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日ごろアマゾンでそれなりにコスパのよいモバイルバッテリーを調達している身からすると、コンビニで買うなんてムダ以外の何物でもない! なんて思いますよね。でも、けっこうラインナップが充実していて、買っている人も多い様子。緊急事態で買ってるのかな?
そんな気になるコンビニのモバイルバッテリー、もし緊急事態で買うとしても、それなりにイイモノを選びたいものです。今回はセブン-イレブンで買える5,000mAh薄型モデル『スマホ用リチウム充電池5000』(多摩電子工業)をガチ検証してみることにしました。
果たして結果は……!?(mitok編集部)
検証:ハンダマスターかしま
バッテリーに 5.0V/2.0A の負荷をかけ続け、終止電圧(バッテリー充電1回分の寿命となる目安の電圧、モバイルバッテリーの場合は4.5V)に下がるまでの時間を計測。1回の充電でもっとも長く使えるモバイルバッテリーの指標となる。
4.5V を下回るタイミングをチェック。保護切断時の負荷は2.61A。
電源が発するノイズを検証。充電時のリップル電圧をリアルに測定するため、充電時と同じ 2.0A の抵抗負荷を与えた時のリップル電圧(ノイズ)をオシロスコープで計測した。ノイズが大きいと充電中の音楽再生に影響する可能性もある。
結論からいえば “コスパが悪いので積極的には買いたくないモバイルバッテリー” だろう(ある意味、想定どおり)。
今回検証した『スマホ用リチウム充電池5000』はセブン-イレブンで購入したもので、同店でもっとも高容量のもの。価格は2,880円(税込)。アマゾンではおなじみの cheero や Anker の製品なら10,000mAhクラスが買える価格だ。
バッテリーはラミネートタイプでメーカーは不明。実測容量は公称5,000mAh に対して 4,386mAh、誤差は-12.3% でかなり変換効率のよい電源回路のようだ。容量面では損のないモバイルバッテリーだろう。しかし、コスパはかなり悪い。1Ahあたりの単価は 656.6円。ガチ検証シリーズでは 200〜300円/1Ah あたりのコスパの製品が多いため、かなり割高感がある。
最大供給電流は公称 1.8A に対し、破損対策となる過電流保護が動作する負荷は 2.61A で、公称値をクリアする結果となった(これは当然のことだが)。一方、mitok的基準で見ると出力性能はいまひとつ。4.5V降下ラインが 1.78A で、それ以降かなりノイズが強くなっている。なお、充電器属性が Apple 1.0A固定なので、short属性が必要な Android系スマホでは急速充電が開始されないこともあるかもしれない。
リップル電圧は 39.2mV であったが、波形が波状であまり素性はよろしくない。平滑コンデンサーの容量が不足しているようだ。充電性能の観点から見れば多少のノイズは気にしなくてよいが、充電しながらの音楽再生までを想定するならノイズは低いほうがよい。スイッチング周波数が 200KHz と低く、旧世代の電源制御IC が使用されていると考えられる。
性能自体は公表値どおりなので損をすることはないものの、やはりコスパ面では選びにくい製品だ。
※本企画の検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、購入する際の一材料として参考にしていただければと思います。また分解等の検証は専門知識を持つ者が行なっております。真似しないようご注意ください。