神谷浩史「僕はきょうこの日のために声優をやっていた」と万感!「


 長編アニメーション『傷物語〈III冷血篇〉』(監督:尾石達也/配給:東宝映像事業部)初日舞台あいさつが6日、東京・新宿バルト9で開かれ阿良々木暦役の神谷浩史、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード役の坂本真綾、羽川翼役の堀江由衣、忍野メメ役の櫻井孝宏が登壇した。


 作家・西尾維新氏の人気『物語』シリーズ作品。本作は2016年1月に公開された『鉄血篇』、同8月公開の『熱血篇』に続く3部作の最終章に当たり、暦とキスショットの因縁の行き着く先が描かれる。


 神谷は本作がもともと2012年公開という形で始まったということをふまえて、「ようやく僕らの2012年が終わるので感無量でございます」と、毎回の舞台あいさつでネタにしているコメントで観客を沸かせることに。


 アフレコについて、神谷は、「密度がすごくて、自分がしゃべっているところは心あらずという感じで、ああすればよかったとか反省点ばかりが見えてきてしまうんです。みなさんがしゃべっているところは完璧すぎて嫉妬するぐらい濃密な時間で(苦笑)」と、心情を吐露しつつ、「『うわーっ!』って言ってるうちに過ぎる83分ですね」と、見どころも。


 作品を観て坂本は、「尾石監督が命を削って作ってくださったと思いますし、音楽も含めてすべてが大団円にむかっていくスケールの大きな3作目になっているなと思いますし、この作品に参加できてよかったなと感慨深い気持ちになりました」と、しみじみ。堀江も、「どのシーンも緊張感があって、息をつく暇もなくて、羽川さんとのシーンがほっこりできるのかなと思っているんですけど、自分が喋っているので、大丈夫かなと思って、気が張りつめたままで最後まで演じさせて頂いて」と、アピールした。


 


 一方の櫻井は、物語シリーズ全体へ思いが及んだようで、「観終わった後にこの後のTVシリーズにつながっていくのかなと思うと、グッと来るものがありましたね。それと、キスショットのキービジュアルの涙が観終わった後だと……印象的でした。切なさと悲しさとか心に残って、このシリーズのらしさが残っているなって」と、感慨深げな様子を見せることも。


 さらに、司会からは本編で一番印象に残ったシーンのことを問われ、神谷は、「アフレコのことを思い出すと2度とやりたくないというシーンばかりだったんです(苦笑)。けれど、どうしようもなくなって、忍野を呼ぶために叫ぶシーンですね。原作には吸血鬼の肺活量でとあって……でも、西尾先生が書いている以上は、肺が破れてもいいと思うくらいの、会場に響き渡る感じで叫んで」と、これ以上ないほどに叫んだという。


 そのシーンには坂本も共感し、「そのシーンは尋常ではない気迫を感じました。声を聴いているだけで、こみ上げてくるような渾身の声を聞いて」といい、「全キャスト勢ぞろい状態で、1人1人に課せられたものが大きですし、何度もできるようなシーンじゃないんです。渾身のシーンの連続で。収録ですけど1回きりの生放送に挑んでいるような、絡んでいるキャストの方にも何度もさせたくないというか、1度しか無いものを個々でやりきらなければという感じでしたね」と、アフレコ当時を回想。


 ちなみに堀江も、「何とビックリ!私も忍野さんを呼ぶシーンが大好きだったんです。それだけ気持ちが全員に届くんだろうな」と、偶然合っていたことに笑みがこぼれていた。


 最後に神谷から、「完結まで見守って頂いて本当に、本当に感謝しています。本編の暦のセリフじゃないですけど、僕はきょうこの日のために声優をやっていたんじゃないかと思えるくらいの気持ちです。声優というものをやっていて、この作品を完結に導くというのが僕の1つの目標であったように思います。なので、目標を見失っている状態となってしまって、これから僕はどうしたらいいんでしょうか?」と、苦笑いを浮かべつつ、「とはいえ、物語シリーズはまだまだ、この先続いていくんじゃないかという雰囲気が漂っています。アニメが終わるのが先か、原作が終わるのが先かという状態になっていますが、西尾維新先生が原作を書き続ける限り、何かしらの形で映像というものもみなさんの手元にお届けできるような万全な態勢に僕もいなきゃいけないと思っています。これからも暦という人物を構成する声という一部の要素ではありますけれど、そのパーツとして正しく機能していけるように頑張っていきますので、引き続き応援よろしくお願いします」と、熱い思いをスピーチし、イベントを締めくくった。


 長編アニメーション『傷物語〈III冷血篇〉』は6日より全国公開!




 

情報提供元: News Lounge