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「ほんとはスイカ」(文:昼田弥子 絵:高畠那生)
絵は、人気絵本作家の高畠那生様が担当しております。高畠様は、大人からとても人気の高いナンセンス絵本作家で、小生も大好きな絵本作家様でございます。
そんな高畠さんが絵を担当された「ほんとはスイカ」、やはりこちらもナンセンス絵本でございます。シュール度もかなり高め、大人好みの絵本になっております。内容はというと…
主人公の少年、イトウ君が歩いていると、イカがやってきます。イトウ君は、イカを見つけ「イカだ!」と叫ぶと、そのイカは「失敬な。俺はスイカだ!」と主張。しかし、どうみても、その姿はイカなのでございます。さらに聞くと、イカは以下のように主張(笑)。「実は、スイカだったんだけど、“ス”をどこかに落して、イカになったんだ」と…。
なるほど、言葉遊びね…と思っていると、その後、なんと!イトウ君が、道端で“ス”を発見!さらに、小石につまずき、イトウ君の頭に“ス”がくっついてしまうのです。勘の良い方はお気づきでしょうが、イトウ君は水筒(スイトウ)になります。果たして、イトウ君はどうなるのか?元スイカのイカはどうなるのか?シュール度かなり高めの言葉遊びをご堪能くださいませ。
そして、もうひと作品。
「どどどどど」(作・絵:五味太郎)
400冊近くの絵本を手掛けてきた絵本界の巨匠!五味太郎様の「どどどどど」でございます。五味様は、海外でも100数種類の本が翻訳、30か国で出版。日本の絵本界を牽引する大人気絵本作家様でございます。ボローニャ国際絵本原画展をはじめ、各国のコンクールで賞を受賞されております。
そんな五味様の「音と絵本」シリーズの中の1作品でございます。「どどどどど」と、ブルドーザーが坂道を走ったり、凸凹道を走ったりする物語で、ジャンルとしては、赤ちゃん絵本、幼児絵本になります。ただし!
ブルドーザーが走っている道(土)が、五線譜だということに気が付いた時点で、ただの言葉遊びではなくなるのでございます。五線譜を知っている大人は、「やられた!」とつぶやくはずです。締めのひとことも、洒落ております。子供向けの乗り物絵本としても楽しめる絵本ですが、五線譜、英語を知っている大人には、質の高い言葉遊びアート絵本として堪能できる作品となっております。
大人が楽しめる言葉遊び絵本、是非一度ご賞味くださいませ。
(文:N田N昌)