深川麻衣主演の映画『嗤う蟲』が現在全国公開中だ。本作は『ビリーバーズ』(22)の城定秀夫監督、『ミスミソウ』(18)の内藤瑛亮の脚本による、ムラ社会のダークサイドをえぐるヴィレッジ≪狂宴≫スリラー。若葉竜也演じる夫と“村の掟”に直面する、杏奈役を演じた深川に話を聞いた。



ーー今回の主演作『嗤う蟲』ですが、出演が決まった時はいかがでしたか。


このような題材の作品にこれまでチャレンジしたことがなかったので、今回スリラーというジャンルに映画で挑戦出来たことと、城定監督とも一度ご一緒したかったので、出演が決まった時はとてもうれしかったです。


ーーその初挑戦となったスリラーはいかがでしたか。


ヴィレッジスリラーという枠組みではあるのですが、城定監督と脚本の内藤さんが見た方にリアリティを感じてもらえるよう、バランスを探りながら作っていった作品なんです。クライマックスまでありそうでない、見たことがあるようで見たことがないテイストになっていると思います。また、ムラが題材の邦画はたくさんあったと思いますが、ラストの着眼点は脚本を初めて読んだときもとても新鮮に感じました。



ーー田舎暮らしにあこがれている杏奈という役の印象はいかがでしたか。


杏奈には共感できるというか、等身大の女性だなと思いました。年齢も同じくらいですし、わたしも一時期イラストレーターになりたいと思っていたことがあったので。東京を離れて村に来てもリモートで好きなことを仕事にしていて、こだわりや芯の強さがある女性だなとも感じました。輝道(若葉竜也)とは普通の夫婦ではあるけれども、そういう面はブレずに持って演じていたいなと思いました。


ーー苦労したことは何ですか。


前半は特に自分たちが仕掛けることはなく、どんどん巻き込まれていく側なので、新鮮なリアクションを取れるように意識していました。


それと実体験として子どもを持ったことがないので、出産したばかりの子どもがいる状況で他人に干渉された時、どれくらい過敏になるのかは、周りの子供を持つお友だちに話を聞いたり想城定監督に相談しながら、想像を膨らませていきました。旦那さんとの関係が壊れかけているなかで、命にかえても守りたいと思う存在を守りぬく母親としての強さを大切に表現したいと思いました。



ーー輝道役の若葉さんと夫婦役を演じる上で何を大切にしましたか。


「村人の皆さんの個性が強い分、自分達はナチュラルに演じていったほうがいいね」と話していました。言い回しも見ている方にとって日常をより感じてもらえるような表現を大事にしました。若葉くんのセリフで「電子タバコ」が「IQOS(アイコス)」に変わったり、監督と相談しながら作っていきました。



ーー田口トモロヲさんや杉田かおるさんなど、村人役の方々が怖かったですね。役として直面した感想はいかがでしたか。


おふたりが揃うシーンでは、独特の怖さがありますよね。あの村で絶対的に信頼されていて、権力もあるだろうことがすぐに分かる。よしこ(杉田)さんはよかれと思ってやっているので、見方を変えたらとてもお世話を焼いてくれるような方なのですが、杏奈にとっては笑顔の裏に何か隠されているように思える。グイグイつめよられる感じがとても怖かったのですが、お芝居をご一緒していてとても楽しかったです。


トモロヲさんのセリフの言い回しも「こういう言い方があるのか」という発見がたくさんあり、とても刺激を受けました。自分がもし田久保を演じるとなったら性別は違いますが、わたしにはあの引き出しはなくて。そういうパワフルなものがトモロヲさんからいっぱい飛び出して来て緊迫感があるシーンが多かったですが、楽しかったです。


ーーちなみに城定監督とは、なぜご一緒したかったのでしょうか。


いろいろな作風の作品を撮られているので、幅が広いですよね。以前、城定監督が登壇する舞台挨拶と上映作品を観に行った時にごあいさつをさせていただいたことがありました。城定さんの作品にいつか関わりたいと思っていたので、今回こういうジャンルの作品でご一緒出来ることもうれしかったです。



ーー最後になりますが、今回の作品に参加してよかったと思うことは何でしょうか。


お話をいただいて、役を演じることができるという意味ではこのお仕事は受け身なので、タイミングやご縁の部分も大きいと思うんです。今回チャレンジする機会をいただけて、こうしてとても恵まれた現場で、初めてのスリラーに挑戦出来て、とても刺激を受けました。すごくいい経験をさせていただきました。


(C) 2024映画「嗤う蟲」製作委員会


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