ロボット掃除機、洗濯乾燥機と並んで、共働き世帯の"三種の神器"とされる食洗機。しかし、実は日本においては製品の選択肢が多くありません。


パナソニック一択だった卓上タイプ

食洗機には、システムキッチンの一部にユニットとして組み込む"ビルトインタイプ"と、キッチンシンクの周辺に外付けで据え置きができ、賃貸住宅でも設置可能な"卓上タイプ"があります。しかし、後者に関しては製造を中止して撤退するメーカーが相次ぎ、ここ最近はパナソニック製品の一択となっていました。

そんな独占状態が続いていた卓上タイプの食洗機市場に、今秋、ついに新たなメーカーが参入。2011年に旧三洋電機から中国の大手家電メーカー・ハイアールグループとなり、その後「AQUA」(アクア)として再出発した同社から10月10日に発売されたのが、卓上タイプの食洗機「ADW-GM1」です。

7万円前後で"ちょうどいい大きさ"に



市場想定価格7万円前後(税抜)と、まずはリーズナブルな価格設定が魅力。さらに、本体サイズ幅485×高さ475×奥行390mmと省スペースで、2~3人程度の小人数世帯のキッチンでも設置しやすい仕様になっています。

日本電気工業会自主基準に基づく食器の標準収容量は24点。日本市場における卓上タイプの食洗機は、これまで18点と40点の機種が存在していましたが、その中間にあたる容量で、少人数世帯では"大きすぎず、小さすぎずな"ちょうどいいサイズ感に収まっているのが特長です。

また、7万円程度の価格ながら、本体内部の大部分がステンレス素材。ステンレスは傷が付きにくく、お手入れもしやすい上に、ニオイ移りも少ないのがメリット。衛生面への配慮も上々です。食材のカスを受け止める「残さいフィルター」は、簡単に取り外してお手入れしやすく、ニオイ移りがしにくい構造のボックス型が採用されています。

さらに、本体前面の扉部分には、ガラストップを採用。ガラス窓越しに稼働中の内部の様子が確認できます。一枚板の強化ガラスのため、表面の汚れがふき取りやすい点も長所です。

12通りの洗い方



運転コースも多彩。基本は「標準」「念入り」「おいそぎ」「低温」の4コース。それに加えて、各コースの洗浄力を高める「強」設定、汚れがひどい時用の「高温すすぎモード」、すすぎの湯の予熱を使った低温風乾燥で省エネを実現し、かつ熱に弱い素材の変形を防げる「送風乾燥」といった各モードを組み合わせると、12通りの洗い方が可能です。操作部はタッチパネル式でシンプルかつ直観的に操作できるのも魅力です。

年間1万円以上の節約効果も

消費電力はモーター部65W、ヒーター部550Wで、最大615Wとなっています。標準使用水量は9L程度で、手洗いの1/5ほどの水量で洗うことが可能です。

メーカーの試算によると、手洗い1回あたりのコストは、水道代約12.9円+ガス代約16.6円+洗剤代約3.3円となり合計32.8円。これに対してADW-GM1の標準コースで洗った場合は、水道代約2.3円+電気代約11.6円+洗剤約3.3円の合計17.2円。年間で換算すると、約1万1,400円の節約が見込めるとのことです。



アクアは世界165カ国以上で展開しているグローバル企業。日本以外の国では既に多数の食洗機を販売していますが、今回は中国で販売している自社の食器洗い機をカスタマイズし、日本仕様にしたといいます。食器をセットする内部のカゴを日本の食器サイズや形状に合わせて無駄なくレイアウトできるように設計・配置したり、日本では不要な硬水を軟水にする機能を省くなど、製造コストと販売価格の最適化が図られています。

製品の発売に先駆けて行われた新製品発表会には、ADW-GM1を使用中の料理研究家の松見早枝子さんがゲストとして登場。「これまで使っていた洗いカゴとちょうど同じサイズで、高さはあるものの、キッチンの作業スペース自体はまったく変わっていません。残さいフィルターの手入れも簡単で、それ以外のお手入れはほとんどなくラクです。食器洗いを食洗機に任せることで、家族との時間ができ、食後の時間が豊かになりました」と製品の魅力を語っていました。


情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 パナ一択だった卓上食洗機、アクア参入--低価格で機能充実、専門家はどう見る?