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「日本は治安がいい」、これはもはや過去の話だろう。物騒な事件があちこちで起き、近所の人に挨拶された小学生が防犯ブザーを鳴らして逃げて行ったという話まである。
隣近所のお付き合いを大事にしている人からすれば、なんとも残念な話だが、親の立場からすれば、それもやむを得ない状況だ。もしもの事態に巻き込まれたとき、いったいどうやってわが身を守ればいいのか、今回はそんな役立つ自衛手段を調べてみた。
危機的な状況の一つに拉致や誘拐がある。車のトランクに閉じ込められて連れ去られる可能性が考えられるが、もしもの場合はトランク内部にある「トランクリリース」というレバーあるいはケーブルを探したい。車種によって場所は異なるが、基本的にはコレをいじることで内側から脱出が可能だ。
いずれもトランク内部のロック付近にあるというが、車種にもよるので、時間があるときに内部を見ておくといいだろう。一部、トランクのカーペット下にある場合もあるようなので、車を所有している人は事前にチェックしておくと安心だ。
万が一脱出ができず、両手を縛られてしまった…。このとき縛られたものが結束バンドであれば、やり方によっては自力で外すことができる。縛られた両手を頭上にまで上げた後、地面に勢いよく振り下ろすのだ。コツは両手を引き離すように力がかかるベクトルを外側に向けること。すると、推進力と両手の重さで自力脱出が可能になる。後ろ手も同様で、お尻に向かって勢いよく振り下げると外れやすくなるという。
事件に巻き込まれて車ごと水没……。電気系統がショートしてドアが開かず、窓も開閉しない。閉じ込められた!ウィンドウガラスを叩き割る脱出用ハンマーがあれば事なきを得るが、ご丁寧に積んでいてくれることはないだろう。
では、どうするのか。座席用のヘッドレストを使う。後頭部を支えてくれるヘッドレストをシートから抜き、鉄柱の部分をウィンドウガラスのすき間に差し込み、“てこ”の原理で動かすと、楽に割れるという。これはウィンドウガラスが強化ガラスで1点集中の力に弱いという特性を踏まえた方法。
ちなみに「フロントガラス」は車の安全上、二重になっていて、簡単に割れない。限られた時間内に脱出を試みるなら、前より横を意識したほうが効果的なのだ。
どれほど気をつけていても悪意は突然襲い掛かってくる。暗い夜道や人通りのない住宅地、死角が多い場所は危険だ。最善はまず逃げることだが、それでも逃げきれないこともある。もし、抵抗を試みるなら、相手が怯むようなものを武器として持っていたい。たとえば、誰もが携帯しているカギは効果的だろう。力いっぱい握って相手を突くだけで軽い武器になる。
もっと機能を強化したければ、空手家の窪田孝行氏が考案した「クボタン」という護身道具がある。15センチほどの棒状のアイテムで、普段は先端にカギなどを付けるキーホルダーだ。だが、緊急時はこれを握って突いたり、キーホルダーごとヌンチャクのように振り回すことで護身の道具になるという。
危機的な状況のとき、周りに誰も居なければ、自分の身は自分で守るしかない。こうした万が一の知識を知ったり、備えていたりするだけでも、いくらか自衛の手段になるのでないだろうか。