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いまダイソーの電気小物コーナーでは300円モバイルバッテリーが並んでいますね。ガールズトレンド研究所とのコラボ商品として販売されていたモデルがベースのようで、デザインが異なる以外はほとんど同じに見えます。
それでも中身は違うかも? というわけで検証してみたところ……ちょっと変化している点があるようですね。果たして買いか待ちか? 300円なんで軽い気持ちで買って軽い気持ちで使えばいいとも思いますが、値段のわりに良いモノか否かは気になりますよね!(編集部)
検証:ハンダマスターかしま
バッテリーに 5.0V/0.5A の負荷をかけ続け、終止電圧(バッテリー充電1回分の寿命となる目安の電圧、モバイルバッテリーの場合は4.5V)に下がるまでの時間を計測。1回の充電でもっとも長く使えるモバイルバッテリーの指標となる。
4.5V を下回るタイミングをチェック。保護切断時の負荷は1.35A。
電源が発するノイズを検証。充電時のリップル電圧をリアルに測定するため、充電時と同じ 1.0A の抵抗負荷を与えた時のリップル電圧(ノイズ)をオシロスコープで計測した。ノイズが大きいと充電中の音楽再生に影響する可能性もある。
結論からいえば “緊急自体以外で買う必要はないモバイルバッテリー” だろう。
(本稿では便宜上、今回検証したモデルを新モデルと呼称)
今回検証したダイソーの300円モバイルバッテリーは、ガールズトレンド研究所とのコラボ品がベース。女性向けデザインだったものを一般向けのシンプルデザインにしただけのものかと思ったが、ICが AP5900B から HT4928S へ変更されるなど、単純なデザイン置き換え品というわけではないようだ(ロットによって違うだけの可能性もある)。そして結果として、性能が落ちており、さらに買う理由が見出だせないモデルとなってしまった。
まず1.0A負荷試験では公称出力1.0Aに対し、保護切断ラインは1.35Aで、なんとか公称値はクリアしている。しかし、実際のところ、4.5V降下時の負荷はなんと 0.91A。実質的には公称値の1.0Aを満たしていないと判断してもよいだろう。
そのため放電試験では10Ω(=0.5A)の軽い負荷に変更して計測した。終止電圧(4.5V)までの時間は114分42秒。他製品で実施している 2.0A放電試験に換算すれば、1/4の28分程度しかもたない計算だ。
実測容量は公称値2,000mAhに対して1,309mAh、誤差は −34.6%。かなり悪い数値といえる。パッケージの説明から判断すれば、どうやら推定1,440mAhのiPhone 5 を満充電できる程度の容量らしく、今回の実測値であっても公称値との極端なズレはないともいえるが……。なお、前モデルでは「iPhone 6sの約70%充電」できるという説明だった。
前モデルとは基板の回路が変更となっているようだが、回路性能は旧型のほうが良い。旧型も実測容量 −40%以下であったが、放電試験は 1.0A負荷だった(4.5V降下ラインは1.49A)。
まぁ、とにかく良いところがない(300円という価格は驚異的だが)。 0.5A出力は可能なので、ガラケーの充電用という認識のほうがよいのではないだろうか。もしくは、フタが簡単に開けられて分解が簡単なこともあり、やっぱり部品取り用か?
※本企画の検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、購入する際の一材料として参考にしていただければと思います。また分解等の検証は専門知識を持つ者が行なっております。真似しないようご注意ください。