大間岬でポーズを決める真田ナオキ

演歌歌手真田ナオキ(35)が14日、師匠・吉幾三の故郷・青森県の漁師町「大間町」の夏祭りに参加して歌謡ショーを行った。現地で取材に応じ、ファンへの感謝の思い、NHK紅白歌合戦初出場にかける意気込みなどを語った。【取材・構成=松本久】

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-吉さんは青森県の五所川原出身です

真田 師匠のご縁で、青森県では毎年、平均すると2、3回イベントなどに呼んでいただいてます。

-大間町といえば「マグロの一本釣り」で知られますが、真田さんが“一本釣り”をしたいことは何ですか

真田 それはもちろん、NHK紅白歌合戦の初出場と日本レコード大賞の出演です。年末に家にいるっていうのはすごく寂しい。今年は家の外で歌っていられるようにしたい。特に昨年は(新浜)レオン君が紅白に初出場しました。「一緒に出たかった」という気持ちがすごく強かったですね。

-親友でありライバルとして「新浜レオン」と「辰巳ゆうと」の名前をよくあげています。そのレオンさんが出たからこそ、「今年こそは自分が」との思いが強いのでしょうか?

真田 そうですね。「出たい」との思いがより一層強まりましたし、目指していれば届くんだというのも、レオン君に見せてもらった。希望になります。昨年以上に「今年こそ」という気持ちが強いです。

-今年は歌手デビュー10周年でメジャーデビュー5周年のダブル周年イヤー。さらに年男(み年)という節目。今年にかける思いは強いですか?

真田 はい。やっぱり特別な1年ですし、さらに特別にしたいという思いもあります。そして何よりも、自分のためというよりは、今まで支えてくれたファンの皆さんに感謝を伝える1年だと思っているので、感謝の思いを例年以上に持ちながら歌っていけたらいいなと思っています。

-今年も8月半ば。残りは4カ月半です

真田 ここまで本当にあっという間でした。後半は前半以上に盛り上がっていけるように心がけて、グッと気も引き締めていきたいと思っています

-4月に発売した新曲「Nina」が好調です。吉が作詞作曲し、オリコンの演歌・歌謡曲ランキングで6作連続1位。CD販売数も4万を超えて5万枚に迫る勢いです。手応えを感じていますか

真田 本当にたくさんの方に応援をしていただいていて、また“吉メロディー”のどこか耳に残るキャッチーな感じもすごく良い。手応えはあります。

-曲の中に「ニーナ」というワードが14回出てきます。シチュエーションごとに言葉のニュアンスを変えて、異なる感情を込めて歌っているとか

真田 恋人への未練を歌っている歌です。朝起きて呼ぶ「ニーナ」とけんかをしている時に呼ぶ「ニーナ」など、名前を呼ぶ時にはいろんな思いがあると思うんですよね。なので、毎回、毎回考えながら歌っています。

-「さまざまなジャンルの音楽があるが、歌詞を意識して歌うのが演歌」と語っています

真田 演歌って言葉の上っ面じゃなくて、深いところの意味を歌わなきゃいけないのかなっていう風に感じています。「好きだよ」「愛してるよ」という言葉でも、しっかりと思いを歌っていかなきゃいけない。そういった意味で歌詞を意識して歌うのが演歌だと思っています。

-これまでのキャリアで、一番つらかったのがコロナ禍で歌えなかったこと。「音楽ってしんどい時に聞いて元気になるもの。それを届けられないのがつらい」と話していますね

真田 はい。あの時は、自分の歌を聞いてもらいたいっていう気持ちがすごく強かったのに、それができなかった。その葛藤が一番しんどかったですね。

-葛藤を乗り越えて自然体になれたとか

真田 「伝えられる時間」というのは限られているんだなというのを感じたので、これからは、自分の表現したいことを表現していく、伝えたいことを伝えていくという気持ちが強く芽生えました。それで怖さがなくなったんです。

-「怖さ」ですか?

真田 それまでは「演歌だからこうしないといけない」ということに縛られていたところもあったんです。でも、もっと自然体で力を抜いて、自分の“そのまま”でいけばいいんだなと思うようになりました。

-「自分をそのまま」の思いが、あまり服を着ていないショットばかりの初写真集「One Night Stand」(小学館、9月10日発売)になった? どんな写真集ですか

真田 ここまで脱ぐかっていう思いもありましたけど、でも作品としてはすごく自分の記念になるものです。ファンの皆さんにも、普段は見ないような姿を見ていただける。そんな作品ができたと思います。撮影のために食事制限や加圧トレーニングをして体を絞りました。これが最初で最後になるのか、あるいは第2弾があるのか分かりませんが、楽しんでもらえる写真集ができたと思います。

-7月のツアーで行った4公演のセットリストをすべて変えた理由は?

真田 ライブ感をより一層感じていただきたいという思いからです。その会場でしか聞けない曲や見られないものがあったらいいな、と常に思っていました。同じことをやるとお客さんも、演者側も「また同じだな」という気持ちになっちゃう。自分自身も新鮮さを求めたかった。

-なぜ歌うのか。その理由について「自分が歌うのが好きなんじゃなくて、ファンに喜んでほしいから」と言っています

真田 自分1人で歌っていても楽しくない。カラオケボックスに行くのも別に好きじゃないし、自分は歌を聞く人に笑顔になってもらうのが好き。楽しんでもらうのが好きなんだと常日頃思っているんです。

-最後にファンにメッセージをいただけますか

真田 今年もあっという間に8月になって、残りもあと数カ月になりました。「今年こそ紅白に」という気持ちは、これまでよりも一層強いので、後半戦も一緒に駆け抜けていただければと思います。応援をよろしくお願いします。

◆真田(さなだ)ナオキ 1989年(平元)12月22日、埼玉県生まれ。11年の東日本大震災発生後に、被災地を訪問する歌手の姿に心を動かされ歌手を目指す。16年に吉幾三が作詞作曲した「れい子」でデビュー。個性的な声を求めて自ら声をつぶした。キャッチコピーは「ノックアウトボイス」。10月13、14日には浅草公会堂でライブを行う。趣味は野球、極真空手初段。175センチ。血液型O。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 真田ナオキ「今年こそ」マグロ一本釣りの町・大間で「紅白歌合戦」の一本釣り誓う/インタビュー