ビール女子の皆さんは、小田原に“かまぼこを楽しむためのビール”があることをご存じですか。
小田原といえば、神奈川県の西部に位置し、相模湾を臨み、西に向かうと箱根山がある土地。古くから城下町、宿場町や港町として栄え、「小田原かまぼこ」でも有名です。

小田原かまぼこの老舗店『小田原鈴廣(以下、鈴廣)』が「かまぼこをよりおいしく食べられるように」とつくるクラフトビール。それが『箱根ビール』です。

鈴廣のかまぼこと箱根ビールのおいしい関係の秘密を探るべく『鈴廣かまぼこの里』へ行ってきました。



かまぼこ屋がつくる「かまぼこに合うビール」



鈴廣の創業は慶応元年。今でもかまぼこ職人が1本1本つくり、伝統の味を守り続けています。

かまぼこづくりには、きれいで良質な水が欠かせないそうです。鈴廣では箱根丹沢連山に降り注いだ雨や雪解け水が百年以上もの歳月をかけ、自然に濾過された伏流水「箱根百年水」を使っています。箱根百年水は鉄分を一切含まず、やや硬度が高く、ビールづくりにも最適。そこで、かまぼこをより楽しんでもらえるようにと箱根ビールづくりが始まったとのこと

敷地内には水舟が設置してあり、誰でも箱根百年水を楽しむことができます。箱根ビールを味わう前にひとくち飲んでみました。口当たりなめらかで、スルスルと喉を通るようなきれいな味わい。


かまぼこの繊細な味わいをこわさないように、スッキリとしつつ深い味わいを持つビールつくりを目指したそうです。

鉄道ファンならさらに楽しめる『えれんなごっそCAFE107』



手軽に箱根ビールとかまぼこを楽しめるお店『えれんなごっそCAFE107』にある赤い車体は「箱根登山鉄道 モハ1形107号」。なんと大正時代から走っていた車両で、2019年7月に引退した車両を譲り受けたもの。大勢の鉄道ファンが早朝から見守る中、この場所に設置されたそうです。


本物の線路の上に設置された車両の傍まで近づくことができ、車輪や散水装置のタンクなどをじっくりと観察することができます。


車内での飲食も可能です。伝統工芸の寄木細工をモチーフにしたシート柄やつり革など、随所に当時の様子を知ることができます。


提供される樽生ビールは、通年提供の『箱根ピルス』『小田原エール』と、季節ビールの合計3種類(300ml 各480円、500ml 各680円、税込)。季節のビールは、3月~5月『春めきペールエール』、6月~8月『足柄ヴァイツェン』、9月~11月『こゆるぎブラウン』、12月~2月『風祭スタウト』の4種類。ぜひ全種類制覇を目指したい!

107種類のかまぼこピンチョス



一番人気のフードは「かまぼこピンチョス(1セット3種類、500円、税込)」。その数、なんと107種類!日替わりで提供されるので、いつ行っても違う味を楽しめます。自宅でも真似しようとメニューボードを撮影する方も。


鈴廣がおすすめするかまぼこの厚さは「12mm」。かまぼこピンチョスは、12mmの厚さでスライスしたかまぼこの上に季節の素材をのせたもの。カラフルで見た目がかわいらしいおつまみです。

この日のピンチョスは「揚げ本しめじのアオサ海苔風味」、「人参のグラッセ」、「茄子の煮浸し」でした。小ぶりなので一口で食べることができます。ぷりっとした弾力のあるかまぼこ噛む度に食材の味わいが口の中に広がります。上にのせられている食材は揚げてあっても、かまぼこ自体に油分がないのでさっぱりと食べられます。

口の中にピンチョスの余韻があるうちに『箱根ピルス』を飲んでみます。炭酸は強過ぎず、口当たりは軽やか。麦の味わいを感じられ、程よい苦みが心地よいです。麦のコクがかまぼこのやさしい塩味や旨みを引き立ててくれるようです。ビールによってかまぼこがよりおいしく楽しめるというのは、こういうことか!と感激しました。


こちらの店舗では、瓶ビール(箱根ピルス、小田原エール、季節のビール)と、グラスなどのオリジナルグッズが販売されています。

ちょっとずつ試すなら「かまぼこバー」へ



えれんなごっそCAFE107と道路をはさんで向かい側にある「鈴なり市場」には、板かまぼこの食べ比べができる「かまぼこバー」があります。ここでも箱根ビール(箱根ピルス)とかまぼこのペアリングを楽しむことができます。


一番人気の「お試しセット(500円、税込)」は、「超特選蒲鉾 古今、特上蒲鉾、謹上蒲鉾」と飲み物(日本酒、箱根ビール、足柄茶、白ワインから一つ)がセットになっています。「超特選蒲鉾 古今」は、かまぼこ職人さんの技術の結晶で1本3,600円(税抜き)の高級品。その古今を試せるお得なセットとして人気があるそうです。

「ビールを飲む。かまぼこをかじる。その味わいの良さを確かめる。」を繰り返していると、あっという間に完食。違うセットでも試してみたいと思いつつ席を立ちました。


箱根ビールは地元の果物や野菜をつかったビールもつくっています。つかう素材の旬に合わせて醸造されるため、期間限定販売となります。この日は小田原産のバレンシアオレンジをつかった『バレンシアオレンジ(発泡酒)』が販売されていました。鈴なり市場では、通年のビール、季節のビールと一緒に限定ビールが購入できます。かまぼこと一緒に冷蔵配送ができるので、たくさん買っても安心です(別途、配送料500円が必要)。



鈴廣かまぼこのおいしさを引き立てるビールとしてつくられている「箱根ビール」。最強タッグの源は「箱根百年水」。その水は箱根丹沢連山に降り注いだ雨や雪解け水が百年以上もの歳月をかけ、自然に濾過されたもの。そして、箱根の山に人を運び続け、その役割を終えた車両でビールとかまぼこを味わう。そのひとときは感慨深いものがありました。

かまぼこ好きの方、ビール好きの方、電車好きの方におすすめしたい「えれんなごっそ CAFE 107」。車両を眺めながら、あるいは車両の中で。時間をかけて作り上げられた伝統の味わいを楽しんでください。



えれんなごっそ CAFE 107


〇住所:神奈川県小田原市風祭245
〇TEL:0465-23-7373
〇営業時間:10:00~17:00 (LO16:50)
〇定休日:1月1日
〇座席数:店内、テラス席合わせて46席。※車両内でも飲食可能
〇支払い形式:キャッシュオン
〇喫煙・禁煙:禁煙(敷地内の屋外に喫煙所あり)
〇お子様連れ:子供可、ベビーカー入店可
〇鈴廣かまぼこの里公式サイト:http://www.kamaboko.com/sato/shisetsu/
〇箱根ビール公式サイト:http://www.hakone-beer.com/





情報提供元: ビール女子
記事名:「 かまぼことビールのおいしい関係。箱根登山鉄道引退車両で伝統の味を。