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今年も新茶の季節がやってきました! 茶摘み歌に「夏も近づく八十八夜」とあるように、立春から八十八日目の5月初頭(5月2日)からが新茶のシーズンなんですね。
「普段はコーヒーや紅茶が中心で、日本茶はあんまり」という人も、ぜひ旬のうまみを味わってみてください。この時期のフレッシュな茶葉は、別格なおいしさがありますよ! 摘みたての日本茶が味わえるのは、日本に住んでいてこそ!
とはいえ、良いお茶が欲しいときにどこで入手すべきか、悩んでしまう方も多いと思います。そこで今回は、お茶好きの間では定番になっているお茶屋さんを紹介しましょう。各店ともさまざまな種類のお茶を扱っており、味については一概に言えないのですが、私見でざっくりと特徴を書かせてもらいますね。
まずは京都の「一保堂」。いわゆる宇治茶の名店で、創業は1717年(享保2年)。今年でちょうど300周年ということになりますね(京都のお茶屋さんには、さらに長い歴史を持つお店も珍しくないのが恐ろしいところ)。
一保堂のお茶は、どっしりと充実したうまみが特徴になっていると思います。「穏やかな香りとまろやかな味わい」な京銘茶に、さらに一味足したような、飲みごたえがあるお茶なんです。
京都の老舗だけあって煎茶・玉露から抹茶や番茶まで幅広く扱っており、どの分野でも高い評価を受けています。ほうじ茶やいり番茶などの番茶類のファンが多いのも、ここの特徴のひとつでしょう。
なお一保堂では、新茶は「宇治本場新茶」として、期間限定で販売されています。6月中旬までの販売ということですので、手に入れたい方はお急ぎを。
一保堂のお茶は、Amazonでも取り扱いがあり、新茶もしっかりラインナップ。こうした老舗のお茶屋さんでは、ちょっと珍しいかもしれません。
「うおがし銘茶」という名のとおり、東京・築地市場に本店を構えるお茶屋さん。製茶工場は静岡県にあり、静岡茶をブレンドして販売しているようです。銀座店で質問してみたときも、「基本的には静岡のお茶を扱っています」とのことでした。
こちらの特徴は「甘み」ではないでしょうか。お茶本来の渋み・苦味もありますが、トロっとした甘みが強く印象に残ります。わかりやすいおいしさで、日本茶をあまり飲まない人にこそ試していただきたいお茶屋さんなんです。
また不思議なことに、うおがし銘茶のお茶は「適当に煎れても失敗が少ない」とよく言われます。実際に飲んでいても、「渋すぎた」「苦味ばっかり……」といった経験は無いように思います。
うおがし銘茶は「深蒸し茶」のパイオニアだと言われています。ただし、一般的な深蒸し茶とはだいぶ違う仕上がりなんです。深蒸し茶というと水色が緑色になるものですが、うおがし銘茶のお茶は「きんいろ、きいろ」。むしろ伝統的な普通蒸しのお茶に近い見た目なんですよね。
<参考リンク>
・うおがし銘茶
お茶の産地として、最近特に強くなってきているのが九州。安くても京都や静岡に負けない、しっかりしたお茶が多いと言われます。全国茶品評会でも、上位には九州の産地が並んでいるんです。
そんな九州でも、特に有名な産地が福岡県の八女地方。この「星野製茶園」は、八女地方でも名高い茶どころである星野村の、(おそらく)最大手のお茶屋さんなんです。
ここのものは南国のお茶らしく、コクと甘みが感じられる力強い味わいがあります。煎茶のほか、玉露が主力製品になっており、昔ながらの製法(天然のわらで作った覆いを使う)で作られた伝統本玉露がウリ。そのせいか、煎茶でも玉露に近いほどのコクがあるように感じます。
一般的には京都や静岡ほど知られていないように思われますが、「旨くてコスパが良いお茶」となると九州産が鉄板。福岡・八女茶のほか、鹿児島・知覧茶もお茶好きには大人気ですよ。
<参考リンク>
・星野製茶園