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「HDRI」は、主にCG(コンピュータグラフィックス)の制作やゲーム開発で使用される用語です。「High Dynamic Range Image(ハイ・ダイナミック・レンジ・イメージ)」の略で、直訳すると「高ダイナミックレンジ画像」となります。
「HDRI」は、通常の画像ではキャプチャできない広範囲な輝度差や明るさの情報を含むため、非常に臨場感の高い画像です。
画像の撮影や処理技術までを意味合いとして含む場合もあります。
「HDRI」は、光の挙動や視覚効果を向上させるためにグラフィック作成で活用されています。
照明を正確に描画できるため、ゲーム内の光源や影をリアルに再現します。
陰影の柔らかさやハイライトの輝きなどが向上し、プレイヤーの没入感向上にも効果があります。
異なる露光条件で同じシーンを撮影し、その情報を組み合わせて広い輝度範囲をカバーできるように作成します。
フリー画像として素材を配布しているサイトもあるので、そちらを組み合わせて自作することも可能です。
「Image Based Lighting(IBL)」は「HDRI」を用いてレンダリングを行う技法です。
「HDRI」に含まれる現実の光情報を素材として利用し、リアルな照明を3Dグラフィックで再現します。
「IBL」はゲーム開発とも関係が深いため、「IBL」におけるグラフィック作成手順やポイントを下記で解説します。
マップの取得:実際の場所やCGアーティストが作成した「HDRI」を用意します。全方向から撮影された高ダイナミックレンジ画像です。
マップの反映:3Dモデルの表面や背景に環境マップを反映させます。これにより、モデルはその環境に実際に存在しているかのようにリアルになります。
照明のシミュレーション:環境マップから得られた情報を使用し、モデルに対する照明をシミュレートします。モデルは周囲の環境の光源から影響を受け、リアルな陰影やハイライトが表現されます。
「HDRI 」ファイルは通常、「.hdr
(High Dynamic Range)」や「.exr
(OpenEXR)」のような拡張子を持ちます。
これらのファイル形式はサイズが大きくなりますが、広い輝度範囲をサポートし、リアルな環境の光を捉えるのに適しています。
ゲーム開発エンジンにおいて、「HDRI」は「 Image Based Lighting(IBL)」や環境マッピングで使用されます。
代表的なゲームエンジンでの活用方法について解説します。
Unityには、「Look Dev HDRI View」機能というものがあります。
「HDRI」を利用してシーンをプレビューし、リアルな照明や影の効果を確認できます。シーンの外観を検討する上で非常に役立つ機能です。
具体的な手順や設定については、下記の公式ドキュメントを参照することをお勧めします。
Unreal Engineでは、「HDRI Backdrop」機能を使用すると、プロジェクト内で「HDRI」を利用してリアルな照明効果のある背景を設定できます。
また、この機能を使用することで、シーン内のキャラクターやオブジェクトが「HDRI」で表現された環境に適切に反映されます。「HDRI」は、リアルな環境や照明の再現において重要な役割を果たすため、多くのゲームや3Dプロジェクトで広く使用されています。