- 週間ランキング
鉄道運賃の団体割引はよく知られています。団体割引乗車券は、遠足や修学旅行、会社の慰安旅行などで利用されています。宿泊施設や見学施設の割引も重なって、旅行費用の総額が安くなるわけです。それだけに「団体割引は学校や企業のための制度」と思っている人も多いでしょう。しかし、団体割引は条件を満たせば誰でも利用できる制度です。
JRグループの団体割引乗車券は8人から利用できます。条件は「同じ行程を一緒に旅行される場合」です。この「行程」は鉄道の利用区間を示します。8人以上の全員が同じ駅から乗車して、同じ列車に乗り、同じ駅で降りる。途中下車も全員で、ということになります。これさえ守れば、家族旅行でも利用可能。パパとママ、双方のおじいちゃん、おばあちゃん、子ども2人。これでもう合計8人になって割引適用です。さらには、ママ友グループとか、仲良しファミリー同士などの利用も想定されますね。
割引率は15%または10%で、時期によって異なります。10%割引の期間は12月21日~1月10日、3月、4月、5月、7月、8月、10月です。これ以外の日は15%割引です。平日も土曜休日も同じ。この団体割引は、何も旅行の際の利用に限った話ではありません。例えば、八王子在住のファミリー2組が東京ディズニーリゾートがある舞浜駅まで利用する場合を試算してみましょう。
八王子駅から舞浜駅までの乗車券はおとな1,080円、子ども540円です。4人家族の2組だと、大人4人、子ども4人ですね。乗車券の合計は6,480円です。団体割引乗車券の料金は、「ひとりずつの割引運賃の合算」となります。10円未満は切り捨てです。10%割引の場合、おとなは970円、子どもは480円。これを人数分に合算して、970円×4人+480円×4人=5,800円です。680円のおトクとなりました。15%割引の場合も同様に計算して5,440円。1,040円のおトクです。ひとりずつにジュース1本くらいの割引になります。
JRの団体割引乗車券は、駅の有人窓口や旅行会社で購入できます。ただし、乗車日当日は買えません。申し込みは出発日の9力月前から14日前までです。また、割引は乗車券のみ。特急料金やグリーン席料金は割引されません。
先ほど紹介したレジャーの他、同じ方面へ帰省する家族同士で、一緒に乗車する区間を決めて利用すれば、長距離になるのでさらにおトクになることでしょう。
団体割引制度はJR以外の鉄道会社もあります。ただし、利用できる人数や割引率が異なります。東武鉄道や京急電鉄はJRと同じ8人から、東急電鉄や小田急電鉄は25人からなどです。「鉄道会社名+単体割引」で検索サイトを調べ、確認してみましょう。
なお、ここでは一般の人々が利用できる「普通団体割引」を紹介しました。鉄道会社が指定する学校では「学生団体割引」といって、さらに割引率の高い制度があります。一般には利用の機会はないかもしれませんが、遠足や修学旅行などで利用する場合は、学生団体割引を参照してください。