ブラジルの国民酒「カシャッサ」とは?特徴やラムとの違いについて解説!
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ブラジルの国民酒として知られている「カシャッサ」。日本ではあまり馴染みがないお酒のため、知らない人も多いですが、実は世界で2~3番目の消費量を誇る蒸留酒となっています。

2012年には、リオ・デ・ジャ ネイロ州の文化遺産に認定。今後は世界中で親しまれるお酒になりつつあるのだそう。

今回はそんな「カシャッサ」の概要や歴史、ラムとの違いについて紹介していきます!

カシャッサってどんなお酒?

ブラジル産サトウキビの絞り汁を発酵・蒸留させて作った「カシャッサ(Cachaça)」。ブラジルでは4000ブランド以上生産されており、古くから「国民酒」として親しまれています。

サトウキビ由来の風味やコクが楽しめるのが特徴で、世界で2~3番目に消費量が多いスピリッツといわれています。ちなみに現地では、そのままの味わいを楽しむ他に梅酒の要領でハーブやコーヒー豆を漬け込んだり、瓶ごと冷凍庫で冷やしたりして飲まれているのだそう。

カシャッサの種類

日本酒が「純米酒」「吟醸酒」「本醸造酒」に分けられるように、カシャッサにも以下の2種類の分類が存在します。

カシャッサ・インドゥストリアウ

「カシャッサ・インドゥストリアウ」は、大量生産を目的に作られているカシャッサです。機械で収穫されたサトウキビを化学培養酵母で発酵させ、ステンレス製連続式蒸留機で蒸留しているのが特徴となっています。

カシャッサ・アルティサナウ

芸術的なカシャッサを意味する「カシャッサ・アルティサナウ」。ビールでいう「クラフトビール」のような立ち位置のカシャッサです。手作業で収穫したサトウキビと米粉やトウモロコシから抽出した酵母を使用し、単式蒸留機で蒸留して造られているのが特徴となっています。

熟成樽が40種類以上存在するため、樽の個性を引き継いだ、幅広い味わいのカシャッサに仕上がるのだそう。

カシャッサの歴史

カシャッサが生まれたのは、1530年代頃のこと。ブラジル北東部の製糖工場で、サトウキビの絞り汁を煮詰める際に表面に生じる泡「カガッサ(Cagasa)」が自然発酵してお酒になっていたのを、黒人奴隷が偶然見つけて口にしたのが始まりだといわれています。

当時過酷な労働を強いられていた黒人奴隷たちにとって「カシャッサ」は貴重な活力源となり、みるみる内に普及。その後他の労働者らも飲むようになり、やがて大衆の間にも広がっていったのだそう。

金の発見をきっかけにカシャッサ市場はさらに拡大

1698年にブラジル南東部のミナス・ジェライス州で金が発見されたのをきっかけにゴールドラッシュが起こり世界中から人が押し寄せ、ブラジル経済の中心は北東部から南東部に移動。国内マーケットが形成され、カシャッサ市場も拡大したと言われています。

独立運動のスローガンにも使われた

1789年、ポルトガルの植民地であったブラジルでは独立運動が勃発。運動は失敗に終わりましたが、この時に掲げられた「独立の乾杯はポルトガルワインではなく、我々のカシャッサだ」というスローガンは、国民たちの心を掴み、カシャッサがさらに民衆の間に浸透するきっかけになったのだそう。

ラムとカシャッサの違いは?

同じサトウキビを原料に作られている「カシャッサ」と「ラム」。2つには以下の類似点や違いがあります。

アグリコールラムとカシャッサはほぼ同じ製法で作られている

ラムには、糖蜜を原料にした「トラディショナルラム」、サトウキビの絞り汁を原料にした「アグリコールラム」、サトウキビの絞り汁をシロップにしたものを原料にした「ハイテストモラセスラム」の3種類の製法が存在しますが、実はカシャッサはその内の「アグリコールラム」と同じ製法で造られています。

カシャッサは法律でブラジル産サトウキビの使用を義務づけられていたり、カシャッサとラムでは使用する酵母が違っていたりと細かな違いはありますが、おおまかな作り方はほぼ一緒といえるのだそう。

歴史的背景にも類似点が多い

原料や作り方に類似点が多い「ラム」と「カシャッサ」ですが、歴史的背景にも違いと類似点が存在します。

ラムが誕生したのは16世紀のこと。当時砂糖作りが盛んであったカリブ海諸島で、砂糖作りの際にできた副産物である「糖蜜」を発酵・蒸留することでラムが誕生しました。そのラムは奴隷たちのエネルギー補給として使われていました。

カシャッサの発祥は前述の通り。誕生した場所こそは違いますが、どちらも砂糖と黒人奴隷の歴史が深く関わって生まれたお酒となっています。

近年は世界進出が盛んに行われている

カシャッサはブラジル国内消費が9割以上のお酒となっていますが、近年は世界進出が盛んに行われています。

世界的なコンペティションや品評会などでも多くのブランドが賞を受賞。

日本国内でも日本カシャッサ協会によってカシャッサを広めるイベントが次々と開催されているため、今後さらに身近な存在になるかもしれません。

初心者にもおすすめのカサッシャ9選

カシャーサ51

サントリー カシャーサ 51 [ リキュール 1000ml ]
画像:amazon.co.jp

サンパウロ州のピラスヌンガで生産されているブラジルで最もポピュラーなブランド。クセがなくスッキリとした味わいで、カイピリーニャはもちろん、カクテルのベースと最適なカシャッサで、ライムをしっかりと絞ったトニック割りもオススメです。


ベーリョ バヘイロ ホファ

【ブラジルの人気ラム】ベーリョ バヘイロ [ ラム 1000ml ]
画像:amazon.co.jp

カシャーサ51と同じくブラジル国内で人気のあるブランド。サンパウロ州で生産され世界40カ国に輸出。ホファはジュキチバ・ホーザという樽で6ヶ月間休ませており、マイルドな口当たりで、コクのあるカイピリーニャが作れます。


イピオカ レゼルヴァ プラタ

[ヤシの葉巻きボトル] イピオカ カシャーサ レゼルヴァ プラタ 38度 700ml
画像:amazon.co.jp

ブラジル北部セアラ州産。170年以上の歴史がありブラジルで最も古いブランド。熟成のパイオニア的存在で国内最大の熟成庫を所有。このレゼルヴァ・プラタはカスタニェイラ(栗)の樽で6ヶ月間熟成。独特でスムースなフレーバーは柑橘系フルーツとの相性も抜群。ボトルはカルナウバというヤシの藁で巻かれています。


カシャーサ ダ キンタ ブランカ

【伝説の”アルテザナウ”カシャーサ】カシャーサ ダ キンタ ブランカ
画像:amazon.co.jp

蒸留所はリオ・デ・ジャネイロ市内からは車で約6時間。伝統的な製法で生産されるカシャッサ・アルティザナウ。サトウキビの栽培は山岳地帯の標高200mの谷あいにあるファゼンダ(農場)で厳しい品質管理の下で造られている。ブランカはサトウキビの風味が感じられ繊細でスムースな味わい、フルーティな余韻が特徴です。


セレッタ

カシャッサのメッカと言われるミナス・ジェライス州サリーナス産。カシャッサ・アルティザナウの中で最も消費量が多く、ウンブラーナの樽で2年間熟成。ストレートはもちろん、風味豊かなカイピリーニャ、レモンを絞ったソーダ割りなど、カクテルのベースとしてもオススメです。


ウェーバーハウス カネラ ササフラス

ウェーバーハウス カネラ ササフラス (1年熟成) カシャーサ 正規品 38度 700ml
画像:amazon.co.jp

生産はブラジル最南部の州リオ・グランデ・ド・スル。熟成庫に7種類の樽を保有。圧倒的なこだわりを持ったブランドです。こちらは強い香木として知られているササフラスという樽で1年間熟成。ペパーミント系のスーッとした爽やかな香り、チェリーやシナモンなど、1年熟成とは思えないアロマとフレーバーが感じられます。


ファゼンダ ソレダージ バルサモ

FAZENDA SOLEDADE ファゼンダソレダージ カシャーサ バウサモ 750ml
画像:amazon.co.jp

リオ・デ・ジャネイロ産。異なる様々な地域のサトウキビを厳選、使用する水は標高1200mの水源から湧き出す天然水で、自然の浄水力で余分なミネラル除去されています。ブラジル産バルサモ樽の特徴であるドライフラワーのような香り、アニスやクローブなどのスパイスが感じられるエキゾチックな味わいが特徴です。


カシャッサ ダ カスタネイラス アンブラーナ

ミナス・ジェライス産。ブランド名は「栗の木の農場」の意。標高1400メートルの自社畑で育つ糖度の高い優れた品種のサトウキビは1本1本厳選しながら人の手で刈り取られ最終工程までハンドメイドで生産されています。ブラジルで人気の樽「アンブラーナ」で1年間熟成。桜餅のような香り、まろやかでフルーティな甘み、程よいスパイス感が特徴。


カプカーナ

カプカーナは「サトウキビの家」を意。地質データやGPSを活用し栽培管理をしたサンパウロ州産の上質なさとうきびを9種類使用。バーボン樽で3年熟成後にアイラモルトの樽でフィニッシュ。バニラや蜂蜜のような甘味にフルーティーさ、程よくスモーキーで、生姜やシナモンなどのスパイスなどが感じられます。


カシャッサを使った定番カクテル3選

カイピリーニャ

ライム、砂糖、カシャッサで作られるシンプルなブラジルの国民的なカクテル。甘酸っぱいテイストは気分が高揚し、楽しく前向きな気分に。ブラジルではバーやレストラン、ビーチなど至るところで楽しまれています。ご自宅でも簡単に作れて食中酒としても楽しめます。

バチーダ

カイピリーニャと並んでブラジルでポピュラーのカクテルがこちら。「バチーダ(Batida)=混ぜ合わせる」。カシャッサをペースに主にフレッシュフルーツ、コンデンスミルクで作られる甘くトロピカルなカクテルです。

ケンタォン

ポルトガル語で”熱い”を意味する「ケンタォン」。寒い時期やフェスタ・ジュニーナ(6月祭)というお祭りで親しまれているホットドリンクです。レシピはカシャッサに生姜、シナモン、クローブ、砂糖など。お好みでオレンジピールなどを加えても楽しめます。

まとめ

今回は世界で2~3番目の消費量を誇る蒸留酒「カシャッサ」の概要や歴史などについてご紹介しました。ブラジルの国民酒として知られているカシャッサ。ブラジル産のサトウキビを使用した蒸留酒で、サトウキビ由来の甘味とコクを楽しめるのが特徴となっています。

近年は世界的なコンペティションや品評会など出品されるなど、海外進出が積極的に行われているため、近い将来日本でもさらに身近な存在になるかもしれません。

まだ飲んだことがない方はぜひ味わってみてはいかがでしょうか?

【監修】日本カシャッサ協会

日本におけるカシャッサの普及を目指し、消費者とカシャッサを繋ぐ様々な活動により、カシャッサの市場作りを目的に2016年12月25日に設立。セミナーや試飲会、ポップアップ企画、各種イベントなどカシャッサを多角的に表現し、消費者とカシャッサを繋ぐ様々な活動に取り込んでいる。

日本カシャッサ協会 -Cachaca Japan Association -
東京都世田谷区池尻2-34-16 BAR Julep内
HP:http://cachaca-japan.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/cachacajapan/

情報提供元: nomooo
記事名:「 ブラジルの国民酒「カシャッサ」とは?特徴やラムとの違いについて解説!