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今年もこの日がやってきました。大人のお祭り「ボジョレー・ヌーヴォー解禁」です。すでに記事で紹介した通り、かなりの良年になったようです。そして毎年注目を集めるキャッチコピー。今年は「しっかりとして味わい深く、同時になめらかで複雑」でした。
あれ……? 50年に一度とか言わないんですか、と気になるものの、ボジョレワイン委員会の発表によると、「成熟の条件は理想的。天候面でもまったく問題なく果実は順調に熟し、収穫時期には日照に恵まれて健全で糖分が高く、凝縮したブドウが採れた」とのこと。どうやら珠玉のヴィンテージに刻まれることになりそうです
11月15日午前0時の解禁前、カウントダウンイベントが行われる東京・新宿へ。ボジョレーワイン委員会が開催したこのイベントは、平成最後のボジョレー・ヌーヴォー解禁ということでテーマは「ネオ・バブル」。会場内は、バブル時代を彷彿とさせるカラフルなインテリアで統一。ゲストで登場したタレントのりゅうちぇるさんは、立派な肩パット入りのダブルなスーツを着用。バブル時代を知っている人には懐かしく恥ずかしく、知らない人には斬新に映るかもしれませんね。
平成7年生まれのりゅうちぇるさん、実はまだボジョレー・ヌーヴォーを飲んだことがありませんでした。「運ばれてくるときからフルーティーでいい香りが漂ってました。フレッシュでおいしい! 」とコメント。ヌーヴォー初体験はかなりの好感触だったようです。
さて、そんな賞賛の言葉が溢れる今年のヌーヴォー、メルシャン株式会社が発売した5種を試飲してみました。
アルベール・ビショー社の「ボージョレ・ヌーヴォー 2018」を中心に、「ボージョレ・ヌーヴォー 酸化防止剤無添加 2018」「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2018」「ボージョレ・ヌーヴォー ロゼ 2018」「マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2018」の味わいをレビューします。
濃いルビーで、ラズベリーやいちごジャムを思わせる「ボージョレ・ヌーヴォー 2018」。深みのある甘さに心地よい酸、ほろ苦さが舌に残ります。タンニンが少ないので、スムースな口当たりです。合わせる料理は、意外に思われるかもしれませんが豚の生姜焼き。他には鶏肉のハーブ焼きなど、白身肉に香辛料をきかせた料理がおすすめです。
濃いルビーでブラックチェリーやスミレの花のような香りが特徴的な「ボージョレ・ヌーヴォー 酸化防止剤無添加 2018」。チャーミングな酸が口いっぱいに広がります。少ないながらタンニンもあり、とてもシャープな印象。食事は、生ハムやサラミなど肉系の冷菜全般と相性が良いです。
濃いルビーでブラックベリーに黒胡椒のようなスパイスの香りを感じる「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2018」。ミネラル(塩味)と酸味とタンニンが絶妙なバランスとなっています。ダイナミックに胡椒をきかせた厚切りのステーキの他に、こちらも意外なところではサバの味噌煮に七味唐辛子を少し振りかけたものなど、シンプルな定番料理にスパイスでアクセントをプラスしたものが合います。
淡いサーモンピンクの色合いがキュートな「ボージョレ・ヌーヴォー 酸化防止剤無添加 2018」。ローズウォーター、マンゴーやバナナのようなトロピカルさを感じます。「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2018」をやさしくソフトにした印象。ミネラル感がとてもフレッシュで、合わせる料理はヴィラージュ同様スパイスを加えたものが好相性。白身魚のカルパッチョにケッパーや胡椒をプラスしたもの、白身魚のムニエルにレモンとパセリのみじん切りを合わせたメニューが合います。
薄いレモンイエローの「マコン・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2018」。香りは白桃やメロン、アプリコットの要素が。ライムのようなフレッシュな酸とほろ苦さがあり、南蛮漬けやなますなどおせち料理のような甘酸っぱい和食がとても合います。
豚の生姜焼きやサバの味噌煮、南蛮漬けといった和食の定番とも合うワイン。これらはボジョレーに限った話ではなく、普段の私たちの食事ともワインはとても合うのです。今回のボジョレー・ヌーヴォー解禁を機会に、ワインの世界を堪能してみてはいかがでしょうか。