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きき酒師漫才コンビ「にほんしゅ」のお二人に、日本酒の種類について解説していただいた前編に続き、後編では日本酒に合う料理や保存方法について解説していきます。
※前編記事「吟醸、純米…日本酒の種類と特徴を解説--保存法や料理の相性も(前編)」
大前提として日本酒は「食べ物と合わせやすい懐の深いお酒」なんです。出汁に合うお酒ですし、酢を嫌いません。あまり食べ物との組み合わせに過敏にならなくてもいいんです。
あえてお伝えするなら、味を「同調させる」ことと「濃さを合わせる」ということがポイントです。
「同調」は似た者どうしという意味です。日本酒と料理に「味付けで接点を作ること」を意識しましょう。例えば家庭で使うことの多い鶏もも肉。フルーティな吟醸酒に合わせる場合には、焼いた鶏肉にすだちを絞るといいです。フルーティ×フルーティなので同調します。焼いた鶏肉に塩だけで味付けをするなら、スッキリした味わいが特徴の本醸造酒。鶏の照り焼きなら旨口の純米酒が合いますよ。
でもこれを間違えても、日本酒は懐が深いので大怪我(失敗)しにくいです!
それと、味の濃さがかけ離れてしまうとよくないんです。珍味好きな方は、塩辛とか味の濃いつまみを食べながらちびちび飲まれることも多いと思います。でもせっかく買った大吟醸と合わせると、味の濃さのバランスが良くなくて台無しになっちゃうんですよね。フルーティな大吟醸には、りんごのスライスとかフルーツをつまみにしてもいいくらい、味が似た者同士があうんです。味付けや味の濃さを似せてあげることがポイントですね。
理屈がわかっていると、料理やおつまみがめっちゃ作りやすくなりますよ〜! 食べる側も「よ〜このつまみ作ってくれたね〜」と喜んでくれるはず。組み合わせ最高って言われると嬉しいですよね。
買うときにはまず、原材料見るとわかりやすいですよ。米と麹だけでできていると純米系なので旨口。醸造アルコールが入っていると本醸造系なのですっきり。料理と合わせる場合には精米歩合を見てみましょう。70%と50%があれば、今日はブリ照りやから70%の純米酒買おうかなという感じですね。それと、裏側のラベルに”飲みごろの温度”が書いてあるとラッキーですよ! めちゃくちゃ参考になるので「見るべし! 」ですね。
飲みごろの温度は蔵元さんで調べたり、判定してくれる機関に頼んだりするんですよ。日本酒のラベルには、人間でいうところの特技とか経歴を書いているので「見るべし!」です。
日本酒にはいつ蔵から出てきたかが分かる「製造年月日」が書かれていますが、基本的に賞味期限が無いんです。保存方法と、開栓してから飲み切る期間がポイントとなります。
買ったら栓を開けても開けていなくても冷蔵庫に入れましょう。特にこれからの時期は暑くなりますからね。日本酒は熱と光に弱いんですよ。買ったお酒は「お客様扱い」して丁寧に扱いましょう。
栓を開けてからは、だいたい一週間くらいで飲み切るのがおすすめ。味わいの変化の早い生酒はできれば2〜3日で飲み切りましょう。劣化が少なく、味の変化を抑えて飲む事が出来ますよ!
日本酒の栓を開けて一週間や二週間経ち、「味が落ちてるな」という時には、料理酒に使いましょう。
鍋料理に使うと「ぐぐぐ」と旨みが増すのでおすすめですよ〜。
いかがでしたか。かなり日本酒レベルがアップしたんじゃないでしょうか!
おうちで飲み比べもやって欲しいなぁ。日本酒選びを楽しんでくださいね!
ボケ担当あさやんさん。つっこみ担当北井一彰さん。コンビ揃ってきき酒師、日本酒ナビゲーターを取得。全国の日本酒にまつわるイベントでの酒漫才披露や司会、セミナー講師も務める。日本酒と漫才で多くの人に笑顔を届けている。