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『短鎖脂肪酸』は、大腸内の腸内細菌が食物の中に含まれる、腸内細菌の“エサ”となる成分を取り込み、代謝することでつくられる。『短鎖脂肪酸』を産み出す腸内細菌のエサとなる成分を腸に届けること、そのエサを多様な腸内細菌で代謝しあうことで、『短鎖脂肪酸』を効率よく増やすことができるそうだ。
■バクテロイデス
多くの人が保有している菌として知られ、特に動物性たんぱく質や脂質の多い欧米型の食事をする人に多いと言われている。水溶性食物繊維(イヌリンなど)をエサにプロピオン酸をつくり出す。また、バクテロイデス属の中には、持久力の向上に関わる種類が報告されている。
【バクテロイデスが代謝するイヌリンを多く含む食材】にんにく、ごぼう、たまねぎ、チコリ、キクイモ
■ルミノコッカス
やや多くの人が保有している菌。レジスタントスターチ(RS)という難消化性でんぷんをエサに酢酸をつくり出す。そのため、RS分解菌の代表的な種類として知られる。
【ルミノコッカスが代謝するレジスタントスターチを多く含む食材】豆類、芋類
■プレボテラ
穀物や野菜、豆類などの食物繊維を多く食べる人に多く存在することが知られている。水溶性食物繊維をエサにコハク酸をつくることが知られていて、コハク酸は他の腸内細菌のエサになり、プロピオン酸につくり変えられることがわかってきた。
【プレボテラが代謝する食物繊維を多く含む食品】麦ごはん、全粒粉パン、グラノーラ、雑穀
■ビフィドバクテリウム
いわゆるビフィズス菌で、多くの日本人が保有している菌。特に、乳製品を食べる人に多いと報告されている。水溶性食物繊維(オリゴ糖など)をエサに酢酸をつくることが知られており、お通じへの影響をはじめ様々な健康との関わりが報告されている。
【ビフィドバクテリウムが代謝するガラクトオリゴ糖を多く含む食材】牛乳、乳製品
■フィーカリバクテリウム
多くの人が保有している菌。水溶性食物繊維(ペクチンなど)をエサに酪酸をつくることが知られている。
【フィーカリバクテリウムを多く含む食材】バナナ、はちみつ、たまねぎ
■ブラウティア
多くの人が保有している菌。内臓脂肪面積が小さい人に割合が多い菌として報告されている。酢酸をつくるはたらきが知られており、カカオポリフェノールによって増えることがわかってきた。
【ブラウティアが好むハイカカオを多く含む食材】ハイカカオチョコレート、麹
人の腸内にはおよそ1,000種類、数にして約40兆個の腸内細菌がいるといわれているが、前述の通りその種類や割合は一人ひとり大きく異なる。例えば、健康に影響を与えるといわれる腸内細菌の代表格であるビフィズス菌。半分以上がビフィズス菌という人もいれば、ほぼゼロという人もいるそうだ。効率よく『短鎖脂肪酸』を増やすためには、まずは自身の腸内フローラを調べ、どんな菌が多く棲んでいるのかを知り、その結果に合わせた食事を意識することが重要となる。昨今では、腸内フローラの検査キットが以前と比べるとだいぶ安価になり、病院だけでなく、オンラインサービスや腸内フローラ検査サービスを展開する薬局等で簡単に検査ができるようになっているそうだ。
春のメンタル不調を予防するためには“生活リズム”、そして“腸内環境”を整えることが重要。そして、腸内環境を整えるために『短鎖脂肪酸』を増やすことが最新の腸活方法であることをお伝えした。気温差などで不調を感じている人や、これから新生活を迎える人はこの春、腸内環境を整えることからはじめてみるのはいかがだろうか。