる食品には
・未開封である
・常温保存できる
・賞味期限が一定期間残っている
といった条件があります。
賞味期限に関しては「2か月以上残っている」「1か月以上残っている」と受付先によって異なるため、そちらもあわせて確認してくださいね。
イオンモールやマックスバリュを運営するイオングループでは、2025年までに食品廃棄物を半減するという食品廃棄物削減目標を抱え、グループ企業各社で、フードドライブの取り組みを行っています。
回収した食品は各地域のフードバンクの団体に届けられ、そこから福祉施設や子ども食堂に寄付されます。
最寄りのイオンでフードドライブが行われているか、ぜひ公式サイトをチェックしてみてください。
【条件】
・賞味期限が1か月以上残っている
・未開封で常温保存が可能なもの
※こちらはイオン東北株式会社の条件
【受付時間】
店舗によって異なる
イオン東北株式会社(マックスバリュ含む)のフードドライブ詳細はこちら>>https://aeontohoku.co.jp/pages/fooddrive(マックスバリュ含む)
イトーヨーカドーを展開するセブン&アイグループでは「GREEN CHALLENGE 2050」として、食品廃棄物量の75%削減(売上100万円あたりの発生量13年度比)を目標に、店舗に回収ボックスを設置し、食品ロスに取り組んでいます。
寄付先はNPO法人やフードバンク団体など。
団体を通じて支援が必要な人や子ども食堂に届けられています。
2024年2月現在で83店舗(ヨークマート、ヨークフーズを含む)と、順次拡大中です。
【条件】
・未開封のもの(外装が破損していないもの)
・賞味期限が明示されているもの
・賞味期限が2か月以上残っているもの
・常温保存できるもの
【受付時間】
店舗によって異なる
イトーヨーカドーのフードドライブ詳細はこちら>>https://www.itoyokado.co.jp/special/fooddrive/index.html?pickup
ダイエーでは2017年からいち早くフードドライブを開始。
2021年度までに約13万トンの食品ロスの削減に成功しました!
25トンのCO2削減に寄与したとして、「令和4年度 気候変動アクション環境大臣表彰」を受賞しています。
店内にある回収ボックスはオレンジ色の段ボール素材が目印です。
店頭ポスターや店内放送を通じて呼びかけもおこなっているので、買い物の際には設置場所を確認してみてくださいね。
【条件】
・未開封であること
・賞味期限まで1ヶ月以上あること
・常温保存が可能であること
・製造者または販売者が表示されていること
・成分表示またはアレルギー表示があること
※上記条件に当てはまるものであっても、アルコール類や手作り品は対象外
【受付時間】
店舗によって異なる
ダイエーのフードドライブ詳細はこちら>>https://www.daiei.co.jp/corporate/release_detail/1460
パルシステムグループでは各地の支援団体と連携し、生活困窮者への支援活動を目的にフードバンクを行っています。
提供先は子ども食堂のほか東京・新宿や池袋などで実施している生活困窮者向けの相談会など。
食品調達で発生する予備分の青果とあわせて、2022年には食品は110万食、130トン以上が子ども食堂やフードバンクに提供されました。
神奈川では配送センターや本部、ステーションパルにて常時寄付を受付中です。
期間限定の取り組みとして行っている地域もあるため、最寄りの拠点に確認してみてください。
【条件】
・未開封なもの(ただし、お米は袋に提供可能な量を移し替えても可)
・賞味期限が明記されており、3カ月以上残っているもの
・常温保存できるもの
※こちらはパルシステム神奈川の条件
【受付時間】
店舗・拠点によって異なる
パルシステムのフードドライブ詳細はこちら>>https://www.palsystem-kanagawa.coop/action/fooddrive/?_ebx=9kcw3x95kw.1699580094.7vfubjm
大型スーパーに併設されていることが多い無印良品でも、食品ロス削減のため各地域の自治体と提携してフードドライブ活動を実施しています。
回収ボックスが設置されているところもあれば、スタッフに声をかけて手渡しで寄付するところがあります。
詳しくはレジ近くの案内版を確認してください。
もちろん無印良品の商品以外でも寄付できますよ!
回収した食品はフードバンク団体を通じて、地域の福祉団体や施設に提供しています。
実施店舗は2023年8月時点で91店舗で順次拡大中です。
【条件】
・未開封、外装破損のないもの
・賞味期限が明記されていて、2ヶ月以上あるもの
・常温保存できるもの
※こちらは無印良品 日吉東急店の条件です
【受付時間】
店舗によって異なる
無印良品(日吉東急)のフードドライブ詳細はこちら>>https://www.ryohin-keikaku.jp/sustainability/muji-sustainability/number/
首都圏にスーパーマーケットを展開しているマルエツでは、食品ロス削減、地域社会の課題解決のためにフードドライブ活動が行われています。
店内にオリジナルの食品寄付ボックスがあり、回収された食品は連携するフードバンク団体を通して、支援が必要な子育て家庭や子ども食堂、福祉施設、ひとり親世帯に届けられています。
活動拡大により、現在では計62店舗で寄付を受け付けています。
【条件】
・未開封のもの
・外装に破損がないもの
・賞味期限が2ヵ月以上残っているもの
・常温保存のもの
・製造者または販売者が表示されているもの
・成分またはアレルギー表示のあるもの
【受付時間】
店舗によって異なる
マルエツのフードドライブ詳細はこちら>>https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000128083.html
身近なコンビニでも、同様の取り組みを行っているところがあります。
精力的にフードドライブに取り組んでおり、「ファミマフードドライブ」として店舗に回収ボックスが設置されています。
地域で食の支援活動をおこなっている子ども食堂や団体に届けられます。
実施店舗数は2024年4月現在でなんと3227店舗!
いつもの買い物がてら持っていけるのがいいですね。
【条件】
・賞味期限が明示されていて2か月以上あるもの
・常温保存が可能で未開封の食品
【受付時間】
24時間
ファミマのフードドライブ詳細はこちら>>https://www.family.co.jp/sustainability/fooddrive.html
セブンイレブンでは、さいたま市内の約120店舗に回収ボックスを設置し、2023年10月より順次フードドライブを開始しています。
集められた食品は「さいたま市子ども食堂ネットワーク」に加盟する子ども食堂が定期的に回収し、支援が必要な人たちに配られています。
現在は限られた地域のみですが、これから自治体の地域ネットワークとの連携を広げていく予定とのこと。
【条件】
・未開封で外装が破損していない
・賞味期限が2か月以上残っている
・常温保存できる
【受付時間】
24時間
セブンのフードドライブ詳細はこちら>>https://www.sej.co.jp/csr/contribution.html
フードドライブを行っているのは企業だけではありません!
自治体でも、市役所を拠点として期間限定で食品回収窓口を設置したり、フードバンク団体や企業のフードバンク活動をサポートする取り組みを行っているところもあります。
現在、自治体主体でフードドライブを行っているのは、北海道、東京、神奈川、千葉、静岡、大阪、福岡、宮崎など、公式サイトから確認できるだけでも18を超える都道府県で実施されています。
とくに力を入れているのが神奈川県です。
神奈川県ではSDGsに積極的に取り組む企業や団体を「SDGsパートナー」として登録し、パートナーに向けてフードドライブの実施を呼びかけています。
県庁内でも職員を中心にフードドライブに参加し、集まった食料はフードバンクかながわに寄贈。
子ども食堂や福祉施設に提供するなど、県庁が中心となってフードドライブを推進しています。
なんとなく、難しそうに思えていたフードドライブ。
実は買い物や用事ついでに専用ボックスに入れるだけ、もしくは手渡すだけと、とても簡単ですよね!
個人情報を明かす必要もなく、気軽にできるボランティア活動のひとつです。
フードドライブは食品ロスを減らすためはもちろん、生活が困窮している人たちへの間接的な支援にもつながっています。
寄付された人が安全に食べるための最低限の条件はありますが、雑貨や洋服のようにサイズや使用者を限定することもないため、多くの人に届けることができます。
実際にフードドライブに貢献するには、届けられた人が安心して食べられるように、以下のような条件があります。
・未開封である
・常温保存できる
・賞味期限が一定期間残っている
・製造者または販売者が表示されている
・成分表示またはアレルギー表示がある
前述したように賞味期限は各回収先ごとに条件が異なるので、寄付先の条件に合っているかを確認しましょう。
そのうえで寄付を受け付けている食品は以下のとおりです。
・インスタントやレトルト食品
・缶詰
・乾物
・乾麺
・お菓子
・飲料
・調味料
また、次のような食品は回収されないため注意しましょう。
・生鮮食品
・冷凍食品
・賞味期限表示がないもの
・アルコール類
・手作り品
ガラス製瓶詰が対象外になるところもあるので、詳しい条件はサイトや回収ボックスに提示されている「回収されないもの」を確認してくださいね。
ひとりひとりの“もったいない”の気持ちが、フードドライブ活動の後押しになっています!
買い過ぎてしまった食品、食べきれなかった食品、もらったものの誰も手をつけない食品がないか、この機会にぜひキッチンに眠っている食品をチェックしてみてください。