お墓を購入するのは簡単なことではありません。資金的には、やはり多額の費用が必要になってきます。

 その購入の必要に迫られたものの、手持ちの資金では足りない場合はどうしたらいいのか? 意外な気もしますが、実は墓の購入にあたって、ローンを利用することができるのです。これを、いわゆる「建墓ローン」と呼んでいます。これは、主に石材店や民営の霊園が信販会社などと提携したものになります。

 近年、生前に墓を建てる人も増えてきたため、ローンで購入する方も少なくありません。ローンが組める範囲ですが、永代使用料を含めた総額でローンが組める石材店などもあるようですが、まずは土地を手持ちの資金で購入し、墓石の工事に関わる一式の費用をローンにするのが一般的なようです。

 建墓ローンは、一般的なローンより金利も低く、年率2.9%程度(情勢により変化あり)で、10年といった長期返済も可能で、ボーナス併用払いもあるため、購入者の予算に合った形でローンを組むことができます。

 そこで、気になる点が一つ。墓の購入者は、やはり中高年以上であるケースが多く、ローン支払い中に死亡、あるいは高度障害になって支払いが困難になる可能性もあります。神奈川県下の某石材店によれば、「その場合、基本的は墓の承継者が支払い義務を負うことになります。ただ、住宅ローンにもあるようですが、『団体信用生命保険(以下、団信)』といったものがあります。団信に加入していれば、ローンの返済途中に、死亡、あるいは高度障害になって支払い困難になった場合、本人に代わって、生命保険会社が残高を支払ってくれる制度です。万が一の際、承継者に負担を掛けるよりは、団信に加入しておいた方が無難です」と話す。

 墓の購入にかかる費用は、霊園や場所などによって、ピンキリですが、総額は決して安いものではありません。手持ち資金に余裕がない方は、妥協をして、予算に見合った墓を購入するのも、ひとつの手ですが、建墓ローンを利用して、気に入った霊園や墓石で建立する選択肢もあるようです。

(山本 生道)

【記事提供:リアルライブ】
情報提供元: リアルライブ