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20,000mAhクラスの超容量モバイルバッテリーをアマゾンで探すと、選択肢はあまりないのですが、人気モデルとしてプッシュされやすいのは『cheero Power Plus 3 Premium』。500件以上のレビューが付き、★評価は4.5。高く評価するコメントがたくさん投稿されています。
本製品、2015年の発売当時に一度検証しているのですが(好結果だった)、現行品は当初パナソニック製だったバッテリーセルがLG製にするなどの変更点も。
というわけで、使用部品の変更後も問題なく、ユーザー評価どおりの製品なのか? 気になるところなのでガチ検証してみましたよ!(mitok編集部)
検証:ハンダマスターかしま
バッテリーに 5.0V/2.0A の負荷をかけ続け、終止電圧(バッテリー充電1回分の寿命となる目安の電圧、モバイルバッテリーの場合は4.5V)に下がるまでの時間を計測。1回の充電でもっとも長く使えるモバイルバッテリーの指標となる。参考グラフは旧モデルのもの。
4.5V降下時の負荷、保護切断時の負荷をチェック。
2ポートに 2Aずつ(計4A)の負荷をかけた状態で残り 1ポートが 4.5V を下回るタイミングをチェック。保護切断時の負荷は 4A + 3.72A = 7.72A。
電源が発するノイズを検証。充電時のリップル電圧をリアルに測定するため、充電時と同じ 2.0A の抵抗負荷を与えた時のリップル電圧(ノイズ)をオシロスコープで計測した。ノイズが大きいと充電中の音楽再生に影響する可能性もある。
結論からいえば “十分に使えるモバイルバッテリー” だろう。
今回検証した『cheero Power Plus 3 Premium』はメーカーから発表されているとおり、発売当初使用していたパナソニック製セルではなく LG製セルに変更されていた(リチウムイオンセルの世界的需要の高まりにより、パナ製の採用はコスト面で厳しい模様)。
実測容量は公称22,000mAh に対して 16,973mAh、誤差は-15.6% で標準ライン。最大供給電流は公称4.4A に対し、破損対策となる過電流保護が動作する負荷は 7.72A(旧モデルは 8.93A) で、公称値を大きくクリアする結果となった。
mitok的基準(4.5V降下時の負荷)で見ても、1ポート使用時は 5.75A(旧モデルは 6.49A)、ポート全体は 4.59A で公称値超えだった(旧モデルよりはやや劣る)。1ポートだけ使ったときの供給能力はかなり高い一方、ポート全体では 2.4A識別 × 3ポートの理想値が 7.2A なので、実測 4.59A は物足りない。3ポートで同時にタブレットなどを充電するのは控えたほうがよさそうだ。このように複数ポート同時使用時の最大電流が低くなってしまったのは奇妙な結果だが、電源基板の配線抵抗や部品配置による影響があるのではないだろうか。
電圧リップルを確認すると、スイッチングノイズが大きいように思える。以前に検証した Anker製モデルと比べると特にその傾向が強い。おそらく平滑コンデンサの容量差に起因するのではないだろうか(電圧リップルについては今後検証データを積み上げてから評価を行なっていきたい)。
なお、本製品は 1Ahあたりの単価が 234.5円で、かなりコスパのよいモバイルバッテリーといえる(ただし重い)。
※本企画の検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、購入する際の一材料として参考にしていただければと思います。また分解等の検証は専門知識を持つ者が行なっております。真似しないようご注意ください。