- 週間ランキング
カリっとした食感に、独特の辛みと風味を持つらっきょう。身体によいイメージがありますが、実際にはどのような効能があるのでしょうか?また効果的な食べ方や、1日の目安の個数も知っておきたいですよね。この記事では、らっきょうの効能について解説します。
らっきょうは生薬としても用いられ、生薬名は「薤白(ガイハク)」と呼ばれます。健胃、整腸、食欲増進などの作用があるといわれ、漢方薬として使われることもあります。
らっきょうをそのまま食べる場合は、主に甘酢漬けにして食べるのが一般的です。カレーに添えたり、刻んでタルタルソースに混ぜ込んだりと、さまざまな楽しみ方があります。生のらっきょうは5~6月頃に出回り、この時期には生のらっきょうを使った料理が楽しめます。
らっきょうに期待される効能や含まれる栄養素について解説します。
らっきょうに含まれる水溶性食物繊維の多くはフラクタンというものです。らっきょう100g中には20.7gの食物繊維が含まれており、そのうち約9割にあたる18.6gが水溶性食物繊維です。
食物繊維はヒトが消化吸収しにくい栄養素で、とくに水溶性食物繊維は、糖や脂肪の吸収を穏やかにしてくれる作用があることが知られています。
糖や脂肪の吸収を穏やかにすることで、食後の血糖値の急激な上昇や、コレステロールの上昇を抑えることもわかっており、その効能が注目されています。ダイエット中の方や、血糖値や血圧が気になる方は意識して補いたい栄養素です。
ビタミンCは抗酸化作用があり、動脈硬化、がん、免疫機能の低下、老化の一因となる活性酸素を体内から除去してくれる働きがあります。
らっきょうには100gあたり23mgのビタミンCが含まれます。これはにんにくと比べると約2倍の量です。
ほかにも、ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせない栄養素です。らっきょうの旬である5~6月頃は紫外線の多い時季でもあり、不足しないように摂りたいものです。
カリウムは余分なナトリウムを体外へ排出してくれる働きがあります。ナトリウムの摂りすぎによる高血圧の予防や、むくみの予防に摂りたい栄養素です。
らっきょう100gには230mgのカリウムが含まれ、不足しがちなカリウムの補給に役立ちます。
外食が多いなどで塩分の摂りすぎが気になる方や、血圧が気になる方、むくみを予防したい方はしっかり補給しましょう。
ほかにも、らっきょうのニオイの元となる硫化アリルなどのイオウ化合物には、抗がん作用や殺菌作用などさまざまな効能が期待されています。
※参照:文部科学省ホームページ 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
らっきょうに含まれる栄養を効果的に取り入れるには、どのような点に気をつけるといいのでしょうか。
らっきょうを毎日食べる場合、1日3~4粒までを目安にいただきましょう。らっきょうは1粒あたり、小さめから標準のもので3~6g、大きいものだと10gほどの重さなので、3~4粒の場合は9~40gほどになります。
らっきょうに含まれる硫化アリルは、適度な量であれば消化を促すといわれていますが、食べすぎると刺激になってしまうことがあります。
とくに「1日何粒まで」といった根拠があるわけではありませんが、さまざまな野菜から栄養を摂取したいという意味でも、1日3~4粒までを目安にするといいでしょう。また甘酢漬けを食べる場合は、塩分の摂りすぎに繋がってしまうため、やはりこの程度の量に抑えておきましょう。
らっきょうの栄養を効率的に摂りたい場合、甘酢漬けで長く保存されているものより、生のらっきょうを浅漬けにしたり料理したりしたものがおすすめです。
らっきょうにはさまざまな栄養素が含まれることを紹介しましたが、ビタミンCやカリウムは水に溶け出やすい性質を持っています。調味液に長く浸かることで、これらの栄養成分が流れ出てしまいます。
実際に日本食品標準成分表で確認してみると、生のらっきょう100gあたりのカリウムは230mg、ビタミンCは23mgですが、酢漬けのものはカリウムは9mg、ビタミンCは0mgと極端に少なくなっています。
浸けられている時間でも多少変化するものとは考えられますが、旬の時季はなるべく生のものを加工、または調理して、新鮮なうちに食べる方が栄養素をしっかり補給できます。
らっきょうにはさまざまな効能が期待されているので、とくに旬の時季に見かけたら取り入れたいもの。くれぐれも食べすぎには注意して、らっきょうを美味しく楽しんでくださいね。