TVアニメ『刻刻』先行上映イベントが20日、東京・秋葉原のUDXシアターで開かれ佑河樹里役・安済知佳、間宮翔子役・瀬戸麻沙美、じいさん役・山路和弘、EDアーティスト『ぼくのりりっくのぼうよみ』、大橋誉志光監督が登場し、司会は宮島咲良が務めた。
漫画家・堀尾省太氏が『モーニング・ツー』(講談社)に連載していた作品が原作。森羅万象が止まった“止界”に入る事が出来る止界術を使うことができる佑河家一族。その佑河家の主人公・樹里は、甥と兄が誘拐犯にさらわれたことから、救出の為にやむを得ず“止界術”を使うことになり、父と祖父とともに救出に向かう。樹里はその止界のなかで“動く”人間たちに急襲されてしまい、そのことから止界の謎や樹里の家系の謎が徐々に解明されていくこととなるSFサスペンス作品となっている。
1話上映後にトークが開催。スタイリッシュな感じのオープニングもついてのものだったが、大橋監督は「OP完璧ではないので、もう少し進化します」と、仕掛けもあることがほのめかせ期待を持たせることに。
本作がほかのアニメと違う点について瀬戸へ質問が寄せられると、「アニメはどれも違わないですか?」と、素で聞き返したため、安済が「止まった世界だから音が付けられないんです。そういうことかなと思うんだけど」と、優しくフォロー。補足として大橋監督によると、本作は川や鳥といった周囲の音をつけて臨場感を出せず「登場人物の音しかしないからかなり寂しい世界観なんです」と、解説。
続けて、演出として、大橋監督は「圧迫感も含めて表現しようとなって、シーンごとに抜けのある空間はなくて、遮蔽物を入れているんです。何か常に閉じ込められているという映像にしています。そこから解放されたところが見どころかなと思っています」と、深い部分まで説明した。
作品にちなんで、もしも時間が1日止められたら何がしたいかという質問が投げかけられると、安済は「アフレコ現場でもその話になったんです。結果、宝石強盗がいいとなったんです」と、物騒な結論が出たということで観客を爆笑させることも。
安済自身としては、「食がありつける時間につまみ食いしたいです」と、食い気を優先させた答えが。さらに、安済は「いろんなことをやってみたいです。どこまでがいいのかとか、その人はどこまで止められているのかなって」と、時間を止めていられる範囲を知りたいよう。
一方の瀬戸は、「“宿題”がやりたいです。紙データとかゲームとかのチェックができるかなって」と、仕事に使うという真面目な時間の使い方を披露したり、山路も「南国の1番いい季節のときに独占とか、美術館の独り占めとか、開演時間前に行ったりとか」と、優雅なものを思い浮かべていた。
イベント中盤には主題歌『Flashback』をKenKenとともに担当したギタリスト・MIYAVIからビデオメッセージが上映。MIYAVIは、「一読者として作品が進むにつれて、広がっていく壮大な、人類としての普遍的なメッセージにインスパイアされて楽曲を作らせて頂きました。本当に時は止められない。どうあがいても時間は前に進むという、やるせなさ、切なさ、ときに残虐なまでの暴力性みたいなのを、ギターで表現させて頂きました。今回KenKenをフィーチャリングアーティストに迎えましたが、彼とのベースの掛け合いはスリリングな仕上がりになっているので、楽しんでもらえれば」と、呼びかける。
大橋監督はMIYAVIの主題歌起用へ、「実は最初は、OP・EDという前に、劇中に使う曲をオーダーしていたんです。メロディーではなくて、リズムを主体としたギターを弾かれるので、それを使いたいとお願いしていたんです。あがってきた曲はもう少しボリュームがあり曲としてもあがってきたものがあったので、これオープニングに使えるんじゃないですかというのでそのままスライドさせて頂きました」と、スタッフ陣を動かしたというエピソードも語られていた。
イベント終盤には、今月22日に誕生日を迎える安済へ観客からのクラッカーでサプライズバースデーが敢行。これに安済も、「いま時を止めたいです!」と、大感激でサプライズは大成功!その観客たちへのお返しとして、キャスト陣による裏話をする場所を作り「盛り上げていきたい。お祝いしてくださったみなさんに、お礼したいです、嬉しい!」と、思いを伝えていた。
最後に山路から「キャラが濃い役だなと思っていたら回を追うごとに、キャラの濃い人間が出てきてなんだか紛れてしまって悔しかったんです(苦笑)。それで、最後まで観ていると……言えない(笑)」と、先の展開へ期待させたり、安済から「オーディションでこの作品に出会ったときからこの世界で樹里として生きたいなと思っていたんです。アフレコは全部終わりまして、あとはみなさまにお届けするだけです。きっと、いろんな感じ方ができる作品です。その感じ方は人それぞれです。最後まで観続けることによって分かることもあるので、われわれ佑河家と翔子のことも見守ってもらえたら」と、メッセージ。
そして大橋監督からは、「現場的には最終話に入りつつあります。最終回はちょっとだけ原作を紹介しながら、ちょっとその先も入っています。原作を読まれた方も知らない部分がちょこっとあるかなと思っていますのでぜひ最後まで観て頂ければ」と、予告し終演を迎えていた。
TVアニメ『刻刻』は2018年1月7日よりTOKYOMX、BS11にて毎週日曜深夜0時30分より放送予定で、Amazon プライム・ビデオにて日本・海外独占配信!
※記事内写真は(C) 堀尾省太・講談社/「刻刻」製作委員会