鼻がむずがゆくてヒクヒクっとした瞬間。まさにくしゃみが出る直前にこそ、その人の細やかな心配りが表れる。俗にいう、“くしゃみエチケット”だ。花粉症シーズンだから仕方ないとはいえ、ところかまわず出てしまうくしゃみに対して、どんな注意をすべきだろうか。

「手で受け止める」、じつははた迷惑!?その理由とは

くしゃみが出そうなとき、たいていの人は手で受け止めるはずだ。反射的に両手を口の前に持ってきてしまう。だが、これ、エチケットとしては正しくない。なぜなら、くしゃみを受け止めた手には飛沫感染の病原体がべったり付いたまま。その状態でドアノブやパソコン、つり革などに触れてしまうと、病原体があちこちに移ってしまう。つまり、手で受け止めるのは好ましくない行為なのだ。

ハンカチやティッシュは非効率

こう指摘すると「いやいや、ハンカチかティッシュで受け止めればいいでしょ」という声が聞こえてきそうだが、じつはあまり現実的ではない。というのも、ポケットやカバンの中から“それら”を取り出そうとする間に、大半の人はくしゃみの衝動を抑えきれないからだ。

運よく取り出せればいいが、十中八九、失敗する。探し物に手を取られているので、口を覆うものがない分、そのままくしゃみをしてしまって周りから顰蹙(ひんしゅく)を買う可能性が高い。

効果的かつ実用的な受け止めは「袖」だった

では、いったいどうすればいいのか?最近の流れだと、服の「袖」でくしゃみを受け止めるのがエチケットになりつつある。昨年末には、厚生労働省が飛沫感染の予防啓蒙策として人気漫画『進撃の巨人』とコラボ。「進撃の咳エチケット」なるリーフレットを作成してSNSなどで情報発信している。少し前までは服の袖で受け止めるのは、「汚い」「カッコ悪い」避けられてきたが、いまではエチケットとして推奨されているのだ。

絵面は微妙でも、それを主流にしていけるのか?

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Fujisan.co.jpより

とはいえ、この“袖エチケット”。はたして受け入れられるだろうか。すごく感覚的な話になってしまうが、袖でくしゃみを受け止める行為自体があまり美しくない。鼻水や唾など汚いものが袖にこびりつくイメージもあって、生理的に受け入れ難いのではないか。それならいっそ手で受け止めてしまったときはアルコール除菌する、万が一、袖で受け止めてしまっても、それはエチケットとして“あり”と呼びかけたほうがいい。

まずは「袖でくしゃみを受け止めよう」と推奨するより、「袖でくしゃみを受け止めるのは汚くない」とイメージアップの向上に努めたほうがいい気がするのは自分だけだろうか。

情報提供元: マガジンサミット
記事名:「 くしゃみが出そうな3秒前、あなたならどうする!?その行為はマナー違反かも!