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※詳細は次項にて
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●SLSテイクオーバーイベントは、コース内の自由な場所で1発技を行うシングルトリック(五輪で言うところのベストトリック)を7本行い、上位3本の合計得点で順位が争われる(1トライにつき10点満点で採点)。合計得点が同点の場合は、点数が高いシングルトリックを決めた方が上位になる。
※9点台の得点はナインクラブと呼ばれ、賞賛される。
●判定は3人の審査員によって行われ、10点満点方式で採点。
●男子のテイクオーバーにはワイルドカード枠が2つ用意されており、ワイルドカードジャムで勝ち上がった2人が、テイクオーバーイベントに参加できる。
ジャムは採点制ではなく、初めに1本づつトライした後に15分間順番に次々と滑走し、ラスト1分はフリーのカオス状態に突入、終了時点で上位4人が5分間の延長戦へ進む。
最終的に上位2人が、本戦へ勝ち上がるという形式。
●今後はテイクオーバーイベントが、8月9日にオハイオ州クリーブランドでの開催が予定されている他、アリーナ大会が10月11日にパリで、11月にテイクオーバーイベント(詳細未定)、12月6日から7日にかけてブラジルのサンパウロで、スーパークラウンが予定されている。
※7月13日時点
●アリーナ大会ポイントの上位12名と、テイクオーバー大会ポイントの上位8名にはスーパークラウン出場権が与えられ、この内上位2名がスーパークラウン決勝へのシード権を獲得することができる。
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女子決勝は、今大会出場への予選大会となるセレクトシリーズを制したイザベリー・アヴィラ(20歳)と、ドゥダ・リベイロ(14歳)、ガブリエラ・マゼット(27歳)、マリナ・ガブリエラ(22歳)、ライッサ・レアウ(17歳)のブラジル勢と、フィリピンのマージリン・ディダル(26歳)計6人で争われた。
元々出場予定だった、パメラ・ローザは前日練習で怪我をしてしまい棄権している。
以下、上位3人の滑りを紹介
※()内は合計得点。
【シングルトリック1本目】
ドゥダ・リベイロがハンドレールで、フロントサイドスミスグラインドを決め4.0点。
ガブリエラ・マゼットはハンドレールで、フロントサイドボードスライドを決め2.9点。
ライッサ・レアウはハンドレールで、キックフリップフロントサイドボードスライドを決め6.8点。
【シングルトリック2本目】
ドゥダ・リベイロがハンドレールで、フロントサイドリップスライドを決め3.7点(7.7)。
ガブリエラ・マゼットはハンドレールで、フロントサイドフィーブルグラインドをミス(2.9)。
ライッサ・レアウはハバレッジで、バックサイドスミスグラインドを決め7.0点(13.8)。
この時点ですでにライッサ圧勝の雰囲気を漂わせ、3本目へ。
【シングルトリック3本目】
ドゥダ・リベイロがハバレッジで、フロントサイド50-50グラインドを決め4.5点(12.2)。
ガブリエラ・マゼットはハンドレールで、フロントサイドフィーブルグラインドを決め5.0点(7.9)。
ライッサ・レアウはステアで、360キックフリップをミス(13.8)。
【シングルトリック4本目】
暫定2位のドゥダ・リベイロ、ハバレッジでフロントサイド5-0グラインドを狙うがミス(12.2)。
暫定4位のガブリエラ・マゼット、ステア横のハバレッジでバックサイドノーズスライドを狙うがミス(7.9)。
暫定首位のライッサ・レアウ、ハンドレールでフロントサイドブラントスライドを決め6.2点(20.0)。
ライッサの独走状態で5本目へ。
【シングルトリック5本目】
暫定2位のドゥダ・リベイロ、ハバレッジでフロントサイド5-0グラインドを乗るが、着地のバンクインでまくられてしまい転倒(12.2)。
暫定4位のガブリエラ・マゼット、ステア横のハバレッジでバックサイドノーズスライドを決め3.6点(11.5)順位は変わらず。
暫定首位のライッサ・レアウ、ステアで360キックフリップをミス(20.0)。
ライッサの首位は変わらず6本目へ。
【シングルトリック6本目】
暫定2位のドゥダ・リベイロ、ハバレッジでフロントサイド5-0グラインドを決め5.2点(13.7)順位は変わらず。
暫定4位のガブリエラ・マゼット、バンプでギャップ越えのオーリーを決め5.4点(14.0)暫定2位に浮上。
暫定首位のライッサ・レアウ、ステアで360キックフリップを決め8.0点(21.8)。
ライッサの優勝モードで7本目へ。
【シングルトリック7本目】
ここで順番が下位からに変わり、最終トリックへ。
暫定3位のドゥダ・リベイロ、2位に上がるには4.4点が必要な場面。ハバレッジでバックサイドノーズスライドを狙うがミス(13.7)。2位が確定のガブリエラ・マゼット。
ステア横のハバレッジでバックサイドノーズスライド 270ショービットアウトを狙うがミス(14.0)。ウイニングランとなったライッサ・レアウ、ハンドレールでフロントサイドハリケーングラインドをミス(21.8)。
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クロエ・コベルや日本勢のいない今大会は、ライッサの完全勝利で幕を閉じた。実況によるとライッサは過去20回SLSに出場し、今大会で14回優勝しているという。
なんという勝率だろうか。
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ブラジル勢はセレクトシリーズで優勝したヴィクトル・アキノや、足に障害を持つプロスケーターのフェリペ・ヌネスなどが出場。
他には、ペルーのデイヴィッド・トゥエスタ、アルゼンチンのマティアス・デルオリオ、ポルトガルからはグスタボ・リベイロの双子の弟ガブリエル・リベイロなどが出場。
15分のジャム終了時点で、1位がアルゼンチンのマティアス・デルオリオ、2位はジョアンルーカス・アルヴェス、3位がマテウス・メンデス、4位はガブリエル・アグイラ(2位から4位はブラジル勢)となり、この4人が5分間のエクストラステージへ進出。
以下、メイクしたトリックを大まかに紹介。
マティアス・デルオリオ、ハンドレールでビガースピンフロップ フロントサイドボードスライド。
ガブリエル・アグイラ、ハンドレールでハーフキャブバックサイドスミスグラインド。
マテウス・メンデス、ハンドレールでスイッチフロントサイドハリケーングラインド。
マティアス・デルオリオ、ハバレッジで360キックフリップ バックサイドノーズスライド。
ガブリエル・アグイラ、ハバレッジでフロントサイド180 フェイキーバックサイドノーズグラインド。
マテウス・メンデス、ハバレッジでキャバレリアルフロントサイドノーズスライド。
ガブリエル・アグイラ、レインボーレールを逆から50-50グラインド。
マテウス・メンデス、ハンドレールでノーリーバックサイド270ボードスライド。
マテウス・メンデス、ハンドレールでスイッチ360キックフリップリップスライド。
最終的にガブリエル・アグイラがトップ通過。
April skateboardsの新星15歳マテウス・メンデスが2位で本戦への初出場を決めた。
首位で折り返したマティアス・デルオリオは、後半で失速してしまい4位に終わった。
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男子決勝はワイルドカードで勝ち上がった、マテウス・メンデス(16歳)、ガブリエル・アグイラ(25歳)、イヴァン・モンテイロ(26歳)、ルーカス・ラベロ(26歳)、フィリペ・モタ(18歳)、ルアン・オリベイラ(34歳)、ジオバンニ・ビアンナ(24歳)、フェリペ・グスタボ(34歳)といったブラジル勢8人と、唯一のアメリカ勢となるドミニク・ウォーカー(26歳)の合計9人で争われた。
以下、上位3人の滑りを紹介
※()内は合計得点。
【シングルトリック1本目】
ガブリエル・アグイラが、ハバレッジでハーフキャブバックサイドブラントスライドをメイクし7.8点。
ジオバンニ・ビアンナは、ハンドレールでキャバレリアルフロントサイドブラントスライド フェイキーアウトをメイクし7.5点。
フェリペ・グスタボは、ハバレッジでノーリーキックフリップバックサイドノーズスライドをメイクし8.5点。
【シングルトリック2本目】
ガブリエル・アグイラが、ハバレッジでアーリーウープからのフロントサイド180 フェイキーバックサイドノーズグラインドをメイクし8.2点(16.0)。
ジオバンニ・ビアンナは、ハンドレールでフロントサイドハーフキャブ バックサイドスミスグラインドを狙うがミス(8.5)。
フェリペ・グスタボは、ハバレッジでスイッチキックフリップ フロントサイドテールスライドを狙うがミス(8.5)。
【シングルトリック3本目】
ガブリエル・アグイラが、ハバレッジでキックフリップ バックサイドKグラインドを狙うがミス(16.0)。
ジオバンニ・ビアンナは、ハンドレールでフロントサイドハーフキャブ バックサイドスミスグラインドをメイクし8.7点を獲得(16.2)。
フェリペ・グスタボは、ハバレッジでスイッチキックフリップ フロントサイドテールスライドを狙うがミス(8.5)。
【シングルトリック4本目】
暫定2位のガブリエル・アグイラ、ハバレッジでハーフキャブバックサイドスミスグラインドをメイクし8.7点(24.7)を獲得して暫定首位に。
暫定3位のジオバンニ・ビアンナ、ハバレッジでキャバレリアル フェイキーバックサイドノーズグラインドをメイク、この日男女合わせて初めてのナインクラブとなる9.4点(25.6)を獲得し、暫定首位に。
暫定6位のフェリペ・グスタボ、ハバレッジでスイッチキックフリップ フロントサイドテールスライドをメイクし9.2点(17.7)を獲得して、暫定3位に浮上。
【シングルトリック5本目】
暫定2位のガブリエル・アグイラ、ハバレッジでキックフリップ バックサイドKグラインドを狙うが、実際はノーズスライドになってしまう。
それでも7.9点(24.8)を獲得し、順位はそのまま。
暫定首位のジオバンニ・ビアンナ、ハバレッジでキャバレリアル バックサイドテールスライド フェイキーアウトをメイクし8.9点(27.0)。
暫定4位のフェリペ・グスタボ、首位に立つには9.4点が必要な場面。
ハバレッジでノーリーキックフリップフロントサイドノーズスライドを狙うが、着地のバンクでまくられてしまいミス(17.7)。
【シングルトリック6本目】
暫定2位のガブリエル・アグイラ、ハバレッジでキックフリップ フロントサイドノーズグラインドを狙うがミス(24.8)。
暫定首位のジオバンニ・ビアンナ、ハバレッジでキャバレリアルからのトリックを狙うがミス(27.0)。
暫定4位のフェリペ・グスタボ、首位に立つには9.4点が必要な場面。
ハバレッジでノーリーキックフリップフロントサイドノーズスライドを完璧に決め9.4点(27.1)を獲得し、暫定首位に躍り出る。
【シングルトリック7本目】
ここで順番が下位からに変わり、最終トリックへ。
3位確定のガブリエル・アグイラ、ハバレッジでキックフリップ フロントサイドノーズグラインドを狙うがミス(24.8)。暫定2位のジオバンニ・ビアンナ、優勝するには8.9点が必要な場面。ふたたびハバレッジでキャバレリアルからのトリックを狙うがミス(27.0)。
この時点で優勝が確定したフェリペ・グスタボ。ステア横のハバにキックフリップバックサイドノーズブラントスライドを狙うがミス(27.1)。
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わずか0.1点差の接戦をものにし、奥さんのお腹の中に宿る赤ちゃんに最高のプレゼントとなるSLS通算2勝目を獲得した。
SLSテイクオーバーブラジリア2025ワイルドカードジャム&男女決勝の映像
(YouTube:https://www.youtube.com/live/KixINRYXhsI?si=NrT89rY-SLQPkQw3)
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1位 ライッサ・レアウ(ブラジル)–21.8
2位 ガブリエラ・マゼット(ブラジル)–14.0
3位 ドゥダ・リベイロ(ブラジル)–13.7
4位 イザベリー・アヴィラ(ブラジル)–12.7
5位 マージリン・ディダル(フィリピン)–9.6
6位 マリナ・ガブリエラ(ブラジル)-7.3
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1位 フェリペ・グスタボ(ブラジル)–27.1
2位 ジオバンニ・ビアンナ(ブラジル)–27.0
3位 ガブリエル・アグイラ(ブラジル)–24.8
4位 フィリペ・モタ(ブラジル)–17.9
5位 ルーカス・ラベロ(ブラジル)–17.0
6位 イヴァン・モンテイロ(ブラジル)–16.8
7位 マテウス・メンデス(ブラジル)–15.2
8位 ルアン・オリベイラ(ブラジル)–8.2
9位 ドミニク・ウォーカー(アメリカ)–7.7
文 小嶋勝美
スケートボード放送作家のスケーター