トーキングブルースへの意気込みを語る古舘伊知郎(撮影・中島郁夫)

古舘伊知郎(70)が、12月7日の東京・EXシアター六本木から全国5カ所で「古舘伊知郎トーキングブルース 2025」を開催する。来年1月に福岡、2月に名古屋、3月に大阪、横浜と“しゃべりの巡礼”に出る。テーマは「2025(ニセンニジュウゴ)」。今年2025年(令7)の1年間で、何を見て、何に怒り、何に笑ったのかを2時間半、ノンストップでしゃべりまくる。70歳、古希になった古舘に聞いてみた。

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プロフェッショナルと素人の違いは、持続力の違いだ。歌手ならば1曲、2曲であればアマチュアもうまく歌えることがある。

「僕はしゃべり手で、トーキングブルースを2時間半やって、何が悪いと思ってるんですよ。だって俺はプロで、やりたいんだからね。素人だったら10分で面白いこと言って、パッと引き下がる。だけど、俺はそうじゃないから。お客さんには悪いけど時間を犠牲にしても付き合ってもらう。コスパ取れないから、タイパ取れないからと思うんですよ。そういうのを感じたりして、絶対にエネルギーをなくしちゃいけないと思うけど、ひたひたと老化現象がやって来て、そういう中であがいてもがいてやるしかないなって、いつも思うんですよね」

夏真っ盛り。秋に向けて、女性問題を報じられて昨年1月から芸能活動を休止している松本人志(61)が、インターネット配信の「ダウンタウンチャンネル(仮)」で復帰することが見込まれている。

「『ダウンタウンチャンネル』に期待はしない。期待をあまりすると、必ず過剰期待になって大して面白くないというリバウンドが起きるから。期待も何にもしないので、遠巻きにして応援したいと思います。というのは、やっぱり彼がやったことが事実だとするならば、あまりにもひどいと思います。後輩を使って、そういう1つのスキームが、三都物語じゃないけど大阪とか福岡も含まれてあったとすれば、これは許されることじゃないんですよ。それはいけないんですよ。やっぱり女性を傷つけてしまうことになるのは、この時代にあんなことをやるのはいけない」

報じられたことが事実であるならと苦言を呈しながらも、その復帰を注意深く見守っている。

「しかしながら、別に法律論じゃなくて、罪を犯した人間は復活しちゃいけないんですかと。敗者復活ってないんですか。地上波は無理とか、普通に常識論で言うけども、そうなんですかと。地上波も面白くないと思うんです。僕はそういうダメダメの中で、吉本という大きいところと、松っちゃんというドでかい玉がくっついて『ダウンタウンチャンネル』ができ上がる。やっぱり、そういうことをやるっていうメディアが存在してるって思いに、結構ね。それは頑張ってもらいたいなって、心の底から思いますし、僕はびっくりしたんです」

今年、これまで起こったこと、これから起こることを含めて「トーキングブルース」でしゃべりまくる。

「だからトーキングブルースで、そういうことを言うかどうか、まだ何も決められないけれども、やっぱり怒ったりしてるんですよ。例えば、絶対に見たくない人が見えないようにしっかりと養生したエリアで、塀を作ったエリアで『ダウンタウンチャンネル』を見たい人はどうぞって言ってる。それなのに、怒っている人は、どこでどうやって見るんだろうと思うんですよ。見なきゃいいだけでしょ、それを見ないで怒る。見ちゃったらどうするみたいな。不快であるということは見ないんでしょ、どうやって見ようとしているのかなと思うんですよ。不思議なことに、見たくない人が何でも怒りゃいいと思ってるんだろうけど」

不必要な情報に自ら絡んで行って怒ることは、意味がないという。

「怒るとストレスたまるから、無用なことは見過ごす、見流す。知らんぷりする、無視するっていうのを、決め込んだ方がいいと思うんですよ。そうじゃなくても情報が発狂するぐらい交錯しているわけでしょ。そこに溺れていってるわけでしょ。僕も寝る前にTikTokもずっと見てますから、イスラエルとイラン、そしてアメリカの軍事介入、芸能ニュース。混乱して寝て、朝ふらついて起きます。自律神経失調と気圧の変化も含めて、もう身体が中古車になってきたからガタが来てるんですよ」

交錯する情報を整理して、それをしゃべくりに変えて行く。

「昔はトーキングブルースも3時間半だったけど、全く酸欠にならなかった。今はふらつく、完全にもうガタビシャして、シフトチェンジがうまくいってない中古車なんですよ。頑張るぞとは、思ってるんですよ。中古車なりにだましだましね。ちょっと排ガスぶんまいて頑張るしかないと思ってるんだけどね。だからそれだけ情報過多なんで、整理しなきゃいけないんで、見ないものは見ないようにしてきゃいいだけでね。あんまり文句言っても、あなた自身と体を壊しますよと思う」

(続く)

▼「古舘伊知郎トーキングブルース『2025』」

25年12月7日 東京・EXシアター六本木

26年1月18日 福岡・Zepp福岡

26年2月12日 愛知・Zepp名古屋

26年3月7日 大阪・Zeppなんば

26年3月20日 神奈川・Zepp横浜

◆古舘伊知郎(ふるたち・いちろう)1954年(昭29)12月7日、東京都生まれ。立大卒業後の77年にテレビ朝日入社。同8月からプロレス中継を担当。84年6月退社、フリーとなり「古舘プロジェクト」設立。85~90年(平2)フジテレビ系「夜のヒットスタジオDELUXE、SUPER」司会。89~94年フジテレビ系「F1グランプリ実況中継」。94~96年NHK「紅白歌合戦」司会。94~05年日本テレビ系「おしゃれカンケイ」司会。04~16年「報道ステーション」キャスター。現在、TBS系「ゴゴスマ」水曜日コメンテーターなど。血液型AB。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 古舘伊知郎トーキングブルース 松本人志復活に向けて「期待はしない。遠巻きにして応援する」