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大豆の種類や粒の大きさが違うものなど、色々な種類の商品が売り場に並ぶ納豆。その種類の一つに「ひきわり」がありますが、他の納豆と何が違うのかご存じでしょうか?多くの方が「普通の納豆を細かく切ったもの」と思ってしまいがちですが、実はそうではありません。意外と知らない、ひきわり納豆の作られ方や栄養価をご紹介します。
まずは「納豆」と呼ばれるものには、どんな種類があるのかからみていきましょう。
「日本食品標準成分表」の[納豆類]の項目を確認すると、納豆は「糸引き納豆」「ひきわり納豆」「五斗(ごと)納豆」「寺(てら)納豆」の4種類に分類されています。
「糸引き納豆」は一般的によく食べる大粒や小粒の納豆のこと。粒の大きさだけでなく大豆の品種が違うものや黒豆を使ったものなど、数多くの種類の糸引き納豆が店頭で販売されています。
「五斗納豆」は糸引き納豆に麹菌と塩などを加え、発酵熟成させたもの。また「寺納豆」は麹菌で発酵されたもので、黒っぽい見た目と糸を引かないのが特徴です。
ひきわり納豆について、糸引き納豆を細かく砕いたものと思っている方が多いのですが、実はそうではありません。
一般的な糸引き納豆は蒸した大豆に納豆菌をつけて発酵させますが、ひきわり納豆は大豆を砕き、皮を取り除いた後に納豆菌をつけて発酵させます。
大豆を砕くため納豆菌が付着する表面積が広がること、皮が取り除かれていることなどから、その味わいや栄養価は糸引き納豆と同じではなく、少し変わります。
では糸引き納豆とひきわり納豆のエネルギー量は、1パック(40gとする)あたりどのくらい違うのでしょうか。下の図はスーパーで売っている一般的な商品を、それぞれ比較したものです。
エネルギー量と三大栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物に大きな違いはありません。またひきわり納豆は皮が取り除かれている分、食物繊維が少なくなると考えられますが、糸引き納豆2.7g、ひきわり納豆2.4gとその差はわずかです。
エネルギー代謝をサポートするビタミンB2は糸引き納豆の方が多く、骨の健康に関わりの深いビタミンKはひきわり納豆の方が多くなっています。
栄養価に多少の違いがあることはわかりましたが、実は味や食感にも違いが。
糸引き納豆は粒状のため、豆のふっくらとした食感や歯応えを楽しむことができます。一方ひきわり納豆は、砕いて表面積が広がったところに菌をつけて発酵させるため、発酵による栄養価やうまみの元となる成分が多くなり、うまみを強く感じるといわれています。
また皮がない分食感もやわらかく、消化もしやすくなるので、高齢の方の食事や幼児食には利用しやすいでしょう。
作り方から普通の納豆とは少し違いのあるひきわり納豆。好みだけではなく、食べやすさや栄養価の違いも意識して選んでみてくださいね。
日本食品標準成分表2015年版(七訂)