- 週間ランキング
これは意外!ラーメンじゃないの? と思った方。ちなみに、2016年の「うどん」と「中華めん」の生産数量(※2)は「うどん」が213.194t。対して「中華めん」が245.953tと、総数量では「中華めん」がリードしています。
分類別に見てゆくと“ゆでめん”では、「うどん」が193.236t、「中華そば」が72.250tとなり「うどん」がリード。“ゆでめん”とは、文字通り生の麺を茹でた麺のこと。スーパーマーケットのチルドケースなどで個包装されたものを見かけますよね。逆に、店舗などで利用することの多い“生めん”は、「中華そば」が173.703t、「うどん」が19.958tとなります。
つまり、この数字からラーメンは「外食」、うどんは「自宅」で食べる傾向があることがわかります。前出の【国麺調査】でも、うどん派はその7割が自宅で食べると回答しているそうで、街ではラーメン店の方が良く見かける気がするのに、多くの人が「うどん」を「普段よく食べる麺の種類」と答えたのは、うどんを食べる場所に理由があるようです。
“ゆでめん”のなかには、茹でた麺を急速冷凍させる「冷凍うどん」が含まれます。「冷凍うどん」といえば「キンレイ鍋焼うどん」。1978年にコンビニエンスストア向け冷凍調理麺として発売を開始し、現在も日本人にもっとも親しまれているブランドのひとつです。
近年は冷凍保存技術が発達。手軽に本場の味と美味しさを届けられるようになりました。そのため、地方の有名店やブランド麺がこぞって「冷凍うどん」を商品化。選ぶ楽しさが増えました。
ちなみに、【国麺調査】の「よく購入する「冷凍麺」の種類」では、男女ともに「うどん」(69.9%・63.9%)が1位。女性は「パスタ」(14.7%)が2位、男性は「ラーメン」(20.6%)。3位は女性が「ラーメン」(11.8%)、男性が「パスタ」(8.2%)となっています。(※3 )
このように、圧倒的に“お家ご飯”の傾向のある「うどん」ですが、2000年に1号店を開店して以来、急成長を遂げた「丸亀製麺」の存在を無視できません。セントラルキッチンを構えず、店舗での製麺に拘る方針がヒットし、外食産業としても「うどん」の地位を押し上げました。
また、筆者、個人として忘れられないのが「うどん県」。2011年に香川県観光協会の特設サイトが発信したもので、県名を「うどん県」に改名するというPRがヒット。サーバーがダウンしてしまうほどのアクセスが殺到しました。
このキャンペーンの影響で「うどん」のローカルなイメージが、ご当地グルメブームというキーワードに昇華し、以降、「うどん」に特別なこだわりと愛情を持つ人が増えたような気がします。
さて、温かい「うどん」で身体を温めたくなる季節がやってきました。子供のころは、おまじないのように風邪をひいたら「煮込みうどん」と、母が、ネギや卵、生姜などを入れた「うどん」を作ってくれました。そんな想い出を抱きつつ、今年の冬も「うどん」を楽しみたいと思います。