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むくみがつらいとき、利尿作用のある飲み物をとることで、解消したいと考える方もいるでしょう。
むくみ解消にはカリウムが役立ちますが、カフェインやアルコールはどうなのか、気になる方もいるはずです。
具体的な飲み物の種類や、注意点を知り、むくみ解消に役立ててください。
今回の記事では「利尿作用のある飲み物」について、管理栄養士が解説します。
むくみ解消に役立つ、利尿作用の期待できる飲み物には「カリウムを含む飲み物」があります。
カリウムは、ナトリウム(塩分)と水分を尿として排出してくれる働きがあることから、利尿作用のある成分として知られています。
ナトリウム(塩分)の摂りすぎはむくみの原因となるため、カリウムを摂って排出することが大切です。
ほかに利尿作用のあるものにカフェインやアルコールもありますが、こちらはのちほど改めて解説します。
まずはむくみ解消に役立つ、利尿作用の期待できる飲み物について、カリウムの多い順に、ランキング形式で7つお伝えします。
それぞれの飲み物について、特徴や取り入れ方のコツを解説します。
にんじんジュースは1回あたりのカリウム含有量が560mgであり、利尿作用のあるカリウムをもっとも効率的に摂取できます。
スーパーやコンビニなどでは、飲み切りやすいパックや缶、大きいサイズのペットボトルのものが販売されています。
製品によりカリウム含有量が異なるため、チェックしてみましょう。
次にカリウムの豊富なのがトマトジュースで、1回あたりの含有量は520mgです。
濃厚なタイプの方がトマトの使用量が多く、カリウム量も多くなることが考えられます。種類がたくさんあるため、カリウムを摂れるお好みのものを見つけてみましょう。
野菜ジュースは1回あたり460mgのカリウムを摂れ、利尿作用によりむくみ解消が期待できます。
野菜ジュースを選ぶ際は、野菜中心に作られたものの方がおすすめです。
果物に比べ野菜の方がカリウムの含有量が高い傾向にあるため、果物入りの野菜ジュースに比べ、カリウムをたっぷり摂れると考えられます。
果物ジュースの中でも、パイナップルジュースはカリウムの含有量が豊富です。
野菜系のジュースが苦手な方でも、取り入れやすいでしょう。ただし、糖分の摂りすぎになりやすいため、たくさん飲むのは控えてくださいね。
大豆から作られる豆乳も、利尿作用の期待できるカリウムをたっぷり補給できます。
調製豆乳の200gあたりのカリウム含有量は340mgですが、無調製豆乳は380mgと若干多くなっています。
少しでも多く摂りたいなら無調製豆乳がよいですが、飲みやすさを優先して調製豆乳でも十分にカリウムを摂れるでしょう。
牛乳は意外にもカリウムを含むため、利尿作用を期待して取り入れるのもよいでしょう。
飲みすぎるとカロリーや脂質の摂りすぎになるため、1日1杯程度を目安にしてください。
コーヒーは緑茶や紅茶などの飲み物に比べると、利尿作用の期待できるカリウムを多く含んでいます。
甘い飲み物が苦手な方でも、取り入れやすいでしょう。
カリウム以外にも、カフェインやアルコールを含む飲み物も利尿作用が期待されています。
単に「尿の量を増やしたい」目的にはよいかもしれませんが、カフェインやアルコールはむくみ解消にあまり向きません。
理由について、それぞれ解説します。
カフェインは腎臓での水分再吸収を抑えて尿の量を増やすため、利尿作用を持つことが知られています。
コーヒー、紅茶、緑茶などに利尿作用があるといわれるのも、カフェインの性質によるものです。
しかし、カフェインを含む飲み物がむくみ解消に役立つかというと、必ずしもそうではありません。
むくみは体に水分がたくさんあるから起こるわけではなく、塩分の摂りすぎや運動不足などの原因が重なることで起こります。
カフェインはこれらの原因の解消に役立つとはいえないため、根本的な解決とはいいづらいでしょう。
アルコールは尿の排出を抑えるホルモンの分泌を抑制して尿量を増やすことから、利尿作用があるといわれています。
アルコールの摂りすぎにより脱水の心配もあるほど利尿作用が強いのですが、むくみ解消としてはおすすめできません。むしろ、アルコールにより血管が拡張し水分が漏れ出てしまうため、むくみを起こす一因となります。
むくみを解消したいとき、起こしたくないときは、アルコールをなるべく控えましょう。
利尿作用のある飲み物を取り入れる際は、知っておきたい注意点がいくつかあります。
利尿作用があるからといって、必要以上に飲み物をたくさんとるのは控えましょう。
例えば先ほど紹介したカリウムを含む飲み物は、糖質やカロリーの摂りすぎにつながりやすいため、健康への悪影響が考えられます。
カリウムは野菜や芋類、果物などに含まれる栄養素のため、飲み物だけでなく食事から摂る工夫をするとよいでしょう。
むくみの原因によっては、利尿作用のある飲み物の過剰摂取が逆効果となることもあります。
例えば冷えによって血流が滞ってむくみが起きている場合、冷たいトマトジュースや野菜ジュースなどをたくさん飲むと、さらに体を冷やすことが考えられます。
また運動不足などで起こるむくみは、水分をたくさんとることで、体にさらにため込んでしまうかもしれません。
次に紹介する、むくみを起こさない対策についても、ぜひ知っておきましょう。
むくみを起こさないためには、利尿作用のある飲み物を取り入れる以外にも、下記のことに気をつけてみましょう。
塩分は水分をため込む性質があるため、摂りすぎに気をつけましょう。
特に、ラーメンやうどんなどの麺類、塩辛いおつまみ、スナック菓子などをよく食べる方や、外食やコンビニ食の利用が多い方は塩分を摂りすぎている場合があります。
塩分が多すぎると、いくらカリウムを摂っても、なかなかむくみが解消されないことにもつながるでしょう。
まずは、塩分の多い食べ物を控えることからはじめてみてください。
バランスのよい食事を心がけることで、栄養バランスが整いむくみにくい体を作ってくれます。
例えば野菜や果物には、利尿作用のあるカリウムだけでなく、塩分を排出してくれる食物繊維も豊富に含まれます。
野菜や果物ジュースは食物繊維の量が減ってしまうため、ぜひ生の野菜や果物をとりたいものです。
野菜たっぷりの食事を心がけるようにしましょう。
運動により血流が改善することや、血流を促す筋肉量が増えることで、むくみの予防に役立ちます。
特にふくらはぎの筋肉を鍛えることは、全身に血液を巡らせるために大切だといわれています。
軽いウォーキングやスクワットなどの下半身を使う運動や、普段の生活でも徒歩移動を意識することを心がけるとよいでしょう。
今回の記事では「利尿作用のある飲み物」について、管理栄養士が解説しました。
利尿作用の期待できる成分の中でも、むくみ解消に取り入れたいのはカリウムであるため、カリウムが豊富な飲み物を上手に取り入れましょう。
またむくみが起きないような対策も取り入れて、すっきりとした毎日を送ってくださいね。
ただし、むくみが続く場合は病気やほかの原因が隠れていることも考えられます。その場合は一度、医療機関の受診を検討しましょう。