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第5弾となる今回は、【東京・占い・ジャーニー】と題して、アーティストの本山ゆかりさん、「TOKYO ARTRIP」編集者の碓井美樹さん、そして「美術手帖×VOLVO ART PROJECT」プロデューサーである田尾圭一郎さんらが、東京の街や建物をフィールドワークしたエピソードや、スタジオ内に展示された本山さんの作品に対する想いなどを語りました。
スカンジナビアンデザインによる空間がオシャレな「ボルボスタジオ青山」は、昨年11月に、イタリア(ミラノ)に続き2店舗目となるブランドコンセプトストアとしてオープンしたばかり。最新のボルボブランドに触れることができ、「ボルボスタジオ青山」でしか手に入らない特別限定車も買えるそう。
スタジオ内には、カフェとシャンパンバーが併設されており、国内屈指の品質を誇る「factory&labo 神乃珈琲(かんのコーヒー)」とコラボレーションしたメニューをはじめ、なんと、18時からはスウェーデン王室御用達のシャンパンをいただくこともできます。
また、“Quality of Time”をテーマに、毎月、様々なイベントやプロジェクトを開催し、スウェーデン生まれのボルボブランドならではの文化や哲学、そして、一流アーティストを迎えてのライブやアート展示、トークショーなど、日々の生活を豊かにする情報を広く発信しています。
そのなかのひとつが「美術手帖×VOLVO ART PROJECT」。プロジェクトでは、日英バイリンガルガイドブック「TOKYO ARTRIP」とコラボレーションした、フリーペーパー『TOKYO ARTRIP by VOLVO』を発行しているほか、田附勝さんの“kuragari(暗がり)”をテーマにした写真展や、サウンド・アーティストの大和田俊さんによるインスタレーション作品、映像作家の荒木悠さんは、デイヴィッド・リンチ監督『Lost Highway』のパロディとして、新作《L O S T H I G H W AY(Sweded)》を上映するなど、様々なインパクトのあるアートイベントを開催しています。
さて、今回の【東京・占い・ジャーニー】は、アートやデザインを愛する人達に人気の18スポットが掲載されている『TOKYO ARTRIP by VOLVO』と、本山ゆかりさんのアート作品とがリンク。京都に拠点に活動する本山さんが東京の街でフィールドワークを実施し、そこから感じたものを作品に反映させる試みとなりました。
フィールドワークの案内役を務めた田尾さんは、「2020年に向かって新しく変わってゆく東京」をテーマに、1964の東京オリンピック当時の建築物との対比や、それぞれの時代のエネルギーを感じてほしいと行く先をチョイス。オリンピックを機にその役目を豊洲に移転させる築地や、1960年代に登場し高度経済成長時代を代表するメタボリズム建築、そして建設途中の新国立競技場などを巡ったそうです。
トークセッションで話題にのぼったのが、丹下健三氏デザインの「静岡新聞・静岡放送東京支社ビル」や、その弟子の黒川紀章氏がデザインした「中銀カプセルタワー」。なかでも、コンテナユニット型マンション「中銀カプセルタワー」は、現在も国内外で評価の高いメタボリズム建築です。
建物内部に初めて入ったという本山さんは「足元が支えられてない(カプセルが取外しできる)と聞いたら怖くなって。20年ほどして古くなったら交換する予定だったらしいですが(実際は、様々な事情におり不可能)…建物として感覚的に無理な人もいると思う」とコメント。2日間にわたるフィールドワークでは、あえて本山さんの知らない(選ばない)場所を巡ったそうで、今までにない不思議な体験を楽しんだ様子でした。
【東京・占い・ジャーニー】という題名について聞かれた本山さんは「占いには統計学的なものと、くじ引きのような運試しの2通りある。今回のジャーニーは“おみくじ”のような旅。案内されるままに訪れた場所からは、学びや新しい発見の可能性につながる。それこそが散歩の醍醐味だと思う」と話し“偶然”から生まれる価値観や広がる世界観を、題名の「占い」という言葉に託したそうです。
今回の展示は、アーティスト・本山ゆかりの新境地を感じさせるものとなっています。
透明なアクリル板の背後にドローイングを描く本山さんの作品は、美術館におけるホワイトキューブ(白い壁)に展示することが前提です。しかし、白壁がなく、クルマなどの展示物がある「ボルボスタジオ青山」では物理的に不可能であり、作品と空間全体をどのような導線で結びつけるかが課題となりました。
そこで、モニターに映し出される以外に、作品をテーブルクロスやコート掛けなどインテリアの一部として創作。空間そのものと調和させるような展示となっています。
本山さんは、「美術館に展示されるときのような緊張感とは違い、キャンバスの外に作品があることで親しみやすさが生まれた。鑑賞の仕方をおしつけない状況下で、お客さまと作品との距離感が気になった」と話しており、画に言葉(テキスト)を添えることで、作品をインテリア(装飾)として、また、アート(画)としても存在させることに成功させているようです。
本山さんは、「作品の上で、飲食することなんてあまり出来ないことなので(笑)、ぜひ!「ボルボスタジオ青山」のレモネードやスイーツは絶品です。ここでしか食べられないスウェーデンのお菓子などもありますから、作品と一緒に楽しんでもらえたら嬉しいですね」と結びました。
本山ゆかりさんの「東京・占い・ジャーニー」は7月16日まで開催。フリーペーパー『TOKYO ARTRIP by VOLVO』は、スタジオ内で自由に手に入れることができるので、興味のある方は足を運んでみてはいかが? 東京を色々な角度から見ることで、知らなかった新しい景色に出会えるかも知れません。
ボルボ青山スタジオ
住所:東京都港区北青山3-3-11 1F
営業時間:ショールーム・カフェ 10:00~18:00
シャンパンバー 18:00~23:00(L.O. 22:30 )