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冬も本番、地域によって使用する暖房器具は異なりますが、エアコンによる暖房をメインに使っているという家庭も多いのではないでしょうか。エアコンによる暖房の電気代を節約するために"簡単にできること"を、家電評論家が解説します。
昨今、主流となっている暖房器具と言えば「エアコン」。
もとは冷房器具として生まれた家電製品ですが、技術を応用してマルチな空調家電として発展してきました。そんな経緯もあって、以前は冷房に比べると暖房能力は劣るという印象がありましたが、技術の向上により、近年は寒冷地仕様の製品が登場するなど、すっかり家庭用暖房器具の定番となっています。
そんなエアコン暖房ですが、冷房同様に気になるのはやはり電気代。実は、冷房よりも暖房のほうが電気代は高くなる傾向にあります。
というのも、エアコンというのは、空気中から集めた熱を「冷媒」と呼ばれるガスで運び、室内外で入れ替えるというのが基本的な仕組み。冷房時には室内の熱を外に運び出し、暖房時には外気の熱を室内に取り入れる「熱交換」の作用をそれぞれ逆に行っています。
空気中には、気温がどれだけ低くても熱が含まれています。一方、冷媒は圧縮すると温まり、膨張すると冷たくなる性質があります。この性質を利用して、暖房時は冷媒を膨張させて外気よりも冷却することで外気中から熱を取り込みやすくし、冷房時は逆の作用を行うことで、室内の熱を奪います。
エアコンが最も電力を消費するのは、室温を設定温度まで到達させるまでの立ち上がり時。例えば、室内の温度を25℃に設定した場合、夏場の室温が30~35℃ならその差は5~10℃、冬場の室温が10~15℃とすると15~10℃ほど室温を上げる必要があります。住んでいる地域や住宅環境などによっても条件は異なりますが、室温と設定温度との差が大いほど消費電力も上がるため、一般的には冬のほうが電気代が高くなる傾向にあります。
しかし、エアコン暖房の節電のコツも冷房時と基本は同じです。エアコンは、設定温度までの起動時のほうが電力を消費する傾向にあり、電気代を気にして最初から「弱」運転してしまうのは実は逆効果。省エネには最初から「自動」運転モードのほうが効果的です。
また、一般的な空間においては、空気というのは冷たいほうから暖かいほうへ移動する性質があることから、外の冷気が窓ガラスごしに室内に入り込みやすくなります。そのため、せっかく暖めた室内の空気も冷やされて暖房効率が悪くなるため、カーテンなどで防ぐことも節電の秘訣。暖かい空気は上昇する性質もあるため、扇風機やサーキュレーターを天井方向に向けて運転させることで効率的に部屋を暖めることができ、省エネにつながります。
さらに、体感温度は湿度と関係があります。同じ室温でも湿度が高いほど体感温度が上がるため、加湿器も併用することで、設定温度を上げなくても暖かく感じることができます。
もちろん、フィルターの目詰まりは空気の通りを妨げるため、性能低下の要因となり、無駄な電力消費につながります。夏の冷房時と同様に、2週間に1度を目安にフィルターのお手入れを行いましょう。