「いのうえ歌舞伎」への意気込みを語った、(左から)早乙女太一、向井理、小池栄子、古田新太、いのうえひでのり(撮影・阪口孝志)

俳優古田新太(59)、女優小池栄子(44)、俳優早乙女太一(33)、向井理(43)、演出家いのうえひでのり氏(65)が8日、大阪市内で、いのうえ氏主宰の劇団☆新感線45周年興行・秋冬公演「チャンピオンまつり いのうえ歌舞伎『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』」(10月9日~23日、フェスティバルホール)の取材会に出席した。

江戸時代を舞台に、歌舞伎の大名作「忠臣蔵」を上演するために愚かしいほどに芝居作りに情熱を傾け奔走する演劇人を描く。看板俳優の古田、高田聖子、粟根まことらに加え、6年ぶり出演の橋本じゅん、8年ぶり出演の羽野晶紀、5年ぶり出演の橋下さとしらも出演。舞台で一堂に会するのは31年ぶりという“まつり”に、古田は「楽しそうですよ。芸大の学食みたいになってる」と稽古の様子を明かした。

そうそうたるメンバーの中、小池、早乙女、向井がゲスト出演するが、新感線の公演にはたびたび参加していることもあって、古田は「何の感慨もない」と言い放って笑いを誘った。

橋本じゅんの娘役で登場する小池は「稽古を重ねて体力付けないとと思ってます」。台本を読んだ際、気持ち的には「12~15歳くらいの役」と思ったという。「演劇は年齢はごまかせる」とは言いながら、走り回ったり、殺陣があったりという役回りに「そこはどうなんでしょうね。一幕持つのかな」と不安もある様子。古田から「栄子、いくつだっけ?」と聞かれると、「45になります。鬼だよね、(演出の中島)かずきさん、とは思いましたけどね。やりがいはあります」と苦笑した。

一方で、古田については「いるだけで存在感があって締まる」。先日、古田とアクションシーンの稽古があり、「めっちゃ怖いと思った。ちびりそうになっちゃって。普段、こんなに穏やかなのに。ちょっとけいこ付けてもらっただけなんですけど見たことないと思って。普通に暮らしてちゃいけないって思いました。狂気みたいなのを感じる役者さん。声を張るとかじゃなくて、静かだけど炎が燃えてるというのを古田さんの芝居を見てると勉強になる」と絶賛した。

早乙女も「対峙(たいじ)したときの大きさ、怪獣が現れたみたいな。ただ立ってるだけでずるいなって。何もしてないのに。でも、何かあるんですよ。そこがずるい。色っぽさであったり、全部含まれてるんだろうな」

一方、向井は「勝手に昭和の俳優と思っている。良くも悪くも。昨日は悪い面しか見なかったですけど」と笑いながら、「なかなか今珍しいですよね。当時の人はいろんなものが発達した時代で生きづらいと思うし、昭和のまんま生きてられるだけですごい。アップデートする気ないもん。携帯もないし」と苦笑した。

3人からの“評価”に、古田は「3人ともフラットですばらしい。うちは立ち位置とかも細かく付けるんですけど、新劇とかのヤツって『気持ちが…』とか言い出す。知らんがな、お前の気持ちなんて。こういうところが理がいう『昭和なところ』なんでしょうね」と笑っていた。

松本公演は、まつもと市民芸術館で9月19~23日、東京公演は新橋演舞場で11月9~12月26日。

情報提供元: 日刊スポーツ_芸能
記事名:「 小池栄子、古田新太との稽古に圧倒される「ちびりそうになっちゃって」