- 週間ランキング
クリスマスのイルミネーションが華やかに街を彩る季節となりました。
先日、アイリッシュウイスキー老舗ブランド「EGAN'S(イーガンズ)」より、ブランド設立170周年を記念し、170本日本限定で20年熟成シングルモルトウイスキーが発売されました。価格は22万円(税込)と、奮発して高級ウイスキーを購入してみたいと思っても、尻込みしてしまいますよね。
そんなあなたに今回ご紹介するのは、伝統ある「EGAN'S(イーガンズ)」より発売している、商品の中でも比較的リーズナブルな価格帯の厳選4種。今年も1年頑張った自分へのご褒美に、そして大切な方へ感謝を伝えるプレゼントとしていかがでしょうか?
一度はその歴史に幕を閉じた“幻のアイリッシュ・ウイスキー” 不死鳥の如く2013年、45年ぶりに復活。
「EGAN'S(イーガンズ)」は、アイルランド中心の町タラモアで 1852 年創業の老舗ウイスキーブランドです。ボトラーズ及びブレンダーとして幅広く事業を行い、当時の高級ウイスキーの 代名詞でした。時代の流れの中で一度はその歴史に幕を閉じましたが、2013 年に イーガンズ 6 代目により完全復活。国際的なスピリッツのコンペ ティションでも多くの賞に輝く高級ウイスキーとして、注目を集めています。
大麦麦芽だけでは表現できない重層感のある味わいと香りや、アイリッシュ・ウイスキーの特徴でもある「飲みやすさ」と、「芳醇な香り」を感じます。優れた原酒を見極める審美眼、卓越したブレンド技術と最も適切なカスクの選択といった、ウイスキー作りにおける全ての技術の集大成が、奥深い味と香りを生み出しています。
アメリカン・オーク樽で8年以上熟成させ、*グレートノーザンの グレーンウイスキーを使用した、シングルグレーン・ウイスキー。シングルグレーンならではのスッキリとした軽やかさが特徴で、各種カクテルとの相性も抜群です。「これ程やわらかなアロマを持つウイスキーを私は知らない」とウイスキー評論家ジムマーレイを唸らせたほどの味わいです。
*グレートノーザン:クーリー蒸留所を創業したジョン・ティーリングによって、2015年に立ち上げられた蒸留所
重厚なフルボディタイプのシングルモルト・ウイスキー。イーガンズ社が会社を立ち上げて、初めてのシングルモルトです。
アイリッシュウイスキーの熟成にはあまり使用されない極甘シェリーのペドロ・ヒメネス樽を使用をするという大胆な試み。そしてかつてシェリー酒の輸入も手掛けていたイーガン家の歴史にオマージュを捧げたとのこと。
完成度の高い優れたシングルモルトを熟成させることで、リッチで芳醇なシェリーの影響が色濃いのが特徴です。
作り手の努力「Endevour(努力)」を感じる新商品です。大麦麦芽(モルト)のみを原料に、三回蒸留というアイリッシュの伝統を基軸にしながらも精麦の際にピート(泥炭)を焚き、4種の樽で原種を熟成させています。
アイリッシュ・ウイスキーの起源に立ち戻ると同時に最新の手法を取り入れ、伝統的な枠にとどまらないチャレンジングな銘柄です。
2021年発売。「Conviction(信念)」という、イーガンズのウイスキー造りの「意思表明」を冠している銘柄。10年以上熟成したシングルモルト原酒と、シングルグレーン原酒をブレンドしたブレンデット・アイリッシュウイスキーです。
さらに10年以上熟成に使用されたフレンチ・リムーザンオークのXOコニャック古樽で後熟させて仕上げることで、より重層的でアロマティックな味わいとなっています。
ウイスキー評論家 ⼟屋守さんに、それぞれの味わいと相性の良い食事について伺いました。
ウイスキー評論家 ⼟屋守さん
ウイスキー評論家、ジャーナリスト。取材で訪れたスコットランドで初めてスコッチウイスキーのシングル・モルトと出会う。1998年には、ハイランド・ディスティラーズ社より「世界のウイスキーライター5人」として選ばれる。
一般的なウイスキーと異なり、アルコール度数46%でボトリングし、ノンチルフィルター・ノンカラーでバニラや穀物風味のファッジ・非常にキャラメルを思わせるこっくりした甘い香りです。
魅惑的な食欲をそそるような香りが、ハイボールなどにしたら食前酒にしても相性抜群な見事なバランスのお酒。実際に飲んでみると、非常にスイートでクリーミー。上品な和三盆のような、風味を感じるウイスキーです。
食事とあわせるのであれば、少量の加水をして和食とのペアリング。冬の季節にぴったりな和食で温かい少しコッテリとした食事が相性が良さそうですね。
ソイ・クエの煮付けやあん肝、白子、などと一緒に召し上がるのは面白いのではないでしょうか。
コクのあるシェリー、ハチミツ、レーズンなどを思わせる香りに、*マジパンのようなニュアンスの香りですね。時間の経過とともに、南スペインの夏の暑い日に土壌に照りつけるアンダルシアの太陽を思わせるスペインの風を感じます。
*マジパン:砂糖とアーモンドを挽いて練りあわせた洋菓子
シェリーの影響が色こい味わいで、様々な凝縮したフルーツの風味。香りと味わいのギャップがとても面白い、デザートウイスキーとしてオススメできるウイスキーです。
ピートを効かせたモルト(大麦麦芽)のみを原料に使用し、4種類の樽で原酒を熟成しています。
アメリカン・オーク新樽:樽由来のバニラやシナモンの風味に加え、フルーティな香り
オロロシェリー樽:シェリーの香りと、赤みの強い美しい琥珀色
インペリアル・スタウト樽:コーヒーのやチョコレート、バタースコッチのような焙煎された香ばしい風味
バーボン樽:バニラやハチミツのような芳醇な香りとまろやかさ
バニラのような甘い香りをベースに、ベリー・ドライフルーツ、アールグレイのような東洋的な懐かしい香りです。味わいは、クリスマスケーキのような上品な味わいの中で、かすかなスモーキーフレーバー(ピート香)がほのかに感じ、オークやクルミのような風味。
時間の経過とともに、タンニンとピート香の余韻が長く続き、ブラックペッパーのようなスパイシーさがピリッと光ります。
パンにバターを塗り、スモークサーモンを乗せて食べたくなるような。そんな味わいですね。
第一印象の香りはとてもディープでフローラルな穀物、ハチミツ、ドライアプリコットなどを思わせる香りの中から、ジンジャーのような印象ですね。そして、レモンピールからジンジャーに移り変わり、スミレのような花の薫りを後から感じ最後に穏やかな余韻が長く続きます。
このスミレの花の薫りが、チーズ(ミモレットなど)とても相性が良いのではないでしょうか。飲んだ時に、どんな食事と合うか考えながらトライする事も面白いので、ぜひみなさんも楽しんでみてください。