紀藤正樹氏、桜井よしこ氏の南京大虐殺「なかった」発言を批判「優秀な櫻井さんの言説は残念」
弁護士の紀藤正樹氏が22日までにX(旧ツイッター)を更新。ジャーナリストの桜井よしこ氏が、産経新聞のコラムで「『南京大虐殺』はわが国の研究者らによってなかったことが証明済みだ」などと主張したことについて、南京事件研究の第一人者が「真っ当な研究者で南京事件そのものがなかったと主張している人はいません」と語っていることを取り上げた記事を引用した上で「あの優秀な櫻井さんの言説は残念」と、批判した。
南京事件についての政府見解は「南京事件」と表記して「日本政府としては、日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています。しかしながら、被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難であると考えています」というもので、南京事件を「否定できない」としている。
また、2006年に安倍晋三首相(当時)が訪中した際に日中首脳会談で立ち上げを決めた日中有識者各10人の計20人による歴史共同研究でも南京事件は「南京虐殺事件」と表記され「日本軍による捕虜、敗残兵、便衣兵、及び一部の市民に対して集団的、個別的な虐殺事件が発生し、強姦、略奪や放火も頻発した。日本軍による虐殺行為の犠牲者数は、極東国際軍事裁判における判決では20万人以上(松井司令官に対する判決文では10万人以上)、1947年の南京戦犯裁判軍事法廷では30万人以上とされ、中国の見解は後者の判決に依拠している。一方、日本側の研究では20万人を上限として、4万人、2万人など様々な推計がなされている。このように犠牲者数に諸説がある背景には、「虐殺」(不法殺害)の定義、対象とする地域・期間、埋葬記録、人口統計など資料に対する検証の相違が存在している」と説明されている。