MLBレギュラーシーズンが終わったばかりだというのに、早々にイチロー外野手(41)のマーリンズ残留が決定した。契約は1年だが、17年の選択権は球団が持ち、権利を行使しなかった場合には、50万ドル(約6000万円)がイチローに支払われる。

 基本年俸は今季と同じ200万ドル(約2億4000万円)。今季、自己最低打率となる.229、1本塁打21打点11盗塁と、MLB移籍後、ワーストのシーズンとなっただけに、年俸が現状維持となっただけでも御の字だ。

 気になるのは出来高の中身であるが、成績が悪かったにもかかわらず、今季より好条件だというのだ。今季の出来高は、300打席到達で40万ドル(約4800万円)が支払われ、さらに50打席到達ごとに40万ドルずつが追加。設定されていたのは600打席までで、最大280万ドル(約3億3700万円)が得られる内容だった。

 今季、予想を覆して、ヤンキースに在籍した昨季を超える438打席に立ったイチローは、120万ドル(約1億4400万円)の出来高をゲット。ボーナスを含めたトータルの年俸は320万ドル(約3億8500万円)となった。

 来季も打席数で出来高が付くが、250打席、300打席に到達した場合、それぞれ30万ドル(約3600万円)が支払われる。その後は、50打席ごとに40万ドルが得られる。設定は600打席までで、最大で300万ドル(約3億6100万円)となる。来季、今季と同等の打席数だった場合、支払われる出来高は140万ドル(約1億6800万円)で、今季のそれを上回る。

 “4番手外野手”というイチローの立場を考えると、出来高が付くハードルが300打席から250打席に低くなった点は大きく、今季より好条件だ。

 成績は自己ワーストとなったが、球団はイチローの守備、走塁、若手選手への好影響や、故障が少ない点を評価しており、事実上、年俸アップに等しい。ましてや、来季も今季同様のプレーができれば、17年もプレーできる可能性が出てくるわけで、イチローがマーリンズの提示に飛びついたのは当然のこと。

 イチローはMLB通算3000安打まで、あと65本と迫っているが、球団は全面バックアップする姿勢。レギュラー外野手に故障者が出なかった際は、休養を与えるなどして、イチローに出場機会を与えるものとみられる。

 大記録達成を目前にしているイチローにとって、球団の支援はありがたいかぎり。“控え”との立場ではあるが、心置きなく来季もプレーできそうだ。※為替は現在の相場

(落合一郎)

【記事提供:リアルライブ】
情報提供元: リアルライブ