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スーパーなどで年中見かけるほうれん草ですが、旬はいつなのかご存じですか?旬の時季のほうれん草は栄養豊富ともいいますが、実際どのくらい違うのか気になりますよね。
今回はほうれん草の旬や、季節による栄養価の違いについて、管理栄養士が解説します。
ほうれん草は寒さに強い野菜で、旬は11~3月の冬頃です。旬の時季は出荷量が多く、1年の中で最も安価に手に入りやすくなります。
また冬のほうれん草は、自身が凍ってしまわないよう甘みを蓄えており、おいしく食べられるのも特徴です。
さらに冬のほうれん草はビタミンCの量が豊富という嬉しい一面も。ほうれん草の栄養価については、後ほど詳しく解説します。
冬が旬のほうれん草は暑さに弱く、本来は夏の栽培は向きませんが、高冷地での栽培やハウスを利用した栽培、また品種改良が進んだことで夏でも栽培されるようになっています。
冬の物に比べると甘みが少ないためあっさりと食べられますが、ほうれん草の苦みやえぐみといった味わいを感じることもあります。
夏のほうれん草は、「冬に比べて栄養が少なく食べるメリットがないのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、ほうれん草に豊富な鉄やビタミンAなどのさまざまな栄養素は、夏のほうれん草にも十分含まれています。
冬のものに比べると価格が高い傾向がありますが、安いタイミングを見計らって取り入れたいものです。
冬のほうれん草は、夏や通年出回っているものに比べるとビタミンCが豊富です。
日本食品標準成分表には、「通年」「夏採り」「冬採り」の3種類のほうれん草の栄養成分値が掲載されており、ビタミンC含有量に違いがあることがわかります。
冬のほうれん草のビタミンCは、通年の約1.7倍、夏の3倍含まれています。これはほうれん草の生育時の温度が関係し、低温で育つことでビタミンCが増加することが理由として考えられています。
しかし季節による栄養成分値の違いは、ビタミンC以外は分析されておらず、ほかの含有量の違いは分かりません。「夏採り」「冬採り」のビタミンC以外の栄養成分値は「通年」のものがそのまま掲載されています。
参考程度ではありますが、冬のほうれん草の方がβ-カロテンの量が多いとする情報もあります。旬の時季のほうれん草は、ぜひたくさん取り入れたいものです。
※参照:文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂),農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター「ホウレンソウの栽培条件が栄養価に及ぼす影響」
価格が高い旬以外の時季は、冷凍ほうれん草を活用してもよいでしょう。
「冷凍ほうれん草は栄養がないのでは?」と思うかもしれませんが、市販の冷凍ほうれん草は栄養素が壊れにくいよう急速冷凍されており、栄養素がなくなる心配をしすぎる必要はありません。
実際にビタミンCの含有量を比較してみましょう。冷凍ほうれん草は一度茹でてから冷凍されるため、同じ条件で比較できるよう、生のほうれん草を茹でたものの値と比較しています。
ビタミンCが豊富な冬のほうれん草には敵いませんが、通年のものと同じ量が含まれ、夏のものに比べると1.9倍の量となっています。
むしろ価格が高い夏の時季は、安価で手に入りやすい冷凍のものを活用する方が栄養価の面では良いかもしれません。
冷凍ほうれん草は下茹での手間がいらずに手軽に使える点もメリットです。ぜひ活用してください。
栄養豊富なほうれん草を使ったレシピをご紹介します。
ほうれん草とトマトをたっぷり使った、野菜がとれるメインのおかずです。オリーブ油が使われているので、ほうれん草とトマトのビタミンAの吸収率を高めてくれます。
塩サバのトマト煮
塩サバ切り身、ほうれん草、○ホールトマト缶詰、○洋風スープの素(顆粒)、○酒、にんにく、塩・こしょう、オリーブオイル
調理時間:15分
ほうれん草に含まれるビタミンCが、卵、ほうれん草自身に含まれる鉄の吸収を助けます。簡単に作れ、朝食にもぴったりのレシピです。
ほうれん草たっぷりオムレツ
卵、ほうれん草、○ピザ用チーズ、○牛乳、○洋風スープの素(顆粒)、○塩・こしょう、オリーブオイル、ケチャップ(好みで)
調理時間:15分
豆腐とあわせたヘルシーなメニューです。ごまをたっぷり使っているので、ほうれん草に含まれるビタミンEをさらに強化できます。
ほうれん草の白和え
ほうれん草、豆腐(木綿)、○白だし、○白すりごま、○砂糖
調理時間:15分
冬が旬のほうれん草は栄養豊富なだけでなく、甘くておいしいのも魅力です。旬の時季はぜひたっぷり取り入れてくださいね。