スタミナがつくイメージのあるにんにくは、食欲アップも助けてくれ、元気を出したいときにぴったりの食べ物です。でも実際、にんにくにはどのような栄養が含まれるのでしょうか?今回はにんにくの栄養や期待される効能、おすすめの食べ方について、管理栄養士が解説します。


にんにくの栄養と期待される効能



にんにくにはさまざまな栄養素が含まれ、健康づくりや忙しい毎日にぴったりの効能が期待されています。


糖質の代謝をサポート「ビタミンB1」


にんにくに含まれるビタミンB1は、糖質の代謝に必要な栄養素です。極端に不足すると、倦怠感や食欲不振などの症状を引き起こす脚気の原因となることがあります。

白米やパン、麺などの主食に偏った食生活や、糖質を含むお酒の量が多いと不足がちになります。おかずやおつまみににんにくを取り入れると効果的でしょう。


抗菌作用のある「アリシン」


にんにくのにおいのもととなるアリシンには、抗菌作用が期待されています。

カビやピロリ菌と結合して抗菌作用を示すことが知られているほか、とりすぎると腸内細菌へ影響を及ぼすこともあるほどです。

またアリシンはビタミンB1の吸収を助けるため、効率的にビタミンB1を摂取できます。


たんぱく質の代謝をサポート「ビタミンB6」


にんにくに含まれるビタミンB6は、たんぱく質の代謝をサポートし、免疫系の維持にも関わっています。

不足すると皮膚炎や口角炎、舌炎、免疫力低下などが起こることがあります。単独で不足することは少ないとされていますが、食生活の偏りがある方は注意が必要です。


疲労回復・強壮作用など生薬としての効果も


にんにくは昔から生薬として用いられており、疲労回復・強壮作用などの効能があるとされています。

「スタミナ源」というとおり、疲れが気になるときや元気をつけたいときにぴったりでしょう。

※参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」日本薬学会 環境衛生部会 環境・衛生薬学トピックス「ニンニクと健康」


にんにくは加熱や冷凍すると効能がなくなる?



加熱ではアリシンが損失する可能性がありますが、冷凍では心配は少なくなります。

抗菌作用が期待されるアリシンは熱に弱いため、生のままとるか、サッと火を通すようにすると良いでしょう。

またアリシンは、アリインという成分が空気に触れることで変換されますが、アリインは冷凍しても失われにくいとされています。にんにくがたくさんあるときは、安心して冷凍保存してくださいね。

※参照:千田 実, 清野 晃之,“ニラの処理条件や保存方法によるメチイン・アリインへの影響について”,函館工業高等専門学校紀要(第 51 号),2016,11-15


にんにくは食べすぎ注意!1日1~2粒までが目安



にんにくは刺激があるため、食べすぎによりお腹を壊す場合や、体臭の原因になる場合があります。

1日の適量に決まりがあるわけではありませんが、1~2粒までを目安にすると、食べすぎの心配を減らせます。

とくに生のにんにくは刺激が強いため、胃腸の調子が悪いときは避ける方が良いでしょう。


黒にんにくは栄養価が高いって本当?


黒にんにくは普通のにんにくを熟成させて作る、ドライフルーツのような甘さが特徴のにんにくです。

普通のにんにくより抗酸化作用が強いことや、血圧を下げるなどの効能が期待されており、健康づくりを助けてくれる食べ物です。

バランスの良い食事を心がけながら、黒にんにくを補助的に取り入れるのも良いでしょう。


にんにくのおすすめの食べ方


にんにくに含まれる栄養素を効率的に摂れる食べ方や、毎日食べたいときに知っておくと得する食べ方を紹介します。


効能を期待するなら生のまま



先ほども伝えたように、抗菌作用が期待されるアリシンは加熱に弱い成分です。効果を期待するなら、生のまますりおろして料理に使うようにすると良いでしょう。


においが気になるなら丸ごとホイル焼き



にんにくのにおいが気になるときは、丸ごとの状態で焼くのがおすすめです。にんにくは切ったりすりおろしたりするとアリインという成分が変化してアリシンとなり、においが発生します。

丸ごとの状態でにんにくのにおいがそれほど気にならないのは、アリシンが発生していないからです。

この方法なら、翌日に人と会う予定があっても安心してにんにくを食べられます。


豚肉とあわせてビタミンB1を強化



アリシンはビタミンB1の吸収を助けるため、ビタミンB1を豊富に含む豚肉との相性はバツグンです。

豚肉をにんにくで炒める料理や、煮込み料理、またステーキににんにくチップスをトッピングするなどの方法で組み合わせると良いでしょう。


栄養豊富なにんにく!1日1~2粒までを目安に取り入れよう


にんにくはさまざまな栄養素を含み、健康づくりに役立つ食べ物です。とはいえ食べすぎにはデメリットもありますので、毎日食べる場合は1~2粒を目安にするのが良いでしょう。
正しく取り入れ、にんにくパワーで毎日を元気に過ごしてください。


にんにくを使ったスタミナアップレシピ


最後に、にんにくを使ったスタミナ満点のレシピをご紹介します。


トマトと豆苗のナムル


栄養豊富なトマトと豆苗を使ったナムルは、パンチの効いたにんにくが味のポイントに。


トマトと豆苗のナムル

トマト、豆苗、○しょうゆ、○中華スープの素(顆粒)、○にんにくチューブ、○ごま油、白いりごま、塩・こしょう

調理時間:10分


豚バラのねぎ塩丼


にんにくと相性の良い豚肉とあわせた丼は、ご飯が進む味付けで、スタミナアップ間違いなし。


豚バラのねぎ塩丼

豚バラ薄切り肉、長ねぎ、ご飯、○にんにく(チューブ)、○鶏ガラスープの素(顆粒)、○酒、○こしょう、一味唐辛子、ごま油

調理時間:15分


鶏むね肉としいたけのガリバタ炒め


ヘルシーな鶏むね肉としいたけを、にんにくとバターで炒めて、食欲がないときでも食べやすい味に。


鶏むね肉としいたけのガリバタ炒め

鶏むね肉、生しいたけ、○塩、○酒、○片栗粉、●ポン酢、●しょうゆ、●みりん、●にんにくチューブ、バター、サラダ油

調理時間:15分


情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 にんにくの栄養がすごい!期待される効能やおすすめの食べ方を管理栄養士が解説