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まずは夏特有の予定として「祭り」「山・海」「プール」の 3 つのカテゴリーを定め、カテゴリーに該当するデータを分類し、予定数の変動を確認。
その結果、2024年は2019年に比べ、どのカテゴリーも登録予定1万件あたりの出現数が7 月と8月に減少。暑さにより外出を避ける傾向が高くなった可能性が考えられた。なお、暑さを避けるために利用することの多い「プール」に関しては、暑くなるほど予定が増えると予想したが、実際には7月・8月の予定数は減少している。近年、学校や屋外プール施設では暑さが一定水準を超えた日には、熱中症予防のためにプールの開放を中止するところも増えており、その結果「プール」の予定が減少したと推測される。
次に、暑さの影響を強く受けそうな屋外のレジャー予定に注目してみると、「キャンプ」と「グランピング」という2つの類似したアクティビティにおいて、対照的な予定の変化が起きていることがわかった。具体的には2024年は2019年に比べ、7月~9月すべてで、登録予定1万件あたりの「キャンプ」の予定出現数が減少していたのに対し、「グランピング」はどの月でも約3倍に増加。このことから、キャンプに比べてエアコンなど設備の整ったグランピングの需要が、猛暑により高まっていると推察された。
続いて、暑さ対策に関する予定に着目。屋内での暑さ対策に必須のエアコンに関する予定を見てみると、2024年は「エアコン掃除」「エアコン修理」「エアコンクリーニング」といったエアコンのお手入れに関する予定が7月~9月のすべての月で増加。暑さが本格化したことでエアコンの稼働が増え、お手入れを行う人が多くいたことが推察された。
その他に暑さ対策に関する予定として、2024年は「かき氷」の登録予定1万件あたりの出現数も7月~9月のすべての月で増加。近年はおいしいかき氷を求めて食べ歩く「氷活」と呼ばれる活動もブームになっており、夏の暑さが強まるにつれて涼を求める人も増えているようだ。
TimeTree未来総研所長の深川泰斗氏コメント
日頃何の気なしに暮らしていると、数年前の気温の感覚やその中での具体的な過ごし方についての記憶は薄れ、今の生活との違いを実感として比較することは難しいでしょう。しかし、「生活の記録」とも言える予定データをマクロな視点から比較すると、そこに起きている変化を捉えることができます。
今回の調査では暑さが我々の生活に及ぼす影響を調べた結果、夏本番の猛暑の中では外出予定が減少したり、エアコンで暑さに備えるための予定が増えたりといった傾向が見られました。この結果は、実は今年同様に猛暑だった2023年も分析すると、同じ変化が顕著に見られます。地球の温暖化が年々進む中、こうした傾向は今後より加速していくと予想されます。
一般的に暑さは「避けるもの」「備えるもの」とネガティブに捉えられがちです。しかし、調査結果の中でご紹介した「グランピング」や「かき氷」のような、暑い中でも楽しめる予定も多くなっていくのではないでしょうか。
その時代によって、流行りや人気のアクティビティが変化することはあるだろう。しかし、今回の調査結果では、これまで夏には当たり前に楽しめていたことが、猛暑の影響によってできなくなっている可能性が示唆された。近年の猛暑により、我々は地球温暖化の問題を肌で感じてきている。さらに温暖化が進み、猛暑が深刻化すれば、外へ出ることさえ危険になってしまう。我々がこれまで楽しんできた、夏ならではの楽しみや風物詩を無くさないためにも、温暖化対策について考え、今できることを少しずつでも行うことが大切ではないだろうか。