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本作は、盗みをして生き抜く孤児出身のハン・ソロ&その恋人であるキーラの派手な逃走シーンから開始。もうこのシーンだけでボンクラのハートをカツアゲですわ!! そこには、まさにボクらの求めるアウトローの姿が!!
その後も間髪入れず、リアルな戦場シーン、そこで出会ったアウトロー先輩と毛むくじゃらで力持ちだけど臆病な生涯の相棒。作戦通りに行かないハラドキな列車強盗!! 犯罪シンジゲートのボスによる新たなミッション。宇宙のならず者たち……と私の欲しいが入ってる展開に息つく暇もありません!!
本作は西部劇を意識したと言われてますね。ポスターも80年代テイストたっぷり。宇宙のならず者たちとのドコまで信用していいのか解らない駆け引きや大列車強盗など、確かに、往年の西部劇大作を思わせる展開がめじろ押し。さらに、冒頭から薄暗いリアル思考な画面、デストピア的世界観が登場。オリジナルのハン・ソロを演じたハリソン・フォード主演の『ブレード・ランナー』を思い起こさせますし、危機的状況での主人公のお気楽なノリは『インディ・ジョーンズ』に近く感じられました。その理由は……?
新たな『スター・ウォーズ』を製作する為、「ハン・ソロを最もよく知る人物」として、過去に『帝国の逆襲』(1980)や『ジェダイの帰還』(1983)などの脚本家であるローレンス・カスダンが召集。
カスダンは、伝説のキャラ、ハン・ソロに、無名で大志を抱いていた夢見る若者時代という『スター・ウォーズ』あるあるエッセンスを注入。ギャンブル狂のランドとアンドロイドの権利を訴えるL3-37のコンビなど、いちいち濃厚すぎるキャラを創作。
しかし、当所本作を監督していた『21ジャンプ・ストリート』(2012)や『LEGO(R)ムービー』(2014)のフィル・ロード&クリス・ミラーが撮影中に「意見の相違」という離婚の原因みたいな理由で降板!! そこで新監督に、オリジナル・シリーズの監督であるルーカスともマブダチで、『バック・ドラフト』(1991)、『アポロ13』(1995)、『ビューティフル・マインド』(2001)など、大作映画経験の豊富なロン・ハワード監督が緊急就任。主演のオールデン・エアエンライクによると、「交代劇は驚く程、スムーズだった」との事。
ディズニー製作に代わってから『スター・ウォーズ』を観て育った世代が監督してきた中、ルーカスと同世代の監督になる初の作品でもあります。ハワード監督は、子供の頃から大のSF好きの映画オタク。恐らく、本作で『スター・ウォーズ』のパッケージの中でルーカスの過去作品や70年代後半から80年代のSF映画を現代に甦らせたかったのではと思います。
単体の映画としての面白さ=独立性を重視したハワード監督により、アクションあり、ロマンスあり、コミカルあり、ファンへの目配せあり。シリーズの音楽を務めてきたジョン・ウィリアムズの楽曲も素晴らしく、一級のエンターテインメントに仕上がった本作。『スター・ウォーズ』好きも、『スター・ウォーズ』観たことない人も、このお祭りに乗り遅れる手はないです!!