「マイナスはしまって、プラスしか言わない」3代にわたり継承される秋川家の生き方
テノール歌手秋川雅史(57)が19日、都内で、初書籍「子育てこそ最高の生きがい 私の考える教育」(中村堂)出版記念イベントに出席した。
秋川の人生哲学は「ポジティブ」だ。「幸せかどうは、そう思える力があるかどうか」だという。
初出版となった同作を読んだ秋川の父親が、「何かの参考になれば」と思い出話をしてくれた。秋川の祖父は大連で生まれ。満州鉄道に勤務したエリートだったが、「敗戦で紙幣は紙くずとなり、帰国するのに2年かかった。帰国しても公民館の1階で寝泊まりしていて貧乏暮らしだった。そんな中で男3人を大学に行かせた。教育に力を入れていた」と聞かされた。
自らも大学に進学。「大学に行かせてくれたから、そこそこの家庭に生まれたと思っていた」という。「苦労話を一切しなかった。秋川家の血筋かな…。マイナスはしまって、プラスしか言わない」。
自身も「家庭で仕事の悩みは一切話したことがない」という。「いろいろ戦ってきたけど、家族は一切知らない。だから、何の悩みなくきたと思っているかもしれない」と笑った。だが、「これは秋川家の生き方ですね」としみじみと語った。