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電気小物もけっこう充実しているイケア(IKEA)。オリジナルのLED電球だって売ってます。しかも、家電ショップに並んでいる大手電気メーカー品と比べると、とんでもなく安い! ご存じでしたか?
LED電球というと、「長寿命で省電力、でも高い」という印象がありますよね。以前、ガチ検証した大手メーカー製LED電球、いわゆる40形相当のもので1個1,300円前後。長期で見ればお得とはわかってはいても、これを何個も買うことを考えると、痛い出費だなと思うわけです。
でも、イケアの『RYET LED電球』は……
もっとも光量の高い1,000lmタイプでも、大手メーカー製の40形相当よりはるかに安い! これはもうとりあえず買っておけというレベルですよ。
で、実際に使っていて問題はないようなのですが、やはり安かろうな面はあるかもしれないので、おなじみハンダマスターかしま氏にガチ検証してもらいました。
(以下、ガチ検証モード)
上記はイケア製LED電球『RYET』の検証結果だ。一応、参考までに過去に検証した大手電機メーカー製LED電球のデータも添えてある。このデータは400lmとほぼ同クラスだ。検証結果としては『RYET』に大きな問題はない。あえて気になる点は以下のとおり。
ただ、こうした点も、あまりの低価格に免じてという気になる。はじめてLED電球を買い求めるなら、このあたりから始めても十分だろう。トイレ用や風呂場用など長時間使うわけではない電球にお金をかけたくない人にもよさそうだ。
次ページ:イケア製『RYET LED電球』の検証詳細を知りたい方はどうぞ
電球から直下方向 1m の距離の明るさ(lx)を照度計で計測 (灯体の設計によって光りの広がり方が違うため、共通の一般的な位置で計測)。
100V部とLED部に電流計を接続し、電流値から消費電力と電源効率を算出。検証にはKEYSIGHT社製34461A 6.5桁デジタルマルチメータ(DMM)を使用。
LED部の電圧をオシロスコープに接続し、電圧変動(リプル)と交流成分の周波数を計測。
各部の作りやデキの良し悪しをハンダマスターの主観で検証。
Vf(順電圧、LEDの発光に必要な電圧)が24Vとかなり高電圧のLEDが使用されている。一般的な白色LEDの発光素子はVf 3V程度なので、1チップに8素子分内蔵していることになる(見た目は長方形状のチップが2つ)。
オシロスコープの波形を見ると、電源回路のリプルが6.59V/56KHzとかなり大きい。56KHzなので通常目には見えないが、同じLED電球がもうひとつ隣りで発光していると、チラつきが干渉して目に見えるようになることがある。
放熱部は耐熱プラスチックのガワのみ。ただ、普通のプラスチックより冷んやりとする感触があるので、放熱性能のある比熱の低い材質が使用されているのだろう。ちなみに、この耐熱のガワはハンダごての熱(約370℃)を当てても溶けはするものの、焦げない。
内部は円筒状のアルミ製ヒートシンクを圧入する形で組立られており、分解に相当てこずった。樹脂製の根元部分を細断解体(最終手段)せねばならず、もはや流血級のパッケージングである。バラして中の電源基板とLEDを流用……という人には向かない。申し訳ないが、根元部の写真はバラバラになったたため無い。
さて、 この電球は電源波形をオシロスコープで見ると、スイッチング周波数が38.2KHz程であった。38KHzというと赤外線リモコンのキャリア周波数に近いので、光学フィルタの甘い(LED電球の光波長にも反応するような)赤外線リモコンの場合は、通信に何らかの影響がある可能性があるかも知れない。 LED部は6直列の36Vちょっとでドライブしている。LEDチップは1000lmの製品とVf値が似ているのでこれと同じものではないかと思われる。
カタログ値によれば、60W相当クラスでは他社製品よりも20%ほど高いlm値を謳っている。内部は12直列のLEDを実測73.4VのDC電源でドライブしている。 放熱は耐熱プラスチックのガワに鋳造アルミ製のヒートシンクが埋め込まれた構造。重さは117.4gと重量級だ。 LED電球の検証では、明るさや消費電力ばかりが評価されがちだが、一般的な白熱電球の重量は30gほどであるということを忘れてはならない。
電球直下 1mの距離の明るさ
AC100Vでの消費電流(真の実効値)
上記の電流値×電圧(100V)
LED基板+−間の電圧
LED基板+−に流れる電流
LED供給電圧×LED実測電流
(実測電力DC÷実測電力AC)×100
LED1チップあたりの電圧、LED供給電圧÷LED個数。
LED供給電圧の変動値の最大・最小の差(幅)。小さいほど良い。
LED供給電圧の電圧変動の周波数。検出されないか、高いほど良い。
※本企画の検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、購入する際の一材料として参考にしていただければと思います。また分解等の検証は専門知識を持つ者が行なっております。真似しないようご注意ください。