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空気が涼しくなり、夜空が美しい季節になりました。
夜空といえば、星の観察やお月見ですよね。美しいお月さまを見ると、心が澄み渡るような気分になりませんか?
お月見と呼ばれる日付は、実は毎年変わります。
また、お月見は十五夜だけでなく、十三夜、十日夜と年に3回あることをご存じでしょうか。
この記事では、主婦歴19年目の筆者が、日本の美しい風習であるお月見を調査・検証してわかりやすく解説します。
さらに、知っていると使えるウンチクなど、お月見にまつわる話題を提供します。ぜひ生活のワンシーンで使ってみて下さい。
秋の風を感じ始めると、街中やスーパーのポップ、お子様の行事で「お月見」を見かけることが増えますよね。
ふと、自分の子どもの頃を思い返し、母がお月見の支度をしてくれたことを思い出します。
しかし、お月見という行事はなんとなく知っているものの、しっかりと説明するには、ふわっとしていませんか?
そんな方は、ぜひこの記事を読み進んでお月見を知り、ちょっとしたウンチクなんかも言えるようにしてみましょう。
お月見の始まりは平安時代にさかのぼります。
古くから日本では月を眺める風習はあったものの、平安時代の貴族の間で流行したのが始まりとされています。
お酒を楽しみながら、さらには船の上で歌や雅楽を楽しみながら月を愛でる。
そんな雅やかな楽しみ方が、時代を経て庶民の間に流行したのは江戸時代になってから。
しかし、庶民のお月見は、収穫祭や初穂祭としての意味合いが強くなり、生活に密着した行事となっていったのです。
旧暦の8月。
空が澄み渡り1年の中で一番月がキレイに見える8月15日(旧暦)に十五夜の月を眺めることが、お月見とされています。
旧暦の8月15日なので、新暦に直すと、9月の中旬~10月の上旬に毎年十五夜が訪れるとされています。
なお、月の満ち欠けで導き出された旧暦と、太陽の動きを基準にした新暦とでは、1年の長さも始まる日も違うことから、十五夜の日が毎年変わるのです。
キレイなお月見を楽しめるチャンスは、1年に3回ほどあります。
・十五夜(2022年は9月10日)
・十三夜(2022年は10月8日)
・十日夜(2022年は11月3日)
お馴染みの十五夜をはじめ、こんなにあるんですね。
順番に見ていきましょう。
「十五夜」というと、一般的には旧暦の8月15日のお月さまをさします。
旧暦は月の満ち欠けで繰り返されており、毎月新月を1日とするので、15日が満月となります。そして、実は旧暦ではすべての月に「十五夜」が存在しているのです。
また、なぜ「中秋の名月」と呼ばれているのかというと、旧暦の秋が7月・8月・9月であり、「中秋」は秋の真ん中を示していることからなのです。
1年のうちで空気が澄み渡るこの時期。最も美しいお月さまを眺めるのに適した季節とも言えるでしょう。
ちなみに、2022年は9月10日が十五夜でした。
「十三夜」は十五夜のあとにある、旧暦の9月13日のお月見のことです。
2022年の十三夜は、10月8日になります。
「十三夜」とは、十五夜の次に美しいとされる月で、昔から大切にされてきました。
また、十五夜・十三夜のどちらかでしかお月見をしないことを「片見月」「片月見」といい、あまり縁起の良いものではないとされてきました。
なので、できれば十五夜と十三夜はぜひセットで楽しみたいものですね。
ちなみに、十五夜は中国伝来に対して、十三夜は日本発祥とされています。
「十日夜(とおかんや)」というお月見を聞いたことはありますか?
少し耳慣れない「十日夜」というのは、旧暦の10月10日におこなわれていた収穫祭のことです。
さらに、十日夜はお月見がメインの行事ではありませんが、十五夜・十三夜と並んで、月を楽しむ日にあげられます。
ちなみに、2022年の十日夜は11月3日です。
また、十日夜は田んぼの稲刈りを終え、田の神様を送る行事でもあるので、月齢に関係なく、新暦の11月10日におこなう地域もあります。
地方により内容は様々ですが、子孫繁栄や無病息災を願ったり、田の神様に感謝の気持ちを表したりします。
そして、十五夜・十三夜・十日夜のすべての日が晴れて、キレイなお月さまが空に浮かぶと縁起がいいものとされてきました。
美しい3つのお月さまを見ることができたら、確かに縁起がいいですよね。
お月見をする場合、お供え物を供えますが、それらに意味があることをご存じでしょうか?
月をただ愛でるのもよいですが、日本の古来より受け継がれている風習を守ることも素敵ですね。
ここでは、代表的なお供えものの紹介とそれに込められている意味を解説します。
お月見のお供え物として、お団子は欠かせません。
理由としては諸説ありますが、この時期に収穫するお米(穀物)で、月に見立てたお団子を作り供えることで、収穫に感謝し、次の年の豊作を願ったとされています。
また、十五夜では15個のお団子を、十三夜では13個のお団子をピラミッド状に積み重ねてお供えします。
数にまでこだわるところが繊細な感じがしますね。
特徴的なフォルムをした、お月見団子を供える台をご存じですか?
あの台の名前は「三方(さんぽう)」といいます。三方は、台の足の部分の三方に穴が開いているためにそう呼ばれています。
三方とは、神事や貴人に物を供えるときに使う儀式的な台になります。
個人でちゃんとした三方をお持ちの方は少ないでしょう。なので、お月見でお団子を供えるときは、お気に入りのお皿などを代用してみるのはいかがでしょうか?
それだけで、気分があがりますよね。
お月見のお供え物として、お団子同様に思い浮かべるのが「すすき」だと思います。
すすきは秋の七草の1種でもあり、日本では神の依代とされ、魔除けになるといわれています。
悪霊や災いなどから収穫物を守ってくれ、お団子同様に次の年の豊作を願う意味も込められています。
すすきはお月見の時期になれば、お花屋さん・園芸店・ホームセンターなどで取り扱っています。
大型スーパーなどで分かりやすくコーナーがつくられている場合もありますね。
昔は、土手や空き地に行けばあったものでしたが、今の時代、勝手にとるのはNGです。
とてもきれいな状態のすすきを買うことができるので、ぜひお店などで購入しましょう。
日本では、月にはうさぎがいると例えられます。
自分が子どもの頃、もしくは自分のお子様に「お月さまにうさぎがいるよ……」なんてことを言ったことはありませんか?なぜ、月にうさぎがいるといわれているのでしょうか?
これには諸説ありますが、下記の仏教説話がもとになっています。
『あるところに、うさぎ・キツネ・サルがいました。ある時、出会った老人のために3匹は食べ物を集めました。サルは木の実、キツネは魚をとってきましたが、うさぎは何も持ってくることができません。悩んだうさぎは「自分を食べて下さい」と、火の中に飛び込み、自身を捧げたのでした。その老人は、実は帝釈天という神様で、帝釈天はうさぎを哀れみ、月の中によみがえらせて皆の手本にしたのです。』
引用:仏教思想『ジャータカ』本生譚(ほんじょうたん)、今昔物語、その他より抜粋
……こういった切ない物語がもとになっていたのですね。
では、なぜお餅をついているのでしょうか?
それは、
・うさぎが老人のために餅つきをしている
・うさぎが食べ物に困らないために
などといわれています。
そして、収穫に感謝するお月見でもありますから、たくさんお米がとれたことに感謝をするという意味があるともされています。
月の黒い部分をよーくみて下さい。ちょっと前傾姿勢になったうさぎが見えませんか?
臼を前にして、杵を持っているように見えますね。
ぜひ、満月の夜にでもお子様と一緒にうさぎの影を探してみて下さい。
お子様の幼稚園や保育園、学校などでもお月見の話題があがりますよね。
ぜひご家庭でも、お月見を楽しんでみましょう!
絵を描いてみたり、折り紙を折ってみたりするのもいいですね。
お月見の時期になると、お月見団子をスーパーやコンビニで見かけます。
買ったものを飾るものはもちろんいいのですが、実はお月見団子は簡単に作れるんですよ。
材料も比較的安価で手に入りますので、お子様と一緒にお団子作りをして楽しんみませんか?
《材料》
・上新粉:パッケージの分量通り
・砂糖:少々(ほんのり甘くしたい場合)
・あんこ、きな粉等(お好みで)
《作り方》
今回の記事では、「お月見の由来や起源と楽しむための雑学ウンチク」について解説しました!
日本にはいつまでも残したい、美しい風習がありますね。お月見は気負わず、それぞれの楽しみ方で月を愛でることができます。
ぜひ、素敵なお月さまを眺める時間を過ごしてみてくださいね。