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劇場アニメーション『傷物語〈Ⅰ鉄血篇〉』(総監督:新房昭之/配給:東宝映像事業部)初日舞台あいさつが8日、東京・TOHOシネマズ新宿で開かれ阿良々木暦役の神谷浩史、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード役の坂本真綾、羽川翼役の堀江由衣、忍野メメ役の櫻井孝宏が登壇した。
作家・西尾維新氏の人気ライトノベル、〈物語〉シリーズの最新アニメーション。『化物語』からスタートした本シリーズだが、その『化物語』の前日譚が描かれており、主人公で人とのかかわりを避けていたこと以外普通の高校生だった阿良々木暦がなぜ吸血鬼となってしまったのかということや、吸血鬼化したことにより巻き起こる騒動のてん末が描かれる。本作は3部作で構成されその第1部に当たる。
満員の劇場に姿を見せたキャストたち。神谷は、本作が2011年3月当時に翌12年公開予定と公式にアナウンスしていたことを踏まえて、「2012年1月8日『傷物語』をご覧くださり、みなさまありがとうございます」と、茶目っけたっぷりなあいさつでスタートさせることに。
坂本はこれだけ期間が空いたことへ、「2011年にオーディションを受けた時は、『「傷物語」という劇場版のオーディションになります』と言われたんです。それでいつの間にか5年経ってましたけど、私の中で忍というのが段々変化してきて、『物語』の世界観を肌で感じられた後で、満を持しての劇場版は良かったんじゃないかな。それまでのエピソードを演じてきたことが糧になっているんじゃないかなって思っています」と、しっかりフォローを。
一方、アフレコについて神谷は、台本とともに辞書、さらに、原作本を一言一句参照としながら臨んだという。作品は阿良々木暦の始まりの物語とあって「まずは記憶をゼロに戻さなきゃいけないということですよね。たぶん、本日いらっしゃっているみなさんは映像作品としての物語シリーズをご覧になってくださっているみなさんでしょうから、文章があったら、その文章について、たとえば阿良々木暦の声、僕の声で頭の中に再生されるような“物語シリーズ回路”みたいなのが出来上がっていると思うんです。そうなってくると、暦とキスショットが話しているところが勝手に頭の中に再生されてきたり、こういうものなのだろうということが、いままでの経験で憶測がつくと思うんです。でも、そういう憶測が本当はついてはいけないところに、今回の1本目にないといけないものだと思いましたので、僕もそういった意味では気持ちをリセットしないといけない、周りからちょっと不良と思われているクールな少年、誰かと話しているのがあまり想像がつかない少年像というのでアフレコに臨ませて頂きました」と、熱い思いをスピーチした。
堀江は、羽川に合わせて髪を一本の三つ編みにして登壇する気合の入れよ。本作の感想を「おうちで1人で観てたんですけど、本当に怖い。家に誰かいないかなって探したくなるぐらい、得体のしれないものとの出会いみたいなものを見てしまったという感じで」と、怖がっていたのだとか。その怖さを熱弁する堀江は「これ以前の阿良々木くんは普通の“あらららぎ”くんなんだって」と、噛んでしまい神谷が八九寺真宵を引き合いに「人の専売特許を取らないように(笑)」と、ツッコミを入れていた。
櫻井は、作品を観て「すごいものを観てしまったというか、すごいものを作ってしまったというか、すごいものに参加できてしまったというか。いろんな感情を呼び起こされたというか。一言でうまく説明できないんですけど、いろんな気持ちとか感情を呼び起こされたというか」と、衝撃を受けたよう。
最後に神谷から「試写会で拝見させて頂いていた時に、何もかもがパズルのピースのように1個1個がはまっていく映像を観て、ちょっと怖くなったんです。こちらとしては声というピースをお渡ししたんですけど、そのピースを本当に丁寧にはめ込んでくれて、僕はこういうふうにやったつもりだったんだ。こういうふうにしたかったんだというのをそのまま動いているさまを見せて頂きました」と、仕上がりについても満足いくものだったようで、「こだわりが感じられるように感じました。僕、本当に声優やっててよかったなと感じました。そういうふうに思って満足するだけではなくて、この後の2部、3部と続いてでき上がって、そこで俺本当に声優やっててよかったと思える、そんな作品に、声優として声のパーツをお渡しできるように、気持ちを新たにしてくれる作品です」と、今後への抱負を語っていた。
劇場アニメーション『傷物語〈Ⅰ鉄血篇〉』は公開中!